第五話になります
たくさんの方にみて頂けた様で光栄です…評価や感想もお待ちしてますので、宜しくお願いします
第五話 荒廃都市アメリカ
アウトブレイク発生から3日後。
彼は高級ホテルのベッドの上にいた。
つい先程まで激しく互いを求め合った女が横で静かな寝息を立てている。
この女と出会ったのはどこだったか…アメリカの主要都市を回っている際に出会い、今日まで行動を共にしてきた。
「もう、アメリカも終わりだな…」
誰にともなく呟き、タバコに火を点ける。
彼の名は『神代 貴寛』。
日本が世界に誇る『ISS能力者』の1人だ。
貴寛は服を着ると、ベッドの上で寝ている女をそのままにホテルを後にした。
世が世なら、モデルやハリウッドスターになっても不思議ではない。
スレンダーながら巨乳で、目鼻立ちのスッキリした美人だった。
一目見た時から抱きたいという欲求が貴寛の中に芽生え、行動を共にしてきた。
実際やってみると最高の身体の持ち主であったのは間違いない。
アウトブレイク発生から今日まで毎日の様に抱いた。
3日目になってそろそろ潮時かな、と思い始め昨夜は彼女が気を失ってもなお行為に及んだ。
別に何の思い入れもないし、ただの性欲処理に過ぎない。
朝の風は冷たく、ニューヨークにも冬の訪れを感じさせる。
街は荒れ果て、わずか3日くらいしか経ってないにも関わらず、既にゴーストタウンと化している。
ここがアメリカの主要都市だと言うのが嘘の様だ。
「ガァアァア!」
唸り声とも怒声とも取れる雄叫びと共に路地から突然、それは現れた。
異形の者。
貴寛達が『グール』と呼んでいるそれは攻撃態勢のまま路地から飛び出し、貴寛の2m手前で静止した。
「あー?全く懲りねぇなぁ…てめぇらが何匹来ようが、俺に触れる事さえ出来やしねぇってのに…」
グールは動こうともがくが見えない何かに完全に捕らえられたかの様に微動だにしない。
「無駄無駄…お前には10tの荷重が掛かってんだ。指一本動かせねぇよ…っつても、言葉なんか理解出来ねぇか…消えろ、ザコが!」
言い放ち、無造作に左手でなぎ払う
と同時にグールの上半身が弾け飛ぶ。
鮮血と肉片が辺りに飛び散るが、貴寛は意にかいさず歩き始めた。
貴寛には返り血一つ付いていないが、ふと足を止め溜息をつく。
「朝っぱらからお元気な事で…」
先程の音を聞きつけたのか、街じゅうからグールが集まって来ていた。
グールは人間を食料にしている。
だが、爆発的にその数を増やしたのは性交能力があったからだ。
正確には、卵を産み付けるといった方が的確かもしれない。
貴寛も始めて目撃した時には余りの悲惨さに怒りを通り越して、目眩がしたものだ。
気がつくと辺りは血の海に変わっていた。
あの時の光景は今でも脳裏に焼き付いている。
泣き叫ぶ女、バックの態勢で腰を振るグール…劣悪な光景だ。
やがて、女はこと切れ…新たなグールとなる。
そうやって、世界の女性のほとんどはグールへと変貌していった。
「いいぜ?…来いよ、もっと来い!ぶっ殺してやる!」
完全にスイッチが入った。
瞬間、グールに向かって駆け出し、拳を振るう。
血飛沫と共にグールの身体が吹き飛ぶ。
「ククク…アハハハハ…アーハッハッハ!オラァ!どうした、かかって来いよ!!」
一斉に貴寛めがけ駆け出すグール、そのグールめがけ単身突撃する貴寛。
その顔は狂気じみた笑顔に歪んでいた。
ー 「…チッ…だから言っただろうが…いい加減学べよ、知性があるならな」
貴寛はタバコに火を点け、空を見上げる。
「帰るか…日本に」
呟き歩き出す…背後には数百におよぶグールの死体が散らばっていた。
今回は少し短めでしたね
次回は第六話…舞台が再び日本に戻ります
けいおんキャラクターはもちろん、新しいオリジナルキャラクターなども登場します
では、次回も宜しくお願いします