アビスシェルダー系超級とアニメ再現系生産型アホ二人。 作:内藤悠月
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「と、言うわけで、だ。何人か集まってもらったわけだが」
「どういうわけだよそれは」
その場、機人氏族の島の中央にそびえる扉から入れるダンジョン、<試練の迷宮>。
デンドロ内の各所に点在し、グランバロアにも7箇所存在する遺跡に似ているような、異なるような雰囲気を放つ扉の前に彼らは集まっていた。
“深海棲艦”、【
鋼の人形遣い、【
金属に愛された少女、【
<ネオスペース>所属のロボット製造者、【
<ネオスペース>専属操縦士、【
<マクロスシティ商工会>きってのジャンク屋、【
<ヴァンキッシュ>の切り込み隊長の一人、【
<ガルホート交易団>オーナー、【
「<スカイエース>が<UBM>の捜索を行っている間に、やっておきたいことがあってな」
「なるほど、<試練の迷宮>の踏破……その先にあるものだな?」
「そうだ。<ガルホート>の【
神。この世界において、その存在がほとんど語られていないもの。
天罰神の存在が人々の口に語られるだけで、信仰を集める存在そのものが存在していない。だが、この島の機人はこの島そのもの、ひいては機械の神を崇めていた。
迷宮の各所から溢れ出す【神の血】による恩恵を受けているためかもしれない。
「ウルティマ、C4-685、ゆかり、マチュが前衛戦力。私と、ロウ、ベルドが後衛戦力だ。カラードは置物だから気にしなくていい。今回重要なのはロウと685の二人だ。この二人は死んでも守れ」
「……マチュが前衛?」
「ウルティマは知らないか。あいつは戦闘型としてはインファイト型だよ」
ウルティマはちらとマチュへ目線を向ける。どこかで見たような……具体的にはデビルメイクライで見たことあるような手足の装甲に、【ミスリルコート】に似た形状のコートを、パイスーの上から身にまとっている。
「ぶっちゃけある程度深く潜るとウルティマ以外は役立たずになると思うから、超級さまさまですわ」
「こ、こいつ……」
グランバロアにおいてダンジョンアタックができる超級はウルティマただ一人である。いつか来る依頼ではあった。
「それにウルティマは《部隊指揮》持ってるから8人で挑めるのも助かる……」
「オレのこと便利使いしてない!?」
ウルティマのサブ上級職は【
もともと分身体となる蜂を強化するために取得したジョブだ。だが、グランバロアに来てから戦力の支援として固定のパーティーに参加することが多くなったために《部隊指揮》を使うことが多くなっている。
つまりこういう雑な扱いは、わりとよくあることだった。本来ちょっとは怒るべきなのだが。
「はあ……、まあわかったよ。戦力が必要ってことは。じゃあせめて戦い方の自己紹介してくれ。半分以上非戦闘職だから想像がつかん」
「それはもちろん」
「あとは……当然オレからするよ。基本的なところは全員知ってるものとして。パーティとしては前衛タンク。あとは【司令官】バフと味方バフの装備品がいくつかある。あとは《虹の防壁》と《ライフゲイン・ウエイト》がさっき増えたばかりだな」
それは彼らの前で見せた【はいぱーきぐるみしりーず ぎが・めたろじー】と【ウロボロス】、【融帝】のシナジーだった。
【はいぱーきぐるみしりーず ぎが・めたろじー】が持つ3つの固有スキルの一つ、《積々金属装甲》。そのスキル効果は「金属塊を装備品として扱う」である。
装備枠が増えたりするわけではない。ただ金属塊が装備品として装備できるようになっただけ。だが【ウロボロス】にはそれだけで十分である。
なぜなら、【合金化】したモンスターを装備品としてそのまま取り込めるから。
ゼタに教えられて気がついたシナジーであり、今までは金属塊をくっつけて最大HPとENDと耐性を増やすことにしか使っていなかったものだった。
最も、当時から今まで【金属化】に類するスキルがなかなか取得できず、モンスターに状態異常が刺さりすらしなかったので実際に実行できたのは片手の指で数えられる程度だが。
残り2つは片方がなんでも丸呑み捕食してリソースとして獲得し……捕食スキルを適用できる《鋼鉄の美食家》と、捕食したリソースと捕食スキルの効果を【ぎが・めたろじー】に流す《超々金属精製》。《鋼鉄の美食家》は金属類を捕食スキルの適用範囲するおまけ付き。
【融帝】の持つ《捕食魔獣》を《鋼鉄の美食家》と組み合わせて使うことで、事実上【ウロボロス】がモンスター素材の持つスキルをラーニングすることができる。
「
「マチュ。俺は……見てもらったほうが早い」
マチュがグッと手を握る。それと同時に腕の側面からジェットエンジンのような形をした金属が生えてきた。
「……衝撃鋼ギルガメス!?」
デビルメイクライで見たと思ったらデビルメイクライだった。デビルメイクライシリーズで伝統的に登場する格闘強化装備であり、その中でも衝撃鋼ギルガメスは魔界に存在する特異な金属だ。生体と融合しその格闘能力を強化する。
