推しのペルソナ   作:のりしー

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芸能界編 高校入学

『つまらん。結局何もなしかよ』

『そう言うな。結果として次は恋愛リアリティショーの出演が決まった。心の闇は確実にこっちのが深い。今度はオマエの期待することがあるんじゃないか?』

『恋愛リアリティショー?姫さん出るの?どっちで?男役?女役?』

『ぶち殺すぞバカオーガ…』

 

 

ドラマの撮影は無事終わった。

鏑木Pの検査結果は白。俺達との血縁は無かった。

最初見た時は心の闇を持ってるかと期待もしたが、ただ単にこの業界に慣れすぎてスレてるだけなのかもしれない。

 

打ち上げで次の仕事を振ってもらった事を思い出す。

 

恋愛リアリティショーへの出演。

今度は、何か有力な手がかりがあるといいのだが。

 

明日は高校の入学式。

とりあえず早く寝て明日に備えるとしよう。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

「入学おめでとうアクア、オーガ、あとルビー」

「私最後とかありえなくない!なんで私よりこのバカ鬼が先なのよ!」

「ここ陽東高校は………………………………………………」

「おージャリを無視して話続けてら、メンタルつえーなお嬢ちゃんは」

オーガの言葉に頷く。 

絡みに行ったルビーを無視し、言いたいことだけ言ってるのだから中々な強心臓である。

 

「…ここは日本で一番観られる側の人間が多い高校。歓迎するわよ後輩」

 

そこで、有馬は一息置き、

 

「芸能界へようこそ」

 

そう、俺達に告げた。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

「っていう感じで友達になったみなみちゃん」

「どういう感じだよ」

まあ、初日で友達出来たみたいで良かったが。

「お兄ちゃんは友達出来た?そーいえばバカ鬼は?一緒だと思ってたけど」

「バカ鬼?」

「あーみなみちゃん、バカ鬼ってのはお兄ちゃんの唯一の友達で」

「おいこらバカ妹。別に友達がアイツ1人ってことはないぞ勘違いするな」

ただ、男子はいきなり友達認定とかしないだけなんだから。

 

「…んーまあそれはいいとして。バカ鬼いないの?」

「…ああ、さっきまで一緒にいたんだが、貢ぎ物もらいにふらっといなくなった」

「『鬼の貢ぎ物』?マジで?ここでもアレやるの…ええ…」

「バカ妹よ。アレを見ろ」

 

俺が指差す方を2人が見る。

 

『鬼×姫』

『姫×鬼』

2種類の目立つのぼりを立てて、そこで幾人かの少女達が何やらイベントの用な事をしている。

自作の冊子を配ってるのだろう、多分、間違いなく。

 

 

 

「うわっちゃあ……そう言えば、同中や学区同じ子もいるだろうしね確かに…」

「ルビーちゃん…いったい何なんあれ?」

「気にするな。あそこは魔界だ。近寄らない方がいい」

「えええ………」

 

 

入学祝い!布教用でサンプル配ってまーす!!タダでーす!

良かったら持っていってくださーい!!!

鬼×姫!鬼×姫!をどうかよろしくお願いしまーす!

鬼×姫とか邪道ですー!姫×鬼!姫×鬼!をよろしくお願いしまーす!

鬼×姫こそが正道でーす!姫×鬼とかセンスないからどうかと思いまーす。私達鬼×姫は皆様の清き一票をお待ちしていまーす。

はー!そっちが正道ならこっちは真伝でーす!姫×鬼!姫×鬼をどうぞよろしくお願いしまーす!!!

おお!やるんかゴラァ!!

やってやんよ!今日こそはケリつけたらぁ!!!

コラそこ!今日くらいはケンカしないの!!

ガルルルル!!!!

 

「…相も変わらすあの界隈はたくましい」

 

漏れ聞こえる声で、もう何が起こっているのかはっきりわかるのが悲しいが。

中学でのいつもの光景過ぎてため息もでない。

…冊子を食い入るようにして見る有馬かなの姿を見た気がする。出来れば気の所為であって欲しい。

 

「あ、不知火さん!」

「ん、不知火?」

「不知火フリルだよ!今の私の最推し!まさかの同じクラスだったのよ!!」

ルビーの視線の先に目を向ける。 

そこにはテレビで良く見る美しい少女がいた。

流石に俺でも名前は知っている。

不知火フリル。

芸能界でマルチに活躍する美少女だ。

 

「はあ〜遠目でもかわい〜」

「まじでただのファンじゃん。クラスメイトだろ?」

「だってぇ…」

 

もじもじする妹。

…仕方ない、ここは兄である俺が一肌脱いでやるとしよう。

 

俺は彼女に近づき、

「こんにちは、不知火さん」

そう、彼女に声をかけた。

立ち止まりこちらを見る不知火フリル。

「俺の妹がアンタと同じクラスなんだ。仲良くしてやってくれ」

「ちょっ!」

「………」

彼女は少し何かを思い出すような素振りをし、

「貴方知ってる。『今日あま』に出てた人?」

 

「ああ、良く知ってるな」

「うん」

 

そう言うと、彼女は後ろ手に持っていた冊子をこちらに向けて、

 

「ちなみに、私は姫×鬼派」

「おいこら!!!!!何持ってやがるこの売れっ子マルチタレント!!!」

まさかの不知火フリル!

何持ってんだコイツ!!

無料だからって節操なく受け取ってんじゃねえよ!!

 

「ん?なんか賑やかだな?どした姫さん」

 

そこにタイミングよく、貢ぎ物を大量に持ったオーガも来てしまう。

 

「あ、鬼の人だ」

「どうも鬼の人です。なんかよくわからんがとんでもない美人揃いだな、ジャリ以外」

「おいこらバカ鬼!ふざけんな!!」

「怖!…くないんか、この感じ」

「どーも、見た目ほどは怖くない鬼です」

「ああ、このオーガは見た目は怖いが比較的普段はまともなんであまり気にしないでくれ」

 

「比較的普段はまともだと?」

 

「…不知火さん…初対面で言うのも何だが、少し自重してくれないか…」

「がっはっは!知り合いたくさん増えたみたいでよかったな姫さんよ」

「そうやね、良かったねールビーちゃん」

「あ。それはジャリです。姫さんはこっち」

「バカ鬼ー!!貴様ー!!!」

「あははは!!なんかおもろいなあ皆。うち寿みなみいいます。鬼さんよろしゅー」

「不知火フリルです。鬼さん、今後ともヨロシク」

「鬼島凰牙太郎だ。長いんで鬼でもオーガでも好きに呼んでくれ。よろしくな」

「ムキー!!私の話聞けー!!!!」

 

 

「ヤレヤレだ…」

 

フッ、と口元から自然と笑みがこぼれる。

何だか、考えていたより楽しい高校生活が始まりそうな気がしてきた。

 

 

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