グリフィンの黒騎士   作:謎多き作家

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記憶の断片~その3~

自己紹介が終わり、SR16はXM7とMSR、M88の三人の近くに座ってブリーフィングを聞き始めた。

 

「さて……お前達の初任務は単純にして明快、非常に簡単な任務だ。今回の作戦区域であるS10地区の鉄血占領下の深部にある通信拠点を破壊、鉄血の通信網を遮断させる。混乱した鉄血の隙を突いてグリフィンの各基地から派遣された部隊が一気に攻勢に出る。ハイエンドの出現の予測があり、それもお前達が相手取れ。遊軍に近付けさせるな。以上だが質問は?」

 

レスターの作戦説明にSR16は手を挙げた。

 

「何だSR16?」

 

「……馬鹿じゃない?」

 

SR16のその言葉は酷くブリーフィングルーム室の室内の空気を冷やした。

 

「通信網を遮断するのは分かる……鉄血と戦うのも分かる……だけどおかしいのは作戦の中に私達以外の工作に動く小隊の存在が無いと言う事……小隊一つで殆どの作戦を遂行してあまつさえハイエンドまで相手取れなんて……無茶が過ぎる」

 

「それは私が上に言っちゃったからねぇ。全部やりますって」

 

「……は?」

 

XM7のその言葉にSR16は唖然とするとXM7は妖艶な笑みを浮かべた。

 

「だって私達、実績らしい実績なんて無いんだよ?だったら作ろうよ実績をね。大丈夫!私達は強いよ。そこらのハイエンドになんかに遅れは取らないから」

 

「いや馬鹿でしょ。ハイエンドだけが相手じゃないんだけど」

 

「るっせぇな!ゴチャゴチャ言ってねぇで腹括れよヘタレ!どうせ俺達は捨て駒だ!だったら鉄血のクズを一匹でも道連れだ!」

 

「誰がヘタレだって?どう見ても無謀過ぎる作戦でしかないでしょ?脳筋なの?脳筋馬鹿なの?私は無駄死になんて御免よ。敵前逃亡なんて言われたって行く気なんてないから」

 

「まぁまぁ、落ち着いて。取り敢えず手当たり次第にぶっ壊せばよろしいのですね?」

 

「こいつはこいつで危なくない?」

 

SR16はこれから組む事になる小隊メンバーや作戦に不安を覚える中、XM7が手をパンッと叩いて全員を黙らせると不敵な笑みを浮かべて全員を見つめる。

 

「確かに無謀。確かに不可能……に近い。クルーガーさん及びその他上層部すらにも断じられた成功率0.01%の作戦よ。気付かれない様に手早く通信網を破壊し、遊軍が近づく前にハイエンドを潰す。息つく暇も無い。……でも、これがもし成功したら?上はなんて思う?私達は問題児集団から一転してグリフィンの名誉ある精鋭小隊として迎えられるの。負ける?失敗する?そんな事はどうでも良いから四も五も言わずに着いて来なさい!私が成功すると言えば成功させる!勝つと言えば血反吐を吐いてでも勝つ!!……皆はこの私が選んだのよ?自分の実力を信じなさい」

 

XM7の演説染みた言葉にSR16を含めた面々が黙り込む中、レスターが咳払いするとXM7が一歩引いてレスターの発言を許した。

 

「確かにあまりに難しい作戦だ。ハッキリ言って上はお前達を捨て駒にする気満々だ。……だがな。ハッキリ言って気に食わない。俺はそんな無駄な犠牲を作ってまで作戦を終わらせるつもりはない。生きて勝て。無様でも何でも良いから生きて勝つ事を考えろ。それがお前達、前線に赴く戦士に向ける俺の言葉だ。以上だ。出撃の用意をしろ。作戦開始時間は○ニ○○丁度だ。夜の内に近づく。準備は怠るなよ?……じゃあ、解散だ」

 

レスターなそう言ってセカンダリーレベル内からアバターを消して退出するとSR16達もセカンダリーレベルから出た所でXM7はニコやかに笑いながら言う。

 

「聞いた通り解散ね。作戦時間を忘れちゃ駄目よ?装備のチェック、弾薬やレーションの適量に持つ事。激戦になるわ。しっかり用意する様に。じゃあね」

 

XM7はそう言って退出すると他の二人も早々に出ていく。

 

一人残されたSR16は静かにその場にいたが他の者達と同様にブリーフィングルーム室から退出したのだった。

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