TOS-TL~妹令嬢はお兄さまを救いたい~ 作:お兄さまファンクラブ名誉会員
お久しぶりです。
ユ◯アのアトリエをやっていたら一カ月が過ぎ、その後GW直前の駆け込みでリアルが忙しくて更新が遅れました。(突然の言い訳)
では続きをどうぞ。
「ここがサイバックかぁ。パルマコスタみたいに広いんだね」
「学園都市というだけあって色々な研究がされているようだわ。興味深いわね」
「……ここにコレットを元に戻す方法がある」
「かもしれねーなー」
無駄に長いグランテセアラブリッジを越えて、セレスを加えたロイド一行はサイバックへと到着した。セイジ姉弟は研究機関に興味深々で、プレセアは相変わらず無表情。
その中でもロイドは非常に燃えていた。
「かもしれないじゃない。見つけるんだ!」
「そうか。まあ頑張れ」
「おう!任せておけ!」
「……青春だねぇ」
気合いを入れるロイドを茶化すゼロス。だがより一層熱くなってしまい、ゼロスは肩をすくめるしかない。
「もう……。お兄さま、あまり茶化してはかわいそうですわよ」
「そうかー?」
「ええ。それに、女の子を助けるために頑張っている殿方はカッコいいと思いますわ」
必死になってコレットを救う手段を探しているロイドを煽りまくるゼロスに流石のセレスも苦言を呈し、そしてロイドのことを少しだけ褒めた。
「はあ!?ダメだダメだ!セレス!ロイドくんはぜーったいにダメ!お兄ちゃんは許さねーぞ!」
「ど、どうされましたの急に」
「「「お兄ちゃん……」」」
するとどうだろう。突然ゼロスはロイドはダメだと騒ぎ始める。
「ああいうのは誰にでも良い顔して、とっかえひっかえ相手を変えながら最後には全員を虜にするようなひでーやつなんだからな!」
さらに決めつけでボロクソに言うゼロス。突然の兄の豹変ぶりにセレスも固まるしかなかった。
だがロイドだってここまで言われて黙っていられるはずもない。
「はぁ!?俺そんなんじゃ」
と言い返すも
「「たしかに」」
「ええっ!?」
「だろ〜?」
「ロイドさんはタラシ、なんですね」
「いやだから俺何もしてないじゃん!?冤罪とかひどくねえか!?」
がしかしゼロスに同意するセイジ姉弟。あっけなくロイドは裏切られてしまった。目の前で行われる無慈悲に、セレスはどう言っていいのかわからず目を逸らすしかない。
「ん?俺さまの顔に何かついてるか?」
目を逸らし続けるセレスに気づいたゼロスが理由を聞いてきた。セレスは視線をしばらく泳がせた後……結局ゼロスにそれを固定し、彼をはっきりと見ながらこう言い放った。
「それって社交界でのお兄さまとどう違うのですか?」
「…………ぐふっ」
ゼロスは白目を剥いて気絶した。妹からの豪速球火の玉ストレートは、彼にはまだ早すぎたようだった。
「くっそー。やっぱり要の紋が無いとダメか」
研究所を訪れてクルシスの輝石の情報を受け取った一行だったが、セレスのうっかりから原作より遥かに先行入手した情報の通り、要の紋が無い場合は制御できないとのことだった。
「抑制鉱石はどこかで入手できないのか……!」
「確実に入手するなら南の鉱山だが……あそこ遠いんだよな」
「トイズバレー鉱山ですわね?」
地理に疎いセレスでもさすがに知っている。なにせ修道院のすぐ目と鼻の先にある場所だからだ。
「まあ運が良ければそこら辺の石に混ざって落ちてることもあるらしいが、現実的じゃあないわな」
「そうか!ならそこら辺に落ちててくれよ抑制鉱石!」
「今お兄さまが現実的じゃないっておっしゃいましたばかりですのに……」
ロイドは熱く燃えていた。そして非常にやかましかった。
「抑制鉱石ですか?それならバザーで見かけましたが」
「何だって!?」
