シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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学校に行きたくない思いを胸に初投稿です。


黒幕、本領発揮する

 

実のところ、武道の試合よろしく同じ条件かつ一対一で相対した場合、永遠(ペンシルゴン)というゲーマーは弱い部類である。

というものの、天敵が多い、という点にある。

 

一つ、俺やサンラクのようなスペックの暴力で強行突破してくるタイプ。

サンラクならともかく、俺や幕末のヤツらなどはまっったくもって永遠と相性が悪い。

ポーカーゲームで速攻で切り札(ジョーカー)を出すんだ。出し惜しみすれば負けるに決まってる。

 

二つ、カッツォのような経験と行動予測をしてくるタイプ。

逆にこちらは手札を晒せば晒す程不利になる、何故ならばこの手合いは晒した手札から「次」を割り出してくる。

大富豪、と言えばわかるだろうか。

 

……さて、それを踏まえて永遠の出した答えは……

 

「随分と登ってくるのが遅かったねぇ、お医者様は階段は苦手だったかしら?」

「不思議なことに……エレベーターが爆破されて使えなかったんでな……! だが、追い詰めたぜ?」

「追い詰めた? ノンノン! 貴方は私に招待されたのよ!」

 

残り体力比おおよそ7:1。

華麗なる爆弾魔(クロックファイア)の体力は既に風前の灯であり、だがそれでも蓄積した情報と回収した人形は本人にだけ最終的な勝利の予感を齎していた。

 

「さてさて、いよいよクロックファイアちゃん監督による三部構成劇は最終章を迎えんとしております」

 

クルクルと、舞台の上に立ったバレリーナのように回るクロックファイア。

 

「大詰めのクライマックスに移行するため、ワタクシめはこれにて一度退場とさせていただきます。それでは一分ほど後に……あらやだ強引?」

「追いかけっこはお終いだ……!!」

「ざーんねーんでーしたぁー! 貴方の拳じゃ死にませーん!」

「マジかよ……っ!?」

 

地面に叩きつけられたのは……猫の人形。

クロックファイアはその人形をぐしゃりと踏み潰し……爆風はDr.サンダルフォンの身体を後ろへと、そして爆炎はクロックファイアの体力を削りきり、ラウンドの決着が告げられた。

 

「自爆かよ……勝った気がしねぇ……」

 

HPが0となり、バラバラに散っていく、儚くも美しくも狂気的な笑顔を見せたクロックファイアを見てそう吐く。

状況はラウンドを取り返した五分と五分であるはずだ、だというのにこれまで何度も感じてきた勝利の味がしない……だろうな。

 

だがしかし、確かに戦っていてあいつの脳みそはこう働くはずだ。

 

「本人のバトルセンスはそこまで高くはなく、所詮は初見殺しに特化した数合わせ……」と。

 

それがいけないんだよな。それすらもあいつは、罠へと変えるのだから。

 

与えられた三十秒。クライマックスは騒々しく、派手に。

 

「さぁさ遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ。クロックファイアさんによるスペシャルパレードの始まり始まり……ってね」

 

永遠にとって、1、2ラウンドの全てはこの3ラウンド目のための下調べと前準備でしかない。

毎回異なる形となるこのケイオースシティではあるがある程度の規則性というものはある。

 

「貯金はパーッ! と使ってナンボってね、んふふ……さ、派手にやろうか!!」

 

もはや陰から様子を伺うようなことはしない。

大通りのど真ん中、乗り捨てられたタクシーの上でペンシルゴンは来たる敵を待つ。

 

「オイオイ、ここでスタイルチェンジか?」

「私はちゃんと予告したでしょう? ここがクライマックス、派手に騒ぎましょうか!」

 

自分が楽しく、周りも楽しければなお良し。

 

内輪でチビチビやるよりも公の場で派手に暴れるのが性に合う、であればこの一瞬こそが永遠……あいつにとっての大舞台。

 

「『 成果も被害も最大限を、勝ちでもなく負けでもない「最高」を』……か」

 

おっと、ふと呟いてしまったな。

 

「ハァイエブリワン! 誰もが一度は考えたことがあるんじゃない? やってみたいと思ってそれは無理だと諦めたことは?」

 

Dr.サンダルフォンの拳に超能力が宿る。何か行動を起こす前に封殺せんと白衣の医者が駆ける。

 