「【神の血】を材料に使った。これでも上級職200レベル相当のENDと攻撃力がある」
元となった材料の性能がよほどよかったのか。普通の装備品とは思えぬほどの高性能である。
「……ちょっと欲しいな」
「ウルティマ?」
「あとこのコートは液体金属製の人形。【サ◯コフレーム】を合金してるから俺の意志に従って自由に動く」
デンドロにおける流体は恐ろしく強い。種族特性として持つスライムは基本的に物理完全無効である。おそらくはそれを見込んでの防御策だろう。
「次。カラードとC4-685」
「俺が作ったアーマード・コアにC4-685が乗る。基本的に機動兵器らしく速度で翻弄する戦い方だ。今回は3m級のものを用意させてもらった」
「ん。エンブリオでどんなサイズの機械にも乗り込める」
スーツを着こなした老齢の男といった印象のカラードと、幸薄美少女のC4-685。
兵器生産のエンブリオ【鋼核工廠 ヴァプラ】と、亜空間操縦席のエンブリオ【操縦玉座 デウス・エクス・マキナ】。この組み合わせがこの二人の戦闘スタイルである。
カラードはアーマード・コアを生産しているが、実は機械ではないという割と大きな問題点はある。だが実際に戦う分には気にならないだろう。
そして持ち込んだのは【30MM-LOADER 4】。火薬式の大型銃器で武装していた。
「再現度すげーなおい」
「ロウ」
「オレは先々期文明の兵器で射撃するのがメインだな。壊れたものを修復する【廃物修繕 テセウス】があるからいくらでも使えるぜ」
「それで今回必要なのはこいつの修復能力だ。機械の神がどういう状況になっているかわからないからな」
先々期文明の遺跡から発掘されることがあるパワードスーツを身にまとう男がそう名乗る。
器物に対する回復魔法のようなスキルを持つエンブリオ【廃物修繕 テセウス】をそのパワードスーツや武器に使用することでその耐久限界を踏み倒す、典型的なシナジーを構築していた。
「ゆかり」
「はいはーい。ゆかりさんは【回転全音 アムドゥスキアス】のスキル《
「エンブリオっぽいのが出てきた」
紫のイメージを身にまとう少女、ノースブリザードゆかり。
チェーンソー型のエンブリオである【回転全音 アムドゥスキアス】は一回転ごとに詠唱・歌唱・演奏をこなすバランスアタッカーだ。
音楽系のジョブのスキル効果は演奏というプロセスを経る関係上、発動速度に劣る。それを踏み倒せる点で強力なエンブリオである。その上、【
「ベルド」
「おう。【豪商】見りゃわかると思うがアイテム使いだ。基本は【ジェム】ばら撒きながら他のアイテムも使える」
ガタイの良い悪質商人といった見た目の男、ベルド。
彼の持つ【格納目録 ミニュアース】の特性はアイテムの格納・即時使用・高速射出。アイテムを体積と質量ではなく、種類と個数だけで管理するため戦艦すらしまい込める巨大なアイテムボックスである。
さらに即時使用は……、RPGのアイテムコマンドそのまま。アイテムをクリックすればそのまま効果が発揮される。これにより【ジェム】の魔法を周囲の任意地点に突然発生させるといった戦い方が可能。
さらにはポーションの類の効果を圧縮して、一瞬で効果を使い尽くすことで急激な回復もできる。
ウルティマとは違った形でアイテムが多ければ多いほど戦い方が広がる男だった。
「以上、8名。では、これから<試練の迷宮>に突入するぞ。目的は最深部の機械の神心臓部に到着すること、そしてそこで可能な限りの修理を行い」
「行い?」
「この島自体を船として動かす! <UBM>から島の人達を逃がす!」
緊急で迷宮に突入する理由。それは人命救助。
もともと【マクロス・グランバロア】勢として計画していたことではあった。
ちょっとアイランド1*1っぽいなとも思っている。
だが、神話級<UBM>の接近により、急遽行わなければならなくなった。
何も、失わせないために。
「待て待て待て。流石に話が急すぎる。そもそも氏族長に話は通して」
「すでに通してる。神の蘇る可能性があるなら願ったりだそうだ。なんでも三柱の邪神から先祖を守るために傷ついて倒れた、とかなんとか言ってるからな……」
「それ何年前の話だよ!」
「最低でもゲーム内で4000年以上前」
「先々期文明より前!?」
おかしい……迷宮に突入するつもりが……
【融帝】の《捕食魔獣》ですが、モンスター素材の融合のキャパシティはあくまで就職者本人に計上されます。
そのため【ぎが・めたろじー】の《鋼鉄の美食家》と《超々金属精製》は《捕食魔獣》やその他《捕食吸収》のようなスキルを持つものにとって、自身のキャパを使わず装備品に逃がせるという点で非常に有用です。
《超々金属精製》の方は元のUBMが持っていた金属を成長させる効果が失われているので、通常のリソース供給は金属側に成長する性質がないと無駄になりますが……。