あるモンスターの群れ
森をあるモンスターが進んでいる、このモンスターの群れのリーダーが崩壊した人間の巣を見つけたと言ってきたのだ。
人間の巣の集まり...そこは普通、着脱可能の甲殻を付け、腕から伸びる鋭い何かのある、人間の成体が守っているせいで、襲撃したとしても返り討ちに合うことが多い。
だが、人間の巣の集まりには、うまい餌がある。
なにより、人間の作る巣...あれはヤバい、雨風もしのげて温度もあまり変化しない...何より、過ごしやすい。
だから、これはチャンスだった...ほとんど危険もなく、人間の巣の集まりを占領できるんだから...そう、思っていた。
村に近付いたモンスターたちが最初に感じたのは、人間の気配だった。
数は1...モンスターの群れは、18...戦ったとしても、モンスターが勝つことだろう...だから、モンスター達はそのまま直進していった...でも何かおかしい、その人間から異様な気配がした。
「コンパスなかった...どうしよ」
そんなことをつぶやいている人間?の少女
そんな少女の気配を前に...モンスターの群れの動きが止まった...否...勝手に体の動きが止まった...
モンスター達が感じていたのは恐怖...それも、ただの恐怖ではなく...本能的な、抗いようのない恐怖が湧き上がってくる...
少しでも動いたら死ぬ...モンスター達が考えていられたのはそれだけだった...その時...人間?の少女が口を開いた。
「...は...はははははははっハハハハハ...すごく...清々しい気分...今までに感じたことなんてなかった...こんなに外の空気がおいしいなんて思ったことも無かった...」
そんなことを、大きな声で言った...モンスター達はその言葉の意味は理解できなかった...しかし、その言葉に乗せられた狂気だけは理解できた...
なんせ...その言葉を口にしているときの人間?の少女の顔は...笑っているのか怒っているのか、泣いているのか...一切わからない、すべての表情を一度に全て浮かべていたから...
もし、モンスター達が人間だったとしたならその顔をずっと眺めているだけで狂気に堕ちてしまいそうな...そんな表情を人間?の少女が浮かべていた。
人間?の少女が崩壊した村から離れた後、モンスターの群れは恐怖を忘れるためだけに崩壊した村をさらに荒らしていった...その過程で人間の死体を貫いたり、切り裂いてしまうほどに...我を忘れて暴れまわった...
散々暴れまわったモンスターの群れはすぐに逃げ出した、人間?の少女が進んでいった方向とは逆方向に一心不乱に逃げて行った。