グリフィンの黒騎士   作:謎多き作家

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記憶の断片~その4~

作戦開始地点、S10地区鉄血占領地。

 

鉄血の支配下に置かれる地域の空を一機のグリフィンのヘリが飛んでいた。

 

《もうすぐ作戦区域だ。準備はできてるな?》

 

「えぇ、問題無いわ。何時でも作戦を遂行出来るわよ」

 

XM7はそう言ってチャージングハンドルを引くと機内を見渡す。

 

MSRは足を組んで座り、マーベリックはニコニコと大人しく、SR16は外を眺めている。

 

癖の強いハウンド・レイスの小隊メンバーにXM7は静かに見つめる中、ヘリが降下して地面スレスレに飛ぶ。

 

《作戦区域に到着。各隊員はヘリを降り次第、周囲を警戒。ヘリが離脱した後、作戦を開始せよ》

 

レスターの指示を聞いたハウンド・レイスのメンバー達はヘリから降りて周囲を警戒し、それを見届けたヘリはすぐさま離脱した。

 

「……作戦開始。第一目標へ向かうわよ。油断しないで」

 

XM7は指示を出すと前進を開始した。

 

三人も各々の役割を与えられMX7に着いて行きながら周囲を油断なく警戒する。

 

暗い夜の闇の中、ハウンド・レイスは素早く、そして静かに歩む中、鉄血兵の巡回を発見した。

 

「コンタクト。鉄血兵が三体よ」

 

「撃つか?」

 

「いいえ。余計な事をして感付かれる可能性があるわ。極力、鉄血は始末せずに進むのよ」

 

XM7はそう言って鉄血の巡回がいなくなるのを確認すると再び前進する。

 

鉄血の巡回を避けながら突き進む中、ようやく目標である通信拠点の付近へと到着した。

 

「目標だよXM7。どうするの?」

 

「落ち着きなさいSR16。先ずは偵察よ。慌てず騒がずに敵の状態を知る事をこそが勝利の鍵よ」

 

XM7はそう言って双眼鏡を手にして通信拠点を見る。

 

「……予想通りね。鉄血の兵隊がうようよいるわ。屋上にはイェーガーがいて周囲を警戒してる。下手に近付けばすぐにバレるわ。それと周りに隠れて進める場所は無いわ」

 

XM7はそう言って双眼鏡をしまうとSR16を含めた三人が見つめているのに気付いてニッコリと笑うと。

 

「作戦に変わり無し。強硬よ」

 

「あれに向かって強硬?」

 

XM7のその言葉にSR16はそう言うとMSRは嫌そうな顔で言う。

 

「おいおい、流石にあれに向かって強硬突破しようにも無理があるだろ?流石に付き合いきれねぇ……俺は帰るぞ」

 

MSRはそう言って元来た道を戻ろうとした時、通信拠点に向かって駆け出す者がいた。

 

「ブッ潰しの時間よ!!」

 

マーベリックだった。

 

会った時とは違う狂暴な笑みを浮かべて突撃し、それに気付いた鉄血の攻撃がマーベリックを襲う。

 

だが、マーベリックは器用にそれを避けると鉄血のリッパーの眼前まで接近し、頭に向けて発砲、リッパーの頭を吹き飛ばした。

 

リッパーの頭を粉砕したマーベリックは次々に鉄血の撃ち、蹴り挙げ、殴り、首を無理矢理にネジ曲げると言った凶行を行い、戦う中、ヴェスピドがマーベリックの後ろを取って撃とうとした所でヴェスピドの胸を一発の弾丸が撃ち抜いた。

 

「何やってんだあの女は!俺が援護するから行け!」

 

マーベリックはそう言って素早くそして正確な狙い撃ちで鉄血兵を撃ち抜き、戦場を駆け抜けるXM7とSR16そして早駆けしたマーベリックを援護する。

 

「アッハハ!マーベリック!後で始末書ね!」

 

XM7はそう言って五体の鉄血兵は素早く倒す。

 

「始末書で済むんですね……」

 

SR16はXM7やマーベリックにヘイトが向けられたのを瞬時に察知して攻撃される前に始末していく。

 

全く訓練を行っていないメンバーで瞬時に連携するハウンド・レイスの攻勢によって通信拠点は瞬く間に制圧され最後には盛大な花火が挙がった。

 

「これで第一目標達成。次よ」

 

XM7がそう言うと四人の前に二つの影が現れた。

 

「おいおい、通信拠点が騒がしいからって来てみたらブッ壊されてるじゃねぇか。なぁ、ハンター?」

 

「そうみたいだな。相手はそれ相応の手練れらしい……油断するなエクスキューショナー」

 

現れたのは鉄血のハイエンドであるエクスキューショナーとハンターだった。

 

現れた二体のハイエンドにハウンド・レイスの面々は戦闘体勢に入った。

 

「おい、流石に二体は聞いてないぞ?」

 

「あら?言ってなかったかしら?」

 

「言ってない」

 

「楽しみだわ~。ハイエンドを二体相手に戦うなんて初めてですから」

 

各々の感想が言われる中、暫くの睨み合いが続く中、戦場の周辺が騒がしくなった。

 

「ちッ!他にも仲間がいたのかよ!」

 

「時間は掛けられないな……早く奴等を始末して他を叩くぞ」

 

エクスキューショナーとハンターの会話が終わった時、エクスキューショナーが真正面から駆け抜け、ハンターが死角から接近する。

 

「正念場よ。さっさと片付けてビールを飲みに行くわよ!」

 

「あぁ、クソ!こうなったら自棄糞だぁ!!」

 

「……もうやだ……この小隊……」

 

「私は気に入りましたよ?……こんなにスリリングな経験は二度と出来ませんわぁ!」

 

XM7達はエクスキューショナーとハンターの二人を相手取って銃口を向ける。

 

互いがぶつかり合う戦いが始まり、SR16は滅茶苦茶な三人に対して呆れを見せつつも戦いに身を投じ……視界が歪んでいく。

________

______

___

 

「これ以上は駄目。彼女の覚醒は近いわ」

 

「カリーナ」

 

「はい!接続を切ります!」

 

そんな声がボンヤリとした気分が広がるSR16の耳に届いた。

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