シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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そろそろ終わりが見えてきたってことで初投稿です。


愛月撤灯のナハトムジーク

 

お互いの全力をかけた、最後の三十秒が始まった。

 

お互いにHPはある程度削ってる状態。だがしかし、決め手にかける。

まだまだ、勝負は分からない状況だな。

 

アメリア自身、俺やサンラクのようなテンションファイターではない。

口こそとんでもなく悪いが、それでもなお、相手のことをよく見てるし分析してる。

常にテンションが上がってる俺のような感じ、なのか? それともカッツォ? まぁどちらでもいいけどさ。

 

とにもかくにも、こいつは頭おかしいレベルで強いということ。

そして、対人戦において強いということは……俺の修行相手にピッタリということだ。

 

俺は刀を振るっていく。

カースドプリズンはそれをテキパキと捌きながらカウンターを狙ってきている。

 

「せいっ!!」

「ここだっ!!」

 

俺の刀による攻撃を避けたカースドプリズンは狙っていたカウンターで顔面を殴ってくる。

俺は咄嗟にHPバーを横目に見る。HPが削られていくが、まだ終わらない。まだ耐えきれている。

 

「っ!!」

「まだだッ!!」

 

残り、二十五秒。

 

さらに追撃してきていたカースドプリズンの蹴りを咄嗟に体を低くして避けて、そのままもう一方の刀を逆手に持って斬り裂く。

カースドプリズンのHPも減っていく。だがしかし、まだ足りない。俺にはまだ超必が…………

 

「お前っ、まじか!!?」

「舐めるなよ!! 私はっ!! リアルカースドプリズンだ!!」

 

頭の上に拳を構えるカースドプリズン。振り下げれば、頭に当たり、ダメージが出てしまう。

俺は咄嗟に、後ろに下がろうとする。ダメだ、間に合わねぇ。と思い、構える。

 

「……『嵐気流道征(ランキリューミチユキ)』!!」

「ぐあっ!?」

 

俺は後ろに回り込んで、特殊技である『嵐気流道征(ランキリューミチユキ)』を使う。

 

否、使()()()()()

 

「〜っ!! 使ったな!!」

「ああっ、使われたわ!!」

 

攻撃を回避するために使わされた! クソッ、これでもう『天津風大嵐斬』が使えねぇ……っ!!

 

だが、この『嵐気流道征(ランキリューミチユキ)によって作れたHPによるアドバンテージはまだある!!

カースドプリズンは、持ち前の機動力で振り返ってくる。裏拳を刀で弾いて、さらに迫ってくるカースドプリズンから距離を取る。

 

重量級なのだから、俺が攻撃を喰らえば『嵐気流道征(ランキリューミチユキ)』で取れたアドバンテージがすぐに終わってしまう。

うおおおっ!! 全力回避に賭けろ!!!

 

残り二十秒。

 

あいつも決めに来てる!

なら、俺も決めにいく。『嵐気流道征(ランキリューミチユキ)』は……あと一回分ぐらいならある!

 

カースドプリズンは地面を蹴り飛ばして、土煙をあげさせる。

俺はそれを刀を振るって消し飛ばして……上に飛んできていたカースドプリズンの攻撃を、刀を盾のように構えて防御する。

 

がががッ!! と音を立てる刀を見て汗を垂らしながらもう一方の刀を振るう。

 

カースドプリズンはそれを見て、咄嗟に飛び避けて、そのまま後ろに下がりながら蹴りを放つ。

刀が弾かれる。凄まじい勢いで刀が壁に刺さっても関係なしに、俺は両手で刀を持って走る。

 

攻め続けなければ、負けるのはこちらかもしれないのだから。

 

「オラァッ!!」

 

カースドプリズンの殴りを刀で受け流す。

火花が散り、俺はそのまま横一閃をして……カースドプリズンのHPが削れて……ゴツンっ!! と頭に衝撃が走る。

 

「うごっ、ばかっが……!!」

 

カースドプリズンは、攻撃を受けて、すぐさま前に回るようにしてジャンプして、(かかと)落とししたのだ。

 

俺はぐらりと揺れる視界に……ズンッ、と地面に思いっきり足を立てて、耐える。

それから、逃げるために横に飛び退け……

 

「おい、ハグがまだだぜ?」

「嬉しくねえっ、な!!!」

 

カースドプリズンの熱烈なハグを避けるものの、掠った刀が取られてしまう。

 

手持ち無沙汰、剣士としては最悪なパターンだ。

カースドプリズンは刀をすぐに捨てて飛び込んでくる。

 

残り十秒。

 

「ここで決めてやるッ!! 逃がしなんてしないぞッッ!!」

 

カースドプリズンの雄叫びと共に俺は迫られる。後ろには、既に壁がある。避ければ壁との激突は免れない。

しかし、避けなければあれを食らってコンボを決められて終いだろう。

 

だからこそ、ここで逃げの一手ではなく……

 

 

それと、忘れたか。

 

「刀はなぁっ!! もう一本あるんだよ!!」

 

俺はいいながら、壁に手をつけて、見る。そっちに誘導してたのは、計算のうちだ!!

 

刀は二本ある。テメェが蹴り飛ばした、刀がまだあるんだよなぁっ!!

やつは……カースドプリズンは……アメリアは! 俺のHPを削ることで精一杯っ、刀を警戒して無いわけじゃないだろうが、それでも頭の隅に置いていたんだろう!?

 

俺は刀を抜き取り、地面を踏み、姿が消える。

 

「……!!? ここでそれを使うか!!」

「ここでこそ使うんだよ!!」

 

嵐気流道征(ランキリューミチユキ)』、発動。

カースドプリズンが構える。こちらに来たのを、攻撃するつもりだろう。カウンターか。確かに今喰らえば、おそらく俺は負けるだろうな。

 

だからこそ、俺はこの一点に集中したのだから。

 

 

距離が縮まっていき、カースドプリズンの拳が放たれる。パーフェクトと言わんばかりの、タイミング。恐らく、何も考えてなければ俺もやられていただろう。

 

 

拳は俺に当たる…………ことはなく。

 

 

 

「は」

「えっ」

「!?」

「oh……!?」

『あ……?』

『なっ……』

 

 

 

 

全員が口に出す。

 

カースドプリズンの拳は…………俺の()()()を数本掠めていた。

 

俺の身体は、宙に舞っていた。

まるで、空中に地面があるかのように。まるで、空中を駆け抜けていたかのように。

 

頭が地面に、脚が空に。

 

身体が()()()()()()()()()、その場に浮いていた。

 

「これにて……終焉ッ!! なりィッッ!!!!」

 

残り一秒。

 

超必殺を撃って、身体が燃えるように赤く染まっていたカースドプリズンの首筋に向かって、刀が振られた。

 

ズバンッ!! と音が鳴り、カースドプリズンのHPがどんどん減っていき……

 

「っ……全て嘘(オールフィクション)……!」

 

カースドプリズンは、四散していく。しかし、アメリアは残っている。そこに、アメリアの意思はまだあった。

 

「絶対、忘れないからな……っ!!!」

 

 

アメリアの言葉を最後に、カースドプリズンは四散して……

 

俺はそれを見て、笑う。

 

「俺も忘れねぇよ……強かった……!」

 

刀を鞘に収めて、空を見上げる。三度笠を手で押えて、ニヤリと笑った。

こんなことするっけ、と後に思う訳だが……今の俺にそんな感情は全くなく、もはや、清々しい気分のようにも思えた。

 

「……楽しかった!!」

 

そう言って、目の前が暗転するのだった。

 





まるで炭治郎じゃないか……。斜陽転身じゃないか……。
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