アビスシェルダー系超級とアニメ再現系生産型アホ二人。   作:内藤悠月

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 【Q極きぐるみしりーず れみな・くらいせら】の固有スキルですが、3つではなくて4つでした。
 AGIの7割程度の速度でUFOめいた移動が可能になる《浮遊船体》、防御力比例でレシピが開放される《妄執たる書庫(アーク・ライブラリー)》、【ウロボロス】に融合状態で存在する装備品を金属粒子に変換して貯蔵する《銀砂変換》、貯蔵した銀砂を消費して《妄執たる書庫》のレシピから攻撃力に比例したランクまででかつ《サイバネティック・レギオン》専用の機械装備品を生産する《メタリアル・マテリアライザー》の4つになります。
 UFO型なの忘れて3つって書いちゃった……。
 なお融合せずに普通に装備するとアーティアネコαみたいな見た目になります。


【マクロス・グランバロア】と超級の歓迎会

 ◇ 機人(サイボーグ)氏族の島

 

 その島は【海竜王】の回遊コースギリギリにある。つまりは超がつく危険地帯であり、もし【海竜王】のコースに踏み込んでしまった場合、即【海竜王】に追い回され死の洗礼を浴びせられるということだ。

 それゆえにこれまでグランバロアの探索に引っかかってこなかった。そこに住む機人(サイボーグ)氏族はそもそも島から出ること自体が稀であり、グランバロアや、それどころか他の国が存在するということすら知らなかったのだ。

 【マクロス・グランバロア】も掃海のついでにちょっと遠くまで遠征してみようとその戦力を展開しながら移動していた際に、たまたま偶然島を見つけることができた、そういう場所である。

 その上、島そのものがどういうわけか()()()()のスキルを生じさせており……本当にたまたま、<スカイエース>が上空をすれ違わなければ目視できる距離でも見つけられなかったはずとすら言えた。

 

 そしてそこに住む人々は【機人(サイボーグ)】というジョブに就いていることからそこの住民は機人(サイボーグ)氏族と【マクロス・グランバロア】にのるマスターからは呼ばれている。

 【機人(サイボーグ)】は肉体を機械で改造している人型範疇生物にのみ就けるジョブであり、機人(サイボーグ)氏族は文化的に【神の血】と呼ばれるアイテムを身体に取り込むことで【機人(サイボーグ)】への就職条件を満たす。

 特にこの【神の血】は彼らの文化的に大切なものであり、あらゆる生活に密着した非常に重要な液体金属だ。

 <霊廟>とよばれる祭祀場から採取され、それを集落の生活や儀式に使う。機人(サイボーグ)氏族は”神”の恩恵によって2000年以上前からその命をつないでいる村だった。

 それによって満たされているが故に、温厚で朴訥。穏やかな人間性はある種、上位存在であるからこその余裕である。

 

 そしてその村は今、宴会場と化していた。

 

「……押しかけていきなり宴会始めて良かったのか?」

「いーんだよ、向こうもわかってる! 伝説級ともなると村が滅びかねない相手だ! それの撃破ともなれば祝いの一つもしねえとな!」

 

 ウルティマの問いかけにマチュはそう答える。

 食材は村と<ガルホート交易団>の持ち出しである。<マクロスシティ商工会>と村人の共同で料理を作成し、下手な【料理人】を凌駕する代物が並べられている。通常の宴会で使われるような物ではないが、超級を歓迎する宴会でもある。それなりに伊達を効かさなければメンツが潰れる案件だった。

 

「……うう、なんでワタシが前にでないとイケナイの」

「しゃきっとせいフラメタ! 妾のマスター! おぬしは船団長なんだぞ!」

 

「……あれは?」

「【マクロス・グランバロア】船団長。【大職長(ギガ・フォアマン)】のフラメタだな。」

「妙なトコでビビリなんだよなぁ。それでいっつも自分のエンブリオのレオにケツ叩かれてる」

 

 マチュA*(エースター)は彼女を指差しウルティマの質問に答えた。

 90年代の宇宙SFものの艦長といった装いをした妙齢の女性と、そのケツを蹴り飛ばす学者然とした少女。

 ウルティマ自身、その艦長ルック自体は同僚である<水底の乙女達(ルサールカ)>で見慣れては居たが、あれを他に着るマスターがいたのかと妙なところで関心してしまった。

 

