学園祭当日。晴天に恵まれ秀華高校は賑わいを見せていた。隼人と郁代を中心にコスプレ喫茶は盛り上がりを見せ繁盛していた。やがて隼人と郁代は休憩を貰う事になり、郁代は制服に着替えて、隼人はゼロの姿のまま廊下を歩く。
「どのクラスも賑わってるね?」
「平和やなー。さて、ひとりの店に……『あ!喜多ちゃんと隼人っちじゃん!』虹夏じゃねぇか」
「伊地知先輩!リョウ先輩も!」
「やっほー!」
「隼人、ぼっちが教室にいない」
「なんだって?」
虹夏とリョウはひとりを尋ねてクラスに入ったがひとりは行方を眩ましていた。事情を聞いた隼人と郁代は手分けしてひとりを探す。
「ぼっちを見付けた褒美に写真をあげよう。割引で7000円にしとく」
「ふふ……ふはははははは!!ならば早く見付けるぞ!俺のコレクションを増やさねばならないからな!」
「隼人っち、また顔がルルーシュっぽくなってるぞー」
虹夏のツッコミは置いて、隼人達は手分けして探す。そして……
「ひとり、なぁにしてんだ?」
「は、隼人君!?もう……隼人君にだけは見られたくなかったのに……」
メイド服に身を包んだひとりを見付けた隼人達。そして教室へ連れて帰る。仕方なく郁代、虹夏、リョウ、隼人の席へ注文を取りに行くひとり。
「(うんうん!ひとりのメイド姿……ふふっ…)」
「隼人君鼻血が出てるよ!?」
「まーた、良からぬ事を考えてるな」
「隼人、案外スケベ?」
「バーロ!スケベじゃない!俺はひとりをこよなく愛する小田切隼人だ!」
「そ、そんな事大声で言わなくていいから!は、隼人君何するの?」
「んじゃ、オムライスを貰おうかな……もちろん美味しくなる呪文付きでな」
「うぅ……メイド姿でさえ恥ずかしいのに……」
赤面するひとりは隼人、郁代、虹夏、リョウにオムライスを持って来た。そしてひとりはすっと深呼吸すると隼人に視線を向ける。
「ピュアピュアオムライス!美味しくなれー!ちゅ!」
「ごはァァァァァァ!?」
「隼人っちィィィィィ!?」
ひとりはキャラを変えて美味しくなる呪文を掛ける。隼人はそれを目の当たりにした隼人は吐血する。
「(な、なんだ!?これはまさに究極で完璧なひとりだ……)」
「ははは隼人君!?大丈夫!?」
「へへ、来世は鳥になれますように……」
吐血してひとりに介抱される隼人は気を取り直し、郁代達とオムライスを食べる。ひとり達は忙しく教室内を駆け巡る。だがそんなひとりに難癖をつける者達がいた。
「オイオイ、ここの店は提供がおせーな」
「全く、他のクラスは早かったのにな?」
「す、すいません……」
3年生の常田と夏山の常夏コンビ。まあまあ問題児であり、色んなクラスの店に行っては難癖をつけるクレーマーである。ひとりが必死に謝るが、常夏コンビはひとりに詰め寄る……当然隼人は黙っていなかった。
「彼奴等……ちょっと殺してくる」
「隼人君乱暴は駄目だよ!?」
「大丈夫だ。半殺しにするだけだ」
「大丈夫くないよね!?」
郁代と虹夏の制止を振り切り、隼人は常夏コンビに声を掛ける。
「すいません」
「「あぁ!?へぶら!?」」
「ひとりが何かしましたかね?申し遅れました、わたし小田切隼人と申します」
明らかに怒りを抑えている隼人に常夏コンビは反論する。
「オメー人を殴っていいと思ってるのかコラ!?」
「そうだそうだ!下級生の分際でよぉ!」
「これは失礼。ですがこれはパンチから始まる交渉術でございます。貴方達常夏コンビですよね?いやー、実は他のクラスからクレームが出てるんですよねー。上級生だからと言って調子に乗らない方が身の為ですよ?」
「んだと?下級生ちょっと――へぶら!?」
「夏山ぁ!?」
隼人はまだ反論しようとする夏山を蹴り飛ばす。
「キックで繋ぐわたしの交渉術でございます。さて?プロレス技で繋ぐ交渉術もございますがどうされます?」
「ちっ!夏山行くぞ!小田切覚えてやがれ!」
常田は夏山を連れて教室を出る。先程から悪態ばかり付いていた常夏コンビを追い払った隼人。そのお陰か、郁代達から拍手される。そしてひとりが駆け寄る。
「ありがとう隼人君!」
「気にすんな。さて、あの常夏コンビは居なくなったし、飯の続きだ」
だが隼人はこの時知らなかった。常夏コンビのせいでひとりとの関係に亀裂が入る事を。
常田と夏山はバカテスのあの二人のオマージュキャラっす。