ハンター撃破後から1時間。
粗方、鉄血の基地内を掃討し終えたM4とSOPIIの元にSR16とAR15が合流した。
「二人とも遅過ぎる。何時此処から出れるかと思った」
「AR15。無事で良かった……」
AR15の無事を確認したM4は安堵した表情を浮かべる。
その後からM4とAR15が会話した後、SOPIIがAR15をからかってそれに腹を立てたAR15が追いかけ回すと言う光景となり、SR16は呆れながら見守る。
暫くその様子を見たSR16は軽く溜め息をついて離れようとした時。
「SR16!」
M4がSR16を見て驚いた表情になり、SR16は面倒くさげに振り返る。
「なに?私、疲れたんだけど?」
「それよりも!」
M4はそう言ってSR16の右腕を掴んで持ち上げると。
「うわ……気付かなかった……」
SR16の右腕を伝う様に人工血液がゆっくりと流れていた。
普通なら気付きそうな怪我にSR16は困惑を覚えながらM4の腕を振りほどくと自身の持ち物から包帯を取り出し、上着を脱ぐと怪我の箇所を探り出してそのまま巻き付けて出血を無理矢理止めた。
「これで良し。ありがとうM4。それにしても何で気が付かなかったのかな?」
「そんな事は良いんです!どうしたんですか!まさか離れたあの時に!」
「まぁ、確かに戦闘はあったよ……うん……怪我してるとは思わなかったけどね……」
「明らかに気付かない怪我ではありませんよ!貴方はどうして無茶しかしないんですか!」
SR16は珍しくM4に怒られていると喧嘩を止めたAR15とSOPIIがやって来た。
「どうしたの?て、SR16怪我したの?」
「その出血量……あんた右腕の神経回路でもやられたの?」
「……右腕は動かせるけど感覚を感じない。これ、やられたね。後で支障をきたすといけないから帰ったら見てもらうよ」
SR16はそう言って少し乱暴に右腕を振った時、ガクッと右腕が一気に垂れ下がりM4達は口をあんぐりと開けて立ち尽くした。
「……どうしよう……右腕動かない……」
SR16がそう言って途方に暮れた時、M4が慌てて無線で連絡を入れた。
「指揮官!SR16の腕が!腕がぁッ!」
「そんな大袈裟に慌てて言わなくても……」
「どっからどう見ても慌てるべきタイミングですよ!?」
「そうかな……触らないでSOPII」
「アイタッ!」
M4に慌てられSR16は勝手に垂れる右腕を触ってぶらぶらさせてくるSOPIIにチョップを噛ましたりし、それを見てAR15が呆れたりとその場が混沌と化す中、迎えのヘリがやって来て漸く四人は基地に帰る事が出来たのだった。
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基地に帰還したSR16に待ち受けていたものは背中に赤いオーラを纏った如何にもお怒りだと分かるカリーナの出迎えだった。
「SR16さん!また無茶したんですね!駄目じゃないですか!出撃の度に修理する羽目になるなんてしゅっ……身体が持ちませんよ!」
「(今、出費って言おうとしてたけど余計に怒られそうだし黙ってよ……)」
カリーナからの怒涛のお説教にSR16はショボンとした雰囲気で受ける姿を同じく修理とメンテナンスを受けに来ていたAR15が見て。
「……誰こいつ?本当は別人でも連れてきてたの?」
そう言って前に知り合ったSR16と今のSR16を比べながらSR16よりも早くに整備室から退出して行った。
「全く……右腕が動かなくなるなんてどんな戦闘をしたんですか?被弾したのなら分かりますがそんな痕跡ありませんし、何かにぶつかって折れたみたいな感じですよね?」
「敵の攻撃を受けてね……久しぶりの手強い相手だった……」
SR16はそう言って自分そっくりな鉄血人形を思い出しながら目を細めた。
「彼奴はかなり引っ掛かる……何で……こんなに……」
SR16は右腕の修理を受ける感覚を覚えながら徐々に意識を失った。
その様子を確認したカリーナの元にジャンシアーヌが訪れた。
「彼女は?」
「はい。丁度意識を手放しました」
「そう……あまり好かないんだけどね……彼女にバレたらどつするつもりですかペルシカさん?」
ジャンシアーヌから話を振られたペルシカはバツが悪そうにしながら反論した。
《そんな事言わないでよ……そうでもしないと彼女の無意識のプロテクトを突破出来ないんだから……貴方だって彼女の事を色々と知りたいんでしょ?》
ペルシカのその言葉にジャンシアーヌは不機嫌になりながらカリーナに指示を出す。
「始めて頂戴。彼女が目覚める前にね」
「分かりました。アクセスを開始します」
カリーナはそう言って端末を操作し、SR16の深層データ……記憶へのアクセスを開始した。