キヴォトスの時計塔 作:Laplaaaaaaaaaaaace
息抜きの為のサブ作品としてブルアカ×Bloodborneの二次創作を書き始めてしましました。
ブルアカ×ブラボのクロスssは先輩地底人の方たちがたくさん書いてるので、何処かで似てしまう部分があるかもしれません。
そんなときは優しく教えてください。キャンプファイヤーしちゃうぞ
どこかの世界に存在する、学園都市。数多の学園から成り立つその都市には、七不思議があった。
それらは『キヴォトス七不思議』と呼ばれ、各々の学園の生徒を震え上がらせた。と、いうのも過去の話。ミレニアムサイエンススクールが設立されてから、『七不思議』の大半が科学的な力により証明されていったのだ。
中には、誤作動を起こした機械、決まった日ごとに訪れる猫による物音、壊れたスピーカーから古い音楽が流れ続けていたり……。機械的な不具合や、動物によって起こされた事象が殆どだった。
しかし、その中でも、最後の一つ。
『キヴォトスの西端にある廃れた漁村、その近くに突然現れた古い時計塔の話』はミレニアムの力を以てしても、証明が不可能であった。
なにせ、この時計塔は先も述べた通り、何の前触れもなく突然現れたのだ。霧の深いある日、釣りに来ていたキヴォトスの住人が一人、今日は時化ているから魚など釣れないと判断した時だった。突然聞こえる鐘の音。霧の中に現れたるは、高く聳え立つ時計塔。
いきなりの出来事に驚いて逃げ出した釣り人は、当時の事をこう語っている。
ミレニアムの手が及ばないのは、塔における特異性もあった。時計塔の前には、季節外れの向日葵が無数に群生し、その時点で異様な雰囲気が漂っている。その向日葵は、冬でも朽ちることなく、皆真上を向き咲いていた。
そして正面の鉄扉は硬く閉ざされ、何人たりとも寄せ付けない。開けようともビクともしないし、ミレニアムの先進技術を駆使しても、開くことは無い。
ドローンを使って、正面以外からの侵入を試みる者もいたが、それも徒労に終わる。侵入できそうな穴を見つければ、何故かドローンが突然停止してしまうのだ。そんなことが続くものだから、ミレニアムは時計塔の調査を中断。
キヴォトス中で、『西の時計塔には触れてはならない』というお触れが発布される程までに至った。
秘密というものは、とても甘い。しかして、その秘密を暴くことは、愚かなこと。それゆえに、その好奇すら忘れるほどの恐怖が必要だ。だが、秘匿はいつしか暴かれる。時計塔の正門扉は、秘密を暴く者を待ち続けている。
そんな噂が通説になってから、1か月後。シャーレに赴任してきた『先生』と呼ばれる人が、キヴォトス各地で問題を解決してると、学園都市では話題になっていた。
そうなれば、学園都市に住む生徒たちは苦情や面倒事などを先生に任せて、解決してもらおう。と考えたりもする。自身の力だけでは為し得ないことを、他者の力を使いながら解決する。それは、人としての道理である。
ある時シャーレに届いた一通の手紙。
『西にある時計塔を調べて下さい。』
『今まで誰も入れなかった、不思議な塔です。』
と、短く簡潔に『これをして』としか書いていない手紙。差出人不明、所属学園も不明。匿名での手紙だが、どこかの生徒がお願いをしているのなら、助けなければいけないのが先生としての役目。
彼はタブレット端末をスーツに仕舞い込み、キヴォトスの西……、海の広がる大地へと旅立っていった。
とは言ったものの、遠い。果てしなく遠い。西端という話はアロナから聞いていたが、途中まで公共交通機関を使えていたのに、急に徒歩移動を強いられることになったときは驚いた。アビドスでの初日を思い出す。
砂漠を放浪し、危うく死にかけた所を、生徒の一人である砂狼シロコに救われた。彼女には感謝してもしきれない。数々の窮地を救ってくれた、頼れる生徒だ。
"アロナ、目的地まであとどれくらい?"
