TOS-TL~妹令嬢はお兄さまを救いたい~ 作:お兄さまファンクラブ名誉会員
お久しぶりです。前の投稿から半年近く経ってるけど、こっそり投稿すればバレへんやろ。の精神で初投稿です。
リアルが多忙でなかなかまとまった時間が取れなかったのですが、なんとか続きを投稿することができました。
では本編をどうぞ。
「ゼロスが言ってたガオラキアの森はここ……だよな?」
「サイバックから道なりに来たからここで合ってるはずだよ」
「だよなあ………」
サイバックにてワイルダー兄妹と別れたロイド達一行は、ガオラキアの森へと到着した。しかし入口には騎士が立っていて、中へと続く道は通れないように衝立で道を塞がれている。
「なあ。少し聞きたいんだけど、ここって通れないのか?」
「ご不便をおかけして申し訳ないであります。現在、ガオラキアの森は安全のため全域で通行止めをしているであります」
「なんでだ?」
「先日、この森に腕が4本ある見慣れないガイコツの魔物が現れて、商人に襲い掛かってきたとの情報が入ったであります。我々で確認したところ、確かにガイコツの魔物が剣を振り回していることが確認できたであります。現在は討伐隊を編成している最中でありますので、安全が確認されるまで森への侵入を全面禁止しているであります」
「仲間がオゼット出身だから帰りたいんだが、どうにかならねえのか?」
「規則ですのでお通しできないであります。オゼット方面へは海路を使っていくことを推奨するであります」
「……そうか。わかった。ありがとう」
「ご協力に感謝するであります」
ロイド達は何とか通ろうとするも、騎士側としては一般人だと思っている彼らがみすみす魔物に切り殺されるのを許容できるはずもなく、ここは通せないという。
こうなってしまうと流石に強引に侵入するわけには行かず、ロイド達はサイバックへと引き返すことになってしまったのだった。
「くっそ~。ここにきて足止めかよ~」
「やれやれ。仕方ないとはいえダメだねあれは。頭が固すぎだよ。取り付く島もないじゃないか」
「……とはいえ彼の職務を考えたら仕方ない面もあるわ。残念だけど他の手段を考えましょう」
サイバックへと戻ってきたロイド達は宿屋で今後の予定を立てることになった。しかしテセアラはロイド達にとっては未開の地であり、有効な手段は思いつかない。
「……あの騎士はオゼットへは海路で向かえと言っていたけど、残念ながら私たちには海を渡る手段はないわ。レアバードは燃料不足で使えないし、困ったものね……」
「え?海ならタライで良いんじゃないか?サイバックでそれを借りれb『ロイド?』……ああっ!?な、何でもないよ先生。冗談だってうわやめああああああ~~~~…………」
「ちょっ、ロイド!?姉さん!?」
リフィルが騎士から海路を提案されたことを思い出すも、海が嫌いな彼女はそれを無かったことにした。しかしそこをスルーできずタライで海を渡ることを提案するロイド。ソダ間欠泉への道中でひどい目に遭わされたことを覚えているリフィルは青筋を立て、それを見て青ざめるロイドだが時すでに遅し。リフィルは哀れな子羊を引きずって宿屋を後にした。取り残されてしまったジーニアスは今後の先行きに不安しか覚えず、頭を抱えるしかない。
「こ、こんなので大丈夫なのかな……。プレセアはどう思う?」
「……馬鹿、です」
「プレセア!?」
なお同じく取り残されたプレセアは無慈悲だった。
ぎゃああああ!!!という悲鳴が学園都市に響き渡ったのは、それからしばらくしてのことだった。
「あら?お兄さま。ガオラキアの森がしばらく前から魔物被害で通行止めだそうですわよ」
「ん~?……マジかよ。ならロイドくんたちはオゼットには行けてねえってことか」
ロイドがリフィルによって折檻を受けている頃。王都へと戻っていたワイルダー兄妹は、ロイドらがガオラキアの森で足止めを受けていることを広報によって間接的に知らされていた。