「そんな貴方に朗報! ここなら、ここでなら! ヴィランであるなら遠慮せずに出来ちゃう!」

 

 

 

1ラウンド目はNPCでルーカスを撹乱しつつ、今回のエリアのマップとNPC達の動きを把握しつつビルの柱のいくつかをあらかじめ破壊しておいた。

 

 

 

2ラウンド目はNPCの逃げる先を爆弾で誘導した。彼等は今、この先のスポーツスタジアムに逃げ込んでいる。

 

 

 

そして3ラウンド目、1ラウンド目に亀裂を入れたビルに仕込んだ爆弾が赤い目の奇術師によって起爆される。その為にビルの一部を破壊し、視線を通した(・・・・・・)のだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、ドミノしようぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満を持して。

爆発が連鎖し、満身創痍のビルがゆっくりと傾く。

巨大な鋼とコンクリの塊を支える足の半数をへし折られたビルはしなだれかかるように隣接するビルへと大質量を叩きつける。

 

まるでそれは、確かに……ドミノ倒しのような形で。

 

「っ……マ、ジかよ……オイ…ッ!」

 

駆ける足を思わず止めて、呆然とルーカスが見上げた先では永遠によって倒壊させられたビルを支えきれずにへし折れたビルがさらに隣のビルを、そして同じ行程を何度も繰り返して街が平坦になっていく。

そう、街が平坦になっていくのだ。

 

 

ここにはいない一人を加えた五人で行った徹底検証。戦う術ではなく戦う「場所」と「仕様」を知る事、それこそが実力を誤魔化し補強する永遠の……ペンシルゴンの勝利の鍵。

 

「さぁ、不平等な戦いを始めようか!」

 

クロックファイアの方から来てくれるのならば追う手間が省けて好都合と、拳を構え笑う奇術師の動向を見極めんとする。

さすがはプロゲーマー、判断が早い。

 

「どうせ()るならノってこうか! おはよう私の道化師(ウェイクアップ)!」

「ここでゲージを使うか!」

 

コミック「ハイドロハンズ」において、クロックファイアが主人公ハイドロハンズの所属する消防署を爆破する為に使用した巨大爆弾。

笑い、膨れ、そして体内に仕込まれた大量の小型ピエロ爆弾を爆発と共に撒き散らし広範囲に甚大な被害を与える群体爆弾(クラスターボム)

 

しかし、だ。

永遠との会話を思い出し汗を垂らす。

 

「なるほど……ね」

 

恐らく先程のビル破壊はこの為のゲージ稼ぎだったのだろう。

 

3ラウンド目ともなればNPCの殆どはどこかへと逃げてしまっている。だが無人のビルを破壊したとしてもある程度のゲージ回収は見込める。

 

……と、思っていることだろうな。

 

ペンシルゴンや俺も検証しているならば、相手もそれをする。相手も全キャラの特性を知っているだろう。

だからこそ、決着を焦ったな。

 

これ以上ない笑みを浮かべたペンシルゴンを眺め、ルーカスに同情する。

 

「サンラクよ、あれはなんと言える?」

「黒幕、お前より魔王してるよ」

「それに関してはドーカン」

 

 

その行動自体は間違ってはいない。

超必を避けられないのならダメージを軽減する、それは正しい。俺だってそーする。

 

だが、なぜビルをジェンガよろしく爆破するのではなくドミノのように爆破したのか。

その答えに気づかなかったことが奴の敗因だ。

 

「あいつ、やっぱり終わってるよ」

 

画面の端っこで倒壊したビルがスポーツスタジアムをスイカ割りよろしくど真ん中に倒れ込んだ意味を理解できている者は何人いるだろうか……。

 

『なにこれバグですか!? 名前隠し(ノーネーム)選手のゲージが……減らない?』

『いやこれは減らないというよりも、減ったそばから凄まじい速度で充填されて……』

 

大量の避難民がいるスポーツスタジアムをビルでぶっ叩きました、とな。

 

 

「あいつやっぱキメェッッ!!!!!!!!」

 

これ以上ない叫び声が出た。





Q.ん? マオウガって……
A.あぁ、行動予測するしスペックで殴ってくる。(なお対人戦のみ)

Q.どれにしよう?

  • ペンシルゴンとマオウガの学祭ランデブー
  • 外道共との年越し祭り in オンライン
  • if 遍葬祭ルートの妄想劇
  • 幕末正月天誅祭(ポロリもあるよ!)
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