『う~ん……。概算にはなりますが、あと数キロくらい……かと!』
"はあ……もうちょっと歩く事になりそうだね……"
的確な距離ではないが、大まかな距離を知れただけでも心の安寧を得られるというもの。それに、アビドス砂漠ほど日差しがキツイわけでもない。水分補給さえ怠らなければ、途中で倒れることもないだろう。
それに、ここは殆ど獣道。森の中に踏みならされた道があったものだから、それに沿って歩く以外の道が無い。もし森の中で遭難すれば、今度こそ助かる確率はゼロだろう。
セリナを呼んだとしても、こんな森の中では方向感覚も狂うもの。共倒れになる可能性がある。
それにしても……キヴォトスの時計塔……。赴任してきたとき、生徒の雑談で出てきたが、どんなものなのだろうか。キヴォトスという先進技術の塊の様な都市なのだから、きっと見たことも無い技術が使われた、不思議な時計塔なのだろう。
何せ、あのミレニアムでさえが手出しできない代物らしいのだ。
『先生!目的地周辺です!ここは……古びた漁村でしょうか?人の気配はありませんが……』
"色々と考え事してたら着いちゃったね。それにしても……ここが……"
森を抜けると、目の前に広がったのは異様な光景。朽ちた木造建築の家屋に、ボロボロになって放置された木船。投網や銛、錆びた錨などが散乱した、漁村の跡。辺りには霧が立ち込め、最奥には、大きな時計塔が聳え立っている。一言で言って、不気味だ。
『キヴォトスに……こんな所が……』
アロナがぼそりと呟いた。彼女はキヴォトスの事であれば何でも知っているという優秀なAIだが、そんな彼女でさえ知らない場所があったなんて。ここは一体何なんだろうか。
"何にせよ、目的地はあの奥の時計塔だよね?……行ってみよう"
『はい!誰かの気配はしませんが、気を付けて進みましょう……!』
漁村後に足を踏み入れれば、歩くたびに薄く張った水がパシャ、パシャと音を立てる。それ以外の音は、一切聞こえない。崩れた家屋に、人一人が入れそうな大きな壺*1。漁の為に使っていたのかもしれない、道具たち。それらが散乱している道を歩く。
不思議と、道を見失うことは無い。最奥に聳える時計塔へと、導かれているような気さえする。と、ある程度の所まで歩を進めると広場に出る。
広場には、ぽつん……と小さな井戸が一つ*2。中を覗き込めば、梯子の残骸を見つけた。途中で折れていて、下に落ちてしまえば戻りようがない。仕方なく先に進む。
廃屋を横目にすっくりと進んでいけば、景色が一変した。相変わらず空は曇っているが、そこは一面の花畑であった。
向日葵が、時計塔を見上げるように皆真上を向いて咲いている。しかし、普通秋の季節に向日葵は咲かない。夏の花とも言われる程、もっぱら夏に咲くものだ。
向日葵の花畑の手前には、立ち入り禁止の立て看板。そして、花畑の奥。一本道を進めば、問題の時計塔だ。
今回は匿名の生徒の依頼で来ている。立ち入り禁止の看板を過ぎ去り、花畑へ踏み込んだ。聳える時計塔を見上げながら歩いていると、突然アロナが語り掛けてきた。
『先生!謎のデータを受信しました!プロテクトで守ってはいますが……どうしましょう……?』
"発信元の特定は出来そう?"
『ええと……えぇっ?!発信元、目の前の時計塔です!そんな……、機械の様な反応は検知できなかったのに……』
"……仕方ない、そのデータを見てみよう。もし危ないと感じたら、すぐに転送データごと削除。プロテクトを強化しよう"
『分かりました!このすーぱーアロナにお任せください!ええと……これを、こうして……』
ぴこん、という可愛らしい音と共に、何かのデータを受信する。これの正体がなんにせよ、目の前の時計塔に関係があるのなら、見てみるしかない。
『ええと……これは、文書データ……?』
「時計塔への招待状」
漁村の奥に聳える時計塔、その正門を開く資格がある者に送られる招待状。長きに渡る時を経て、誘う者を見出した時計塔の主は、頂にてあなたを待つ。
時計塔へようこそ、先生。足元に気を付けて進むと良い。
"……招待状、みたいだね。特に危険そうな要素は無いのかな?"
