シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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書いちゃった☆
初投稿です。


秋津茜ifルート②「遍く葬祭にて……」

 

そこでは、葬式があげられていた。

少々……いや、結構雨が降る中、俺は静かに葬式が終わるのを待っていた。

 

「……」

 

母親が、死んだ。

父親の顔は知らない。父親は蒸発していて、俺の最初の記憶は今の今まで母子家庭の環境であった。

少し重たいと思うが、そんなことは無い。

そんな母が、病気で死んだ。

 

んまぁ、頑張って看病してたけど、日に日に弱っていくから、いつかこういう日は来ると思っていた。

……俺は母の前まで行き、棺桶を撫でる。

そんな馬鹿なだとか、悲しいだとか、そういう感情は全く持ってなかった。

 

……そんな俺の肩に、ポンっと誰かが叩いた。

 

「……先輩」

「あぁ、紅音……」

 

俺は紅音の顔を見る。

隠岐紅音。俺の後輩であり、陸上部に所属している女の子だ。

俺は紅音のことを見て、いやぁと後ろ頭を掻く。

 

「まさか母親が死ぬとは。紅音も悪いな。こんなのに参加させちまって」

「いえ、いいんです。その……」

 

紅音は俺の顔を見て、オドオドしている。

……いい子だから、なんていえばいいのか分からない、って顔だな。……優しいな、紅音は。

 

俺は紅音の頭を撫でる。

 

「別に、俺は大丈夫だぜ。ほんとほんと」

 

あぁ、全くもって。

紅音はそんな俺を見て、抱きしめてくる。その出来事に、少しだけ固まる。

俺は、汗を垂らしつつ、なにしてんだと目線を送る。

しかし帰ってきたのは、言葉であった。

 

「だって、先輩……凄く、辛そうな顔してるんですもの……」

「っ!」

 

……そうか。

紅音には、俺が辛そうに見えてるってことか……。

俺は紅音にそう言われて少しだけ揺れる。大丈夫だと思い込んでたのに、他人から見るとそう見えてしまっていたらしい。

俺は、紅音の頭をポンポンと撫で、ニッコリと笑う。

 

「優しいな、ありがとな」

「……はい」

 

紅音も少しだけ、目に涙を溜めていた。

やれやれ、母さんめ……どれほど人を泣かせたら気が済むのだろうか。

俺は自分の、もうこの世にはいない母にそう念を送る。

 

ふと、俺は母の関係者に呼ばれた。

俺は紅音に手を振り、そこで待っているように伝えてから向かう。

 

ご冥福をお祈りしますだのなんだの言われたあと、母が残していた『遺書』を見つけたらしい。

……母さんが『遺書』を残すとは……いやはや。

 

中身を見てみると、そこには端的にこう書いてあった。

 

 

『自分のことを大事にしなさい』だの『自分の好きなことをしなさい』だの……微笑ましいことが沢山書かれてある。

俺はその遺書にすこし目頭が熱くなる。

幕末に全てを費やしている俺でも、こんなものをみて……込みあけてくるものがあったらしい。

そして、追伸の部分を見た。

 

『隠岐紅音ちゃんとしっかり結婚しなさい』

 

涙引っ込んだわボケナス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン。

 

しばらく家に閉じこもっていた俺の耳にチャイムの音が入っていた。

今の今まで静かだったため、余計だ。

 

俺は体を起こし、ドアを開ける。

 

「先輩っ! いろんなプリント持ってきましたよ!」

「……え?」

 

俺は紅音から様々なプリントを貰う。

いや、分かる。分かるんだけど、なんでここにいんだこいつは。

 

「……どうやってきた? お前ん家からここまでは40分ぐらいかかるだろ」

「ですね。だから走ってきました(・・・・・・・)!」

 

……俺はその言葉を聞いて、プッ、と吹き出した。

紅音は俺の笑い声を聞いて、何がおかしいんですか!? と顔を赤くして頬を膨らませている。

そんな紅音に、俺は抱きついた。

 

「……ありがとな。ちょっとばっかし、楽になったわ」

「……はい。どういたしまして、です」

 

紅音から手を離そうとして……離そうとして……。

紅音よ、そんなふうに掴まれたらちょっと俺、