シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

111 / 114


やっと魚類が出たので初投稿です。


お前はいつも遅いんだよ!!

 

 

「……?」

 

おーおー、少なくとも自分に目を向けられるのかな、とか思ってたんだろうな。バカッツォ……。

 

「よぉゲロ遅普遍的雌雄魚類(ユニーク自発出来ないマン)

「重役出勤もここまで来れば感心するねぇ」

 

カッツォはそれを聞いて、反論したそうにしたものの、自分が悪いと飲み込んだのか、手を合わせる。

 

「……正直すまんかった、今サン……顔隠し(ノーフェイス)の手番か?」

「もう少し早かったら平和的だったのにねぇ」

 

何故か乾いた笑いを浮かべるペンシルゴン、もとい名前隠し(ノーネーム)にカッツォは首をかしげる。

観客の目線、実況の目線は画面に固定されていた。

 

恐らくサンラクvsシルヴィアの対戦の光景が表示されている……というか、まぁ、見てわかる通りなのだが。

そして、先ほどからスピーカーを割らんばかりに響く高笑いは。ギャリギャリとアスファルトを擦るタイヤの音は。

 

あの頭のネジが爆散したかのような高笑いには心当たりがある。ていうか、心当たりしかない。

やることなすことが突飛な友人が、もうどうにでもなぁれと吹っ切れた時の笑い声にひどく似ているような、というかそれそのものであるような……

 

「いやまぁ、舐めプしてたこっちサイドにも非があるんだけどさ……」

「あー、なんとなく察したけど要約お願い」

「諸々あって、キレた」

「ちょっと要約しすぎかなぁ」

 

お前が遅すぎたんだよドアホ。

 

さて、画面に目を戻せば……そこには、真っ白い姿のカースドプリズンが。白バイを取り込んだっけか。

 

ミーティアスを掴んで放り投げたり、壁ドンで削ったり。なんかもうやりたい放題だな、あいつ。

 

『これは1ラウンド目の分! これはダシに使われた消防車の分! そしてこれが……っ! 焼肉の分だぁぁぁぁぁ!!』

 

あいつ、焼肉が食えないからって焼肉の分まで殴って……!!?

ミーティアスに流石のカースドプリズンのタックルを受け止めるだけのSTRはなく、そしてここまであからさまな有利を奪取できれば……如何なカースドプリズン使いとてコンボを叩き込むことは出来るだろう。

 

「何故今焼肉の話が!?」とでも言いたげなミーティアスがコンボの終了と共に勢いよく大通りを吹き飛んでいく。

うーん、これは面白い戦いになってきたな。俺はゆっくりと顎に手を当てて目を細める。

 

「うわ、マー君がすごく画面を睨んでる」

「なにか悪いことでも?」

「いやぁ、悪いことじゃないんだけど……こうなると、ほら、吸収するって言うか……」

 

誰がさらに変態機動になるだコラ。

とはいえ、こういう戦いはちゃあんと、収穫しておかないと。

レイドボスさんに使える部分があるかもだし? ここに来た俺の目的のひとつには、レイドボスさんとやり合えるほどの経験を手に入れたい、だ。

 

俺は試合の展開を見ながら、ニヤッと笑った。

 

「あ、『拍子ずらし』」

「なんて?」

「幕末の基本だぞ。カッツォ減点な」

「なんでメグが答えたのに俺が減点されるわけ??」

 

うっせーな、既にテメェの点数は底辺なんだよ。

 

俺はいいながらサンラクを見る。お、1ラウンド取った。

今のは、『拍子ずらし』ってやつだ。サンラクは、いわゆる、リアル時間でリズムが変動する……楽譜に刻まれた音符を相手に押し付けてくるタイプの人間だ。

 

それはシルヴィアも同じであり、相性がいいのか悪いのか……。

とにかく、自分が有利になるように音符をぶつけ合うのが今、サンラクとシルヴィアの戦いだ。

して、『拍子ずらし』はフェイントやディレイ、後の先も大きなカテゴリで言えばこれに含まれるし、幕末で磨かれた不意打ちのスキルも同様とも言えるだろう。

 

つまりは、相手のリズムを狂わすもの、だ。

それだけで相手は崩れるもんだ。幕末でも、そのずらしで作った隙で攻撃するわけだし。

 

『ラウンドを返したぁーっ! 顔隠し(ノーフェイス)選手、1ラウンド目とは別人のような、実況が困難な動きでシルヴィア選手をノックアウトしました!』

『いや、凄い試合でしたね……白バイを取り込んで機動力を確保したのは分かりますが、大振りな動きで繊細な調整を無理矢理通しているような……』

『これは是非お話しを……あ、魚臣選手来ていらしたんですね!』

 

「ははは、酷いなぁ……皆さん、どうもー」

 

ゲリラ戦野郎にようやっと目が行ったか、と思いながらずっとブツブツと呟く。

 

「ミーティアスがああ来るなら俺がこういって……いやでも、サンラクはこう返すか……なら、その隙を縫うなら……刀を……いやでも……もしくはこうして……どうなんだ……いや、それは悪手か? まてよ、刀を逆手に持ってそのまま……確実に仕留められるなら首……届かないよな……ならやっぱ蹴りか……幕末なら土持って目潰し……それは机上のなんとやらか……?」

『な、なんか一名はブツブツ言ってるんで……』

 

じゃかあしいぞ実況。他のやついけ他のやつ。

 

『それにしても、随分と凄まじい試合を見せたお三方ですが……もしやプロゲーマーの方なんでしょうか?』

「それも含めてシークレット、ですね。その方が謎感が増すじゃないですか?」

 

けっ、上手いこと言いやがる……。

とりあえず、そんなサンラクはこれから第三ラウンドへと向かうところだった。

 

さて、どんな戦い方をするのか、よく見せてくれよぉ……?

禁忌の質問、レイドボスさんルート

  • それは、『有り』だ
  • それはさすがに無いやろがいッ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。