シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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タイトルが酷いので初投稿です。


ガキに奢らせる大人とは

 

『ログアウトします』

 

機械的な声とともに俺の意識は現実世界へと戻される。

俺はゆっくりと起き上がり……歓声とも呼べる爆音で汗を垂らしまくる。

いや、顔とかを隠してるとはいえ、こんな量の歓声を受けたら流石にたじろぐわ。

 

「やぁやぁマー君、途中から戦闘狂モードに入って気分はどうかなぁ?」

「今ならレイドボスさんとやり合えそう」

「化け物よおい……」

 

さてと、あのバカッツォはまだ来てない……来てないの? この時間稼ぎで……??

 

俺はそう思いながら、アメリアを見て、ゲッと言う。

 

幕末をやってる人間ならそいつの目を見れば、ある程度の感情を読み取れる。

もちろん、俺もその技術は持っているわけで、そんな俺の技術を持って、現在こちらを見ているアメリアの心のうちをいうなら、恐らくこうだ。

 

『次は絶ッ対に負けないからな……この侍野郎……』

 

だろうな。あれ。うん。すごい睨んでくるもん。

しかしながら、あのバカッツォが中々来ないことが腹立たしい。

何を考えてるんだあのバカッツォは。

 

俺達が全力で時間を稼ぎ、RwH6の大会を片付けたカッツォが何でもない顔で合流する……。

それがこの作戦の全容であり、最終段階の鍵であるあいつが今なお来ない以上、時間稼ぎは終わっていない。

 

しかも、アメリアが終わったってことは……

 

「休憩を挟んでから、ってこと?」

「いいや? あっちはまだやるみたいだよ。時間的にもまだ全然休憩って感じじゃなさそうだしね」

 

えぇ……。

 

鉛筆の言葉を聞いた俺は相手チームを見て、肩をバンバン叩いて爆笑している金髪少女の姿が見える。

あれだろうなぁ……シルヴィアって。

 

「……死にます、か」

 

俺はいいながら汗を垂らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

速い。

恐ろしく、速い。

 

『おおっと、避けきれない! 刀で捌くが、それでも捌ききれていない!!』

『先程の戦いよりも、凄まじい速さですね……瞬き出来ませんよ』

 

俺は汗を垂らしながら後ろに下がる。

ウッソだろこいつ……!! 全然っ、食らいついてくる!

 

シルヴィアの操るミーティアスが明らかにおかしい速度で迫ってくる。ほんとにこれスキルとかついてないんですよね……??

俺はなんとか息を吐きながらミーティアスから一点をもぎ取ろうと走る。

 

そしてなによりも、ライオットブラッドの効果切れ、がキツイ。

そりゃあもうキツイキツイ。頭おかしいんじゃねーの? ってぐらいだ。

 

「ッ!!」

「ハハハッ!」

 

しかもこいつ笑ってやがる。

俺と同じタイプ……戦闘狂か? いや、そんなことは無いはず……。純粋に楽しんでる、のか?

 

「あークソ……」

 

ダメだこりゃ、変なとこに意識が向いちまう。

悪い癖だな……直しとかねーと。それぐらいに、アメリアとの戦いがヤバかったってことか? いや違うな。これで何分ぶっ続けで戦ってんだよ俺は。

 

俺は攻撃を捌ききれず、結局、シルヴィアの操るミーティアスに負けるのだった。

 

またリアル世界に意識を呼び戻した俺は歩き始めた。

 

「マー君さっきより顔死んでない? 即落ち二コマか何か?」

「いやぁ、あの速さ初めて見たぜ……」

 

俺はいいながら椅子に座り、汗を拭う。

さてと、サンラク……じゃなかった。顔隠し(ノーフェイス)はどうやって戦うのか見物だな。

 

「ちなみに聞くけどシルヴィアってどんな感じだった?」

「ウェザエモンにAGI+100」

「戦闘機?」

 

サンラクのツッコミは最もだろうが、仕方ないだろ。そういうしかないんだもの。

 

全て嘘(オールフィクション)選手もかなり強かったですが、やはりシルヴィアのミーティアスには勝てませんでしたね』

『いい食らいつきでしたが……。もしかしたら、アメリア選手との戦いで体力を削られていたのかもしれませんね』

 

ケッ、そういうとこを直したいってんの。

幕末じゃあ殺し合いが一時間も続かねぇからなぁ……。よくて、三十分とか?

 

ま、あとのことはサンラクに任せるさ。

 

『さぁエキシビションマッチ、シルヴィア選手の出番となったことで爆薬分隊は厳しい状況になったのではないでしょうか?』

『そうですね、現状顔隠し(ノーフェイス)選手の実力が未知数ですのでシルヴィア選手に対抗できるのは魚臣選手だけでしょうが……』

 

「ちょっとお腹の中の戦場で衛生兵が撃たれたそうなので苦戦するそうでーす!」

 

これはゲリラ戦すぎるな。うん。

 

『あ、そうですか……兎も角、ここに来て謎の仮面選手もう一人の実力が明らかになるわけですね』

『さぁ互いにキャラクター選択です。シルヴィア選手は当然と言うか、やはりミーティアスですね!』

 

俺は解説を流しながら、汗を垂らす。

アメリア、そして少しだが、シルヴィアとの戦いで得たものは大きかった。

何よりも、やはり、あの戦闘の仕方だろう。アメリアとのラスト三十秒、あの瞬間は凄まじく目も脳みそも冴えていた。

 

あれがゾーンってやつか? レイドボスさんであれが使えればな、と思いながら画面に目を向ける。

 

……え。

 

『さぁ顔隠し(ノーフェイス)選手のキャラクターは……え、嘘っ、カースドプリズン!?』

 

わぁすっごい、相手選手の控えからゴウッ! と殺意の塊のようなものが……。

 

地面に手袋を叩きつける、果たし状を送る、相手の首がどこに飾られるべきかを告げる……。

 

古今東西において弱者も強者も関係なく、全力を望む戦いがある。

そして絶対王者に対して、正体不明のチャレンジャーは最大の挑戦状を叩きつけた。

 

ミーティアスに、カースドプリズン。しかも、目の前に「リアルカースドプリズン」がいるにも関わらず、カースドプリズンを選択した。

 

『カースドプリズン! カースドプリズンです! ヒーロー「ミーティアス」の宿敵、呪われた監獄(カースドプリズン)だーっ!!』

 

……かつてシルヴィア・ゴールドバーグに挑んだプレイヤーの中に、カースドプリズン使いがいなかったわけではない。

 

だがそういった挑戦者達は、全て苛烈なまでの全力によって叩き潰されて来た。

いつしかシルヴィア・ゴールドバーグに対してカースドプリズンを使用することは一種のタブーであるとされ、もしそれでもカースドプリズンを選択したということはそれ即ち……

 

 

 

「本気でかかってこいクソッタレ」を意味する。

 

 

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