「ガオラキアの森が使えねえってなると海路か?」
「それしか無いでしょうね。ですがエレメンタルカーゴは最近調子が悪くて動きが鈍いらしいですし、どうするつもりなのでしょう?」
「さあな〜?ま、あいつらならなんとかするだろうぜ〜」
「そんな適当な……」
「なっはっは!俺さまには関係ないからな!それに言うだろ?地上も海上もダメなら空だ、ってな」
「言いませんわよ……」
ロイドたちがレアバードでシルヴァラントからテセアラへ来たことを、レネゲードと裏で繋がっているゼロスは知っているがセレスは知らない。1周目のときの南の修道院への訪問は、海路があるのでそちらで来たのだとセレスは思っている。故に彼女は、地も海もダメなら空を飛べば良いなどと頓珍漢なことを言う兄をジト目で見てしまう。
「な、なんだよセレス〜。そんな胡散臭そうな目で俺さまを見るなって」
「お兄さまが人間が空を飛べるなどと頓珍漢なことをおっしゃるからですわ」
「いや普通にレアバードがあるだろ?」
「……レアバード?何ですの、それは?」
「…………あ」
レネゲードから秘密裏にリークされている情報をセレスが知っているわけがないことに今更になって気づくゼロス。そして気づいたときには既に妹に回り込まれていた。
胸の前で手を組んで私心配してますアピールをする妹に、腰が引けるゼロス。これがしいなであれば、煙に巻いてとっとと逃げ出していたであろうが、今回は相手がセレス。大事な妹に心配されて放っておけるほどの強心臓をゼロスは持ち合わせていなかった。
「お兄さま。どうして空を飛べるらしいレアバード?をご存じなのですか?私に教えt『ゼロスさま。ゼロスさまにお客様がおいでになられております。セレスさまもご同席を、とのことですが、如何致しますか?』……む〜。あとでちゃんとお話を聞かせていただきますからね」
「お、おう(た、助かった〜っ!!!)」
しかしそこへ都合よく来客との知らせを受ける。聞きたいことはあるものの来客を待たせるわけにはいかず、部屋の外への扉の前から避けるセレス。ゼロスは明らかにヤバい案件にセレスを巻き込まなくて済んだことを、心から来客に感謝するのだった。
「久しいな、神子よ。そしてセレス嬢、ご機嫌麗しゅう。お二方とも、今日はよろしく頼む」
「……あんたが年始の時期以外に王都に、しかもうちに来るなんて珍しいな。んじゃ俺さまは忙しいんだ。とっとと帰ってくれ」
「ちょっとお兄さま……」
「はっはっは。良いのだセレス嬢。アポもなしに突然来た私に非があるのでな」
来客はレザレノカンパニーの会長、リーガルだった。メイドを1人連れて応接室へと通された彼は、いつも通り男には興味ないを全力で体現するゼロスの態度を笑って流す。
彼はそのままでは追い返されること、そしてセレスの取りなしで話を聞いてもらうことを込みでわざわざ彼女を同席させたのだ。それだけこの後の話がリーガルにとって重要であることの現れであり、この程度の対応なぞ彼にとってはどうということはなかった。
そしてゼロスもセレスをダシにされてしまったことをわかっており、それを非常に不愉快に感じてはいるが……。先程の追求を上手く誤魔化すための時間が欲しかったがために、わざと話に乗っかったのである。
挨拶が終わったことにより、ここからは真面目な話だ。真剣な表情をしたリーガルは、今回の訪問の目的を話すべく口を開いた。
「実はな。ここだけの話なのだが、結婚することを決めたのだ」
なんとその内容は彼が結婚すると言う話だった。
「ふーん。……………は?結婚?あんたが?」
「ああ。そうだ」
「まあ!」
当然、いつも通り流そうとしたゼロスだったが、内容が内容だけに聞き返してしまう。しかし返ってきたのは肯定。ゼロスは驚愕に口を半開きにしてしまい、逆にセレスは目を輝かせて興味津々だ。この辺りは男女の差としてよくあることである。