『このテキストデータによるウイルス汚染の危険性はありません!至って普通のデータでした。それにしても……どうやってこれを……?』
"今はまだ分からない。ただ、私達を招いているのは確からしい。取り敢えず、行ってみよう"
その招待状に書かれているままに、時計塔の正門扉に手を掛ける。時計塔の鐘の音と共にゴゴゴ……と厳かな音を立てて鉄扉が開く。今まで何人たりとも通さなかったその扉が、開いたのだ。
時計塔の中は暗く、螺旋階段が上まで続いている。階段の途中には、足元を照らす為のランタンが等間隔で並べられていた。それは恐らく、時計塔の頂まで続いているに違いない。
『……先生、相当長い階段みたいですが、登りますか?』
"行くしか、ないよね……"
とんでもない階段を見上げながら、ゆっくりと足を進める。段差はそれほど大きくないけれど、無数に続く階段が精神を削っていく。
息を切らしながら、ゆっくりと階段を登っていると、ふと足場の繋がっていない謎の足場を見つけた。謎の医療器具が散乱している。何のために使うのか、何に対して使っていたのか……全く分からない。それよりも……なぜ足場が繋がっていないのか。そっちの方が気になる。
"ふぅ……ちょっと休憩しよっか"
途中の階段に腰を掛ける。足が悲鳴をあげているけれど、登り切らなければこの時計塔の主には会えない。招待状もくれて、招いてくれたというのにここで諦めては……。
どれくらいの階段があるかは分からない。でも、今は頑張ろう。……休憩が終わったらね。
どれほどの階段を登っただろうか。眼下には闇が広がっている。風が吹き抜ける音が、なにか亡霊の泣き声のようにも聞こえる。……怖い。
"アロナ、ごめん……ちょっと前を照らしてもらっても良いかな……?その、少し怖くて……"
『わ、わわ……わか、分かりました……!私におまかせを!!』
アロナも相当怖がっている。いくら明かりがあるとはいえ、このキヴォトスでは珍しいランタンのみだ。ランタン程の明かりでは、階段全てを照らせるわけではない。
シッテムの箱を前面に構え、ライトで階段を照らしながら登っていく。ライトのおかげで視界は良好。少しだけ、恐怖も和らいだ。……気がする。
しばらく階段を登っていると、どうやら終点に辿り着いたらしい。暗がりの中に、大きな扉が現れた。
"ここ……はぁ、かな……はぁ、はぁ……"
『お疲れさまでした、先生!真っ暗で怖かったんですけど……、その間に頑張ってデータの発信元を探していたんです!』
『照合結果……、この扉の向こうから……です!』
"そっか……。よし……それじゃあ、行こうか"
鉄扉に両手を掛けて、ぐっと力を籠める。ギイィ……と扉が開いていく。途中で腕が辛くなったので、全身を使って片方の扉を押し開く。
扉の先には、大きな部屋が広がっていた。木造の床に、幾つかのランタン。そして特筆すべきは目の前の大きな時計盤。青い空から差し込む光が、部屋を照らしている。
……ちょっと待って欲しい、青い空?ここに来るまでに通った漁村の跡は、曇りだったはずだ。何なら、霧も立ち込めていた。だというのに、時計盤の裏の青空から光が差し込んでいる?
"アロナ、今日の天気って曇り、だったよね"
『はい。今いるキヴォトス西方は曇りですが……D.U.地区は晴れ、アビドスやトリニティも同じく晴れの予報です』
アロナの話と照らし合わせれば、猶更おかしい。時計塔は雲を突き抜けるほど高い訳ではなかった。なんで、こんな不思議なことが……
『……っ、先生!正面に誰かいます……!』
正面……?逆光で見辛いが、目を細めると薄っすらと影が見える。椅子の様な影と……小さなサイドスタンドだろうか。
ゆっくりとその影に近づいていくと、その全貌が明らかになる。椅子とスタンドの影は間違いではなかったが、何やら椅子に誰かが座っている様だ。
"……女の子?"
『そのようですね……。生徒情報を照会しましたが、名簿に見当たりません……』
椅子にまるで眠るように座っているのは、どこか洋風な服に身を包み、不思議な帽子を被った小さな女の子。どんな様式の服か……あまり詳しくないからうまく言えないけれど。
隣のサイドスタンドには、一冊の本と火の消えた蝋燭が刺さった燭台。少女はひじ掛けに凭れ掛りながら、死んだように眠っている。頭上にある筈のヘイローが見当たらない。
まるで、初めてアリスと出会ったときみたいだ。廃墟の深部で眠っていたアリスを見つけた時と同じ……そんな感じがする。だけれど、どこか……不思議な感じがする。
生きているようなのに、まるで死んでいるみたいな女の子。もしこれが本当に死んでしまっているのなら、とんでもない事件だ。最悪の事態として想定をしておきながら、眠っているということを念頭に置いて、起こしてみようとさらに近寄る。
目の前に来ると、彼女の可憐さが良く分かる。背丈は150㎝弱……だろうか。女の子としては少し小さめの背丈で、白く奇麗な髪を後ろで一束に纏めている。華奢で儚い……そんなイメージの女の子だ。
何度か声を掛けたが、起きる様子はない。アロナは声を掛ければ慌てて起きるのに……。なんて考えた後、彼女を揺すり起そうと手を伸ばした。
ガッ!
少女の手が、突然先生の腕を掴む。驚きを隠せず腕を引き抜こうとするも、少女の手が、腕を離さない。
少し距離を置いたというのに、ぐいっと身体を引き寄せられて、少女が目前に。そして、耳元に顔を近づけて、少女は初めて口を開いた。
招待状の本文と同じ歓迎の言葉を、彼女は口にした。
ヨセフカ診療所からこんばんは、わたしです。
なんか記憶がないので初投稿にします。
時計塔のマリアを出すべきか……時計塔のマリアポジのTS転生オリ主を出すか……。星の娘に少女を見出す先輩狩人兄貴さん達は、どっちがいいんだろう。いいや、自分に従おう。自分の癖を信じるんだ。
アイテム 作者の癖
信じろ。