SR16は深い眠りに着いていた。
深く深く眠る中、徐々に光が当たり始め、SR16は眩しそうに目を覚ました。
「起動実験成功しました。製造番号×××-××××。機体名SR16。稼働します」
SR16は眩しい光に目を慣らしながら辺りを見渡すと白衣を着た研究者達が慌ただしく動いたり、何かを記録したりする姿が見えた。
「目が覚めたかしらSR16?」
SR16は今だに意識がしっかりしない中、現れただらしない格好をした白衣の女に視線を向けた。
「私はペルシカ。貴方を作ったの」
「……お前が?」
SR16のその言葉にペルシカは笑みを浮かべて頷くがSR16は何故かそんな気がしなかった。
「違う。お前じゃない」
SR16はそう言って製造したてとは思えない動きで素早く動く。
ペルシカや他の研究者達は驚く中、SR16は壁の片隅に行き縮こまった。
「落ち着きなさいSR16!」
「黙れ不衛生ボサボサ素足女。私は騙されない」
「流石に酷くない!?そんなに不衛生じゃないわよ私!?」
ペルシカはいきなり吐き出された毒舌に強いショックを覚えながら頭をかきむしった後、一息ついてSR16と話す。
「分かった……分かったから!正確には私が一から作ったって言わないわよ!て言っても当の設計者はいなくなって私が引き継ぐ形で製造したんだけどね」
「……設計者は……□□□□……?」
「うん、そうよ……色々あって此処から出ていっちゃってね……それよりもさぁ……いい加減警戒するの止めて来てくれない?次のステップを踏まないといけないから」
「……嫌」
「反抗期か何か?生まれたてで?彼奴……どんな設計したらこうなるのよ……」
ペルシカは頭をかきむしりながら頭を悩まし、目の前の子猫染みた相手にどうするべきかと悩む中、そこへ一人のサンドカラーのブーニーハットやタクティカルベストを着た傭兵の様な風貌の女性と大柄な白人の男がやって来た。
「その子ですか?新しい新人ちゃんは?」
「何してんだこいつ?」
女性はニコニコとしながらSR16を見据え、男は首を傾げる。
「それが生まれていきなり反抗期なのよ……助けて頂戴……」
「仕方ありませんね」
ペルシカに言われた女性はニコニコと笑みを絶やさずにSR16に近付き、SR16は壁を背に身構える。
「来るな……!」
「あら、怖いね~。でも殴ってきても良いよ。貴方の攻撃なんてお姉さん余裕で受け止めちゃうよ~」
「……ちッ!」
女性に挑発されたSR16は女性が近付くのを前に駆け出し、拳を素早く出して殴り掛かるが女性は片手で軽々と受け止めた。
「ッ!?」
「うーん……軽いねぇ君……」
女性はそう言ってそのままSR16の腕を強く掴むと勢いよく投げ飛ばした。
周りにいた研究者達は飛んでくるSR16逃げ出し、投げられたSR16はそのまま壁に叩き付けられた。
「ぐはぁッ!?」
SR16は近くの壁に叩き付けられ、悶えながら立ち上がろうとした時、いつの間にか近付いてきた女性が襟を強く握るとそのまま持ち上げた。
「元気があって良いけど喧嘩を仕掛ける相手を見誤らない事だね。君は第二世代の新型で私は一世代くらいの旧型だけど私の方が強いの。分かった?」
女性はそう言ってSR16を床に叩き付け、完全に無力化させてしまった。
壁に叩き付けられ、床に叩き付けられたSR16は生まれて初めて味わう苦痛に悶える中、女性は笑みを絶やさずに視線を向け続ける。
「今日から私が貴方の隊長。XM7よ。今日は良いから明日の6時丁度にG&K本部4階のブリーフィングルーム室に集合。そこで大まかに隊員の紹介及び貴方の為の初任務の内容を伝えるわ。分かった?じゃあ、帰るから私。帰るわよレスター」
「あいよ。あ、そこの倒れてる嬢ちゃん。悪い事は言わねぇからXR7の言う事は聞いとけよ。おっかねぇって分かったならな?」
XM7と名乗った女性とレスターと呼ばれた男性はその場を後にしようとしたその時。
「小隊名は……?」
XM7はその声を聞いて振り替えるとSR16が苦しげに立ち上がって睨んでおり、XM7はそれを見てニッコリと笑うと告げた。
「ハウンド・レイス。猟犬ノ亡霊小隊よ。来るのを楽しみにしてるわよSR16」
XM7はそう言って手をヒラヒラと振りながら再び歩き出したのだった。