「それで、神前婚をするために神子からマーテル教会に」
「まてまてまて〜い!え?あんたが結婚?仕事が恋人とか言ってそうなあんたが!?」
「……神子が普段私をどう言う目で見ていたのかを知って、ある意味驚きを隠せないが……本当だ。私は結婚をする」
「おいおいマジかよ……」
二度も肯定されたことで、リーガルが本当に誰かしらと結婚することになったことをゼロスは理解した。
「それでそれで。お相手の方はどなたですの?」
わざわざ自分の同席を求めてきたぐらいであるから、とガンガン踏み込むセレス。リーガルは彼女が居なければ文字通り門前払いになることをわかっていて巻き込んだのだ。それに対する誠意を見せ、そしてそもそも隠す必要もないので、壁際に控えていたメイドを呼び寄せた。
「彼女、アリシアと結婚するのだよ」
「な、なんだってー!?」
紹介されたメイド、アリシアはカーテシーをしてゼロスへと向き合った。
「リーガルさまに紹介していただいた、アリシア・コンバティールと申します。神子さま、そしてセレスさま。本日はよろしくお願いいたします」
「「は、はあ……?」」
挨拶されるも困惑しかないワイルダー兄妹。しかしそれをリーガルは訂正した。
「違うだろうアリシア」
「えっ?」
「結婚届はもう提出したのだから、アリシア・ブライアンだ」
「まあ!リーガルさま!」
そしてリーガルに抱きつくアリシア。リーガルも嬉しそうに彼女を抱き返す。
「だー!お前ら人ん家で盛りあってるんじゃねー!!!」
目の前でいちゃつくバカップルにキレるゼロス。セレスも最初はほんわかしていたものの、いちゃつき始めてからはジト目だ。
「というわけで、マーテル教会への根回しを神子からもしてもらえるように頼みにきたのだ。そのための迷惑料はこうして用意してあるので、優先的にしてもらえると助かる」
「いや何がというわけなん……は?」
ドン!と置かれたトランクには、ガルド紙幣の束がこれでもかと敷き詰められており、この結婚へのリーガルの意気込みが感じられるものだった。しかもそれが3ケース。
「いやいやいや……えっと……何だこれ?」
「す、すごいですわね。これをお兄さま個人に?」
「ああ。何故かは知らないが、ものすごく重大な問題があって、それを事前に神子に救われた気がしてならないのだ」
「は?俺さまは何もしてねーぞ」
「であろうな。だがこうするべきだと私が思ったのだ。もちろん賄賂ではないので国に届けてもらって構わない。寄付は個人の自由である故にな」
「い、意味がわからねえ。……まあ祝い事は教会の領分だし?教会には俺さまからも根回しをしてやる。それにこの程度のことで天下のレザレノの会長に恩を売れるなら安いものだろうしな」
「助かる。では、よろしく頼む」
こうしてリーガルは後日アリシアとの盛大な結婚式を挙げることになる。だがそれが大幅な遅延を要することになるとは、誰も思ってはいなかった。
アリシアが生きているのは、ゼロスがシスコンを発揮して早々に教皇を失脚させたからです。シンフォニア本編では、教皇と繋がりの深かったヴァーリが、教皇やロディルと結託してエクスフィアの実験及びリーガルへの圧力を目的として彼女にエクスフィアを埋め込み、怪物にさせてしまいます。
しかし本作では、ゼロスが前述の通りの行動をしたことで、本編同様に繋がりの深かったヴァーリは芋蔓式に検挙されて処刑されました。その結果、アリシアはエクスフィアの実験に巻き込まれなかったので、リーガルのメイドを続けることができ、無事にゴールインできたわけですね。本編でも執事がいくら反対したところでヴァーリの妨害が入らなければ間違いなくこの2人は婚姻まで進んでいたので間違いないと思います。
ちなみにプレセアの成長は16年前に実験に参加しているので、シスコンルートでも間に合いません。したがって残念ながらプレセアはロリのままです。
時は戻らない。それが自然の摂理(本作全否定)