しかしその甲斐あって、ロイドの叫びを拾った通りがかりの研究員が目的のものをバザーで見かけたと言う。
すぐさまロイドはその研究員に詰め寄った。
「それはどこにあるんだ?」
「ああはい。ここを出てすぐ、図書館の辺りです」
「助かる!」
「いえいえ」
「ちょ、おいロイドく〜ん。勝手に動き回られると……ってもう居ねえし」
「ロイドは直情型だからねぇ」
場所を聞いたロイドはすっ飛んでいってしまった。
「あったけど買えなかった……」
そして肩を落としながら手ぶらで帰ってきた。
「おいおいロイドくんよ~。そこら辺に落ちてそうな石ころを買えないってどういうことだよ?」
「値段聞いたら10万ガルドだって……」
「「「「ええ……?」」」」
しょんぼりするロイド。まるで雨の日に捨てられた子犬のような雰囲気を醸し出している。
「……ったくしょーがねーな。ここは俺さまが一肌脱いでやるよ」
「私も参りますわ、お兄さま」
足元を見られまくったことを察したゼロスは、流石にこれではかわいそうだと思い、バザーへと向かった。ついでにセレスもついて行った。
しばらくして……。
『サンダーブレード!!!』
『アブソリュート!!!』
雷鳴やら氷が爆散する音やらが鳴り響く。ついでにおっさんの悲鳴があがった気がした。
その数分後、二人はのんびりと帰ってきた。
「ほらよ」
そしてゼロスは手に持ったものをロイドへと投げ渡す。
「うわっと!……これは!?」
「抑制鉱石ですわ。あのおじさまは私たちの方で〆……じゃなくて、快く協力してくれましたのよ」
「だからそれはロイドくんが使っちゃっていいぜ~」
それは求めていた抑制鉱石だった。受け取ったロイドに笑顔が戻り、
「そうなのか!二人ともサンキュー!……よーし!それじゃあ俺はまじないを掘って来るから、みんなはここで待っててくれ!」
見えない尻尾を全力で振りながら研究室の中へと駆けていった。
「いや~。それにしても店主が話がわかるやつでよかったな」
「そうですわね、お兄さま」
((サンダーブレードだとかアブソリュートだとか聞こえてた気がするけど……))
セイジ姉弟は、ワイルダー兄妹が問題を物理的に解決したことを察していたのだった。
「これでいいはずだけど……」
半刻程経った頃だろうか。研究室から戻ってきたロイドが、要の紋で作ったペンダントをコレットの首にかける。しかし、コレットの目からは正気が失われたままだった。
「……くそっ、ダメか。コレット、すまねえ……」
「おかしいですわね。他に何かが必要なのでしょうか?」
「かもしれねえな」
考え込む一行。しかし時間だけが無駄に過ぎるばかりで結論は出なかった。
「とりあえずプレセアをオゼットに帰してあげようよ。いつまでもボクたちに付き合わせるわけにもいかないでしょ?」
「やべっ。すっかり忘れてたぜ」
進展しない問題に目処をつけたジーニアスが、プレセアをオゼットに送り届けるということを提案する。そのことをすっかり忘れていたロイドは、ひとまず彼女を送り届けてからまた考えることにするようだ。
「ああ、そうだな。なあゼロス。オゼットってのはどこにあるんだ?」
「オゼットならガオラキアの森を越えた先だ。ガオラキアの森へは街道をそのまま進んでいけばいいし、迷うことはないはずだぜ」
「なるほど」
「俺さまたちはメルトキオに帰るんで、ロイドくんたちは頑張ってくれよな」
「失礼いたしますわ」
「色々とありがとな!」
こうしてロイドたちはガオラキアの森へ、ゼロスとセレスはメルトキオへと戻るのであった。
次回はロイドくん側の視点を加えてからメインの話になりそう。
どこまでセレスを引っ張り出して良いかを考え中。オチは用意出来てるんだけどなあ。