灰色の、プリンセス 作:妄想原人
「……
恐れを噛み潰し、歩みを進める。
「グレイさん?」
「
「グレイ様、何を」
聞こえる声から耳を閉ざす。
「あんた……」
「グレイ?」
「っ……エレイン」
恐怖で暴れる鼓動を抑えながら、紡ぐべき言の葉を絞り出す。
『 仮想人格停止。魔力の収集率、規定値を突破。第二段階限定解除を開始』
本当に良いの?
停止した
それもそうだ、この槍はこんなことの為に振るわれる代物ではない。
もっと個人的で、独善的に。
今も尚、
『
『
「んなっ!?」
「その力は……!」
でも、構わない。
拙は何が何でも彼女を取り戻したい、それは今も変わらない。
しかし目の前の彼女達を助けたいと思っているのもまた、事実。
『
「あなたは、一体……」
真黒のソラに、光をかざす。
杖を握る手に、より一層力が籠る。
『
「ほう?」
未だこの力は万全では無い。
でも、今この現状を打破するくらいなら、できる筈だ。
『
「この……異分子風情がっ!」
そう、拙は異分子なのだ。
後ろにいる彼について多くは覚えていない。けれど、彼は望むもの全てを掬い上げた
拙は、望んだもの全てを溢し落とした
それだけはしっかりと刻まれている。
『第三段階限定解除を開始』
だからこそ、もう溢さない、落とさない。
負けたままでは、彼女に顔向けなんてできないから。
「
「グレイ!」
再び彼から、声を掛けられる。
「……大丈夫、です」
「拙は、皆を、守りたい。
「グレイ……」
「……」
躊躇いを振り払い、目の前の脅威を見据える。
彼女に恨みは……いっぱいある、けれど今はそこじゃない。
友人の為の、義憤をもって彼女を穿つ。
「聖槍、抜錨」
「
不完全なる聖槍を、目の前の王が1人へ解き放った。
「アメス……?」
「はい、わたくしは、アメス様の宣託に従って、ここまで来たのです」
「そう、ですか」
「……ええと、申し訳ありません。何か気に触るようなことを申してしまったのでしょうか」
「あ、いえ、そうではなく、てですね。ただ少し」
「とても……懐かしいと、思ったのです」
グレイ(オリ主)の装備はランタン付きの杖という作者の趣味です。
アッド枠はエレインって名前になりました、理由は色々ありますが、そのうちの一つはそのまま持ってくるとシノブのドクロ親父(助兵衛)とアッド(皮肉屋)ポジション被ってるなと感じたからです。