「あー……テステス。諸君! 今回は【カンゴルゴーム・スクラップ・ドラゴン】の討伐に協力してくれてありがとう! 未曾有の危機にも勇敢に立ち向かってくれたこと心より感謝している! その御蔭でこの島がアレに襲われることなく、今日ここにこの歓迎会を開くことができた。」

 

「で、大体ケツ蹴られたあとはああなる、と」

「ああー……。まあいるわなそういうやつ……」

 

「それに……今回、<グランバロア八大エンブリオ>が一人、“深海棲艦”のウルティマ・ウェポンも駆けつけてくれた。ここに紹介しよう!」

 

「ほら、呼ばれてるぞ」

「めんどくせぇ~」

 

 そう呼ばれたウルティマは壇上へと上がる。最も、少し石畳が整えられただけの小さなスペースだ。村の集会場として、司会が立つために整えられた場所だった。

 

「紹介に預かった、ウルティマ・ウェポンだ。今回の件は……あー、デスペナも死傷者もなしで解決して良かったと思う」

「本当にありがとう! 無茶で急な呼びかけだったが、本当に助かった! それじゃあ、乾杯!」

 

「「「「「乾杯!」」」」」

 

「うるっさっ」

 

 思わず壇上であるにもかかわらずウルティマはそうこぼしてしまった。

 

 

 ◇◇

 

 「ウルティマ殿! <スカイエース>オーナー、【魔法騎兵(イリーガル・ライダー)】ウルハ・デグレチャフであります! ウルティマ殿は空戦の心得もあると聞きました。ぜひご教授願いたい」

「オレのは浮いてるだけだからなぁ。あとはAGIでゴリ押してるだけだし」

 

 歓迎会が進む中、声を掛けてきたのは小柄な少女だった。軍服をきちっと着込んだ、金髪碧眼の少女。腰には長銃のようなものを下げているが、そのジョブは【魔法騎兵】。何かに乗って魔法を使う上級職だ。どのような組み合わせなのか。

 それに<スカイエース>は空戦専門のクランだと聞いた。

 

「それでも差し支えありません。デンドロでは空戦のノウハウが少なくて困っているところであります」

「ならなおのことエドワーズ夫妻に聞くべきでは……?」

 

 ◇◇

 

「よう、ウルティマ! 俺の作った酒は美味いか?」

「この酒はあんたが? こっちでこんな美味い酒は久々に呑んだよ」

「おうよ! 俺は【調毒酒師(ポイズン・バーテンダー)】のシラフってんだ。俺の【コンプランス違反】、気に入ってくれたか?」

「バカじゃねえの!?」

 

 でかい酒瓶を片手にやってきた恰幅の良い男はシラフと名乗った。その名前を聞けば、どう考えても飲みすぎている人物だと一発でうかがえる。

 それにジョブもやばかった。【調毒酒師(ポイズン・バーテンダー)】……簡単に言えば毒の酒を作り出すジョブ。複数の毒物と酒を混合することで致命的な旨さを持つカクテルを作り出せるが……当然毒物なのでその点、全く対策がない。むしろ毒物を強化することもある。

 通常、エンブリオとのシナジーで毒性を消していたりする事が多いジョブであるが、ウルティマの【ウロボロス】は端から崩壊していた。【健常のカメオ】の効果である。

 それに、酒の名前も【コンプライアンス違反】。おそらくろくでなしだ。

 

 ◇◇

 

「魔剣の迷宮の話聞かせてくれよ!」

「迷宮の件はグランバロアの機密指定になってなかったっけ……?」

 

 そう声を掛けてきたのは<ヴァンキッシュ>のオーナー、【大海賊(グレイト・パイレーツ)】のルーフィーだった。

 どちらかといえば冒険者としての側面が非常に強いクランのオーナーであり、事実、複数の小さな島を見つけてはグランバロアから賞金をもらっているほどの実力者である。

 最も、居住には向かない島ばかりなのが運のいいのか悪いのかわからないところだが。

 

「<レイフォートの刹那の魔剣>! <時渡りアルマケル>! <須臾なるニキダ>! そのどれもが自ら迷宮を構築して海域を牛耳ってたって話じゃねえか。オレも行きてえ!」

「それは冒険船団に問い合わせてね……」

 

 三本の()()()()()争奪戦。【冬竜王】討滅と並んで語られるウルティマの偉業の一つである。突如、グランバロアとその近隣に出現した魔剣の迷宮。それがなんなのかわからないままにマスターは群がり争奪戦となった。

 その唯一の勝者がウルティマである。他のすべては魔剣の迷宮の餌食となり、デスペナルティと相成った。

 

 そして、ウルティマも語る口を持たない。この世界における存在拡張エネルギー、リソース。()()()()()()()()()()()()()。 

 擬似的な<神造迷宮>として使えるために機密指定となっていることも合わせて、なに一つも喋ることができない。

 

 ◇◇

 

「フヒッ。ウルティマ様、ウルティマ様。こちら、ワタクシの作り上げた【ガラスの剣】であります。お納めください」

「うおっ、攻撃力2万5600に耐久力1!? 神か!?」

 

 声を掛けてきたのは【魔剣鍛冶(カースドソード・スミス)】菫という少女だった。紫に髪を染め、陰気な気配を漂わせる彼女が差し出してきたのは……、ウルティマにとって非常に強力な装備品だった。

 

  ウルティマに限らず、装備品融合型のエンブリオにとって、最も上がりやすいステータスは攻撃力でも防御力でもなく、耐久力(HP)だ。その次がENDである。

 これは装備品のほとんどが金属で作られているためであり、金属で装備品を作ると必然的にその耐久力は跳ね上がる。

 鉄製の剣であってもEND換算で1000ほど、なんならHP換算ならば1万を超えることも多い。これは平均的な戦闘系上級職をカンストさせた数値よりも大きい。

 この高耐久故に戦闘において装備が摩耗することはあれど、破壊されるところまでいくことは稀になる。

 

 そしてこの渡された魔剣は……耐久力が1である。

 おそらくはエンブリオの固有スキルで作られたものだろうが……それによって得られた攻撃力は超級の特典武具に匹敵、あるいは上回ってすらいるのだ。

 最も、特典武具の攻撃力はほとんど飾りであり、その本体は固有スキルにあるので比較する土台には上がっていないのだが。

 

「ありがたく……。それとこれからも定期的な取引を」

「フヒィ、良いんですか、良いんですか? ウルティマ様! こちらこそ!」

 

 ◇◇

 

「本日は伝説級モンスターの討伐を行ってくださりありがとうございます」

「ああ、ここの族長さんか。構わない。これが仕事みたいなところもあるしな」

 

 声を掛けてきたのは老人だった。【高位機人(ハイ・サイボーグ)】のロウジィと彼は名乗る。

 物腰も柔らかく、知性深い人格をした温和な人だった。村の生活でそれなりに苦労をしたのだろう、顔に刻まれたシワこそ深いが、肌艶は若い男性のそれでチグハグな印象を受ける。

 それに全身になにかラインのようなものが走っていた。

 

「気になりますかな? これは【神の血】を受けた証拠なのです」

「【神の血】……気になるな。明らかに上級職から頭一つ抜けたステータスになっているのも気になる」

「外の人はここまでのステータスはないと聞かされて驚きましたよ。【神の血】の恩恵は重々承知していたのですが」

「それに《鑑定眼》が十分に通らない機械も多い。なに由来か気になるが……今は歓迎会だしな。詳しい話は明日聞きたい。いいか?」

「構いませんよ。楽しみにしてましょう」

 

 ◇◇

 

「今まで見た中で一番やばかったエンブリオはなにかあるか?」

「あー……オレと同型亜種で、肩掛けカバンのアイテムボックス型のエンブリオだな。入れた装備品の全性能加算する上、アイテムボックスを入れ子できてたやつ。装備品の許容量だけで言ったらすでにオレの3倍ぐらいあるんじゃないか?」

「そんなのありなのか……?」

「あとは強化系の2の6乗倍するやつかな……」

「そっちはそっちでとんでもねえな!?」

 

 ◇◇

 

「つ、疲れた……」

「はっはっは。ウルティマ、大人気だな?」

「みんなお前のことが好きなんだよ。なんたって……“最強”だからな」

 

 その言葉に、やや曇るウルティマ。

 結局のところ、間に合わない最強に意味があるのか。

 

「戦うべき時に、居なかった最強に意味はあるのか……?」

「ん? そりゃあるだろ。“希望”がな」

 

 マチュはそう、こともなげに言ってのける。

 それはさも当然のように……、そしてまるで星を見上げるように。

 

マチュ、言葉が足りないんじゃねえのか……?」

 

 A*(エースター)マチュの言葉に苦言を呈す。

 人の気持ちを考えない発言。それを咎めようと……。

 

『【マクロス・グランバロア】から警告! 警告! 伝説級モンスター再度接近! 接近!』

「は? またかよ」

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