「つーわけで、今日は沢山食べて飲め!」
「わーい!先輩太っ腹!」
「お前は自腹だ。さあ、小田切君も食べてくれ」
「いいんすか?俺、STARRYのメンバーじゃないのに」
結束バンドの打ち上げ。居酒屋では結束バンドのメンバーとSTARRYの店長である星歌と、音響担当エンジニアのPAさんときくり、隼人が集結していた。隼人は場違いではないかと考えるがPAさんが声を掛ける。
「いえいえ。今日のライブ、ある意味小田切さんのお陰でもあるんですよ?さあ、食べて下さい」
「(おわ……PAさん、めっちゃいい匂い…はっ!)」
「はーやーとーくーん?」
PAさんの匂いに一瞬血迷う隼人……殺気を感じた隼人は前を見るとハイライトの消えた眼差しでこちらを見るひとり。隼人はすぐに誤解を解く。
「隼人君……PAさん見る目がとてもエッチです……私なんて、どうせ魅力がないですよね…」
「す、すまねぇ!ただひとりに対する想いは本物だ!」
「どうだか…」
「俺はひとりだけを見てる。笑ってる君も、怒っている君も、泣いてる君も全部大好きさ」
「隼人君…は、恥ずかしいですよ……皆の前ですよ…」
「なら見せてくれよ……照れてるひとりを」
「隼人君……」
「「「「ごはぁ…!!」」」」
目の前で繰り広げられる大胆な二人だけの世界に郁代、虹夏、リョウ、星歌は思わず砂糖を吐く。きくりはケラケラ笑いながら、PAさんは微笑んでいた。
「嘘よ……後藤さんがこんなにラブラブな訳がないわ!?」
「喜多ちゃん、何処のラノベタイトル?」
困惑する郁代に虹夏がツッコミを入れる。そんな中、隼人の肩を叩く者がいた。
「えと、君は確か……」
「山田リョウ。小田切隼人……この写真が欲しいか」
リョウはひとりの写真を数枚見せる。寝ているひとり、顔を赤くするひとり、汗を払うひとり、髪をポニーテールにしたひとりの写真……隼人はすぐに財布を用意する。
「ふっ、何円だ?」
「全部で5000円。今回は割引で3000円にしとく」
「ふっははははは!!勝てる!勝てるぞ!ひとりの写真だけで20年は生きれる!」
「おーい隼人くーん?顔が何処かのルルーシュみたいになってるよー。あとリョウ、お金は没収だから」
「殺生な!」
ムッ◯リーニ商会ならぬ、山田商会は写真で一儲けしようとしたが売り上げ金は虹夏により没収される。隼人とひとりは店の外へ出る。
「隼人君、今日はありがとうございます……私が頑張れたのは隼人君がいたから……」
「別に、俺は何もしてないよ……だけど良かったよ。やっぱりひとりは輝いていた。そんな君の演奏を見れて幸せ者だ」
「大袈裟ですよ?……でも私、今とても幸せです……バンドをやれて、隼人君がいて……多分隼人君と出会わなかったらこんな日常なかったから……だから」
「っ!」
「……せめてものお礼です……キャ!」
ひとりは隼人の頬にキスをする。顔を真っ赤にするひとりは先に店に戻る。
「いいや。俺の方こそだよ……君がいたから毎日が楽しいぜ」
隼人はそう溢すと、店へ戻り結束バンドのメンバーや星歌達と楽しくご飯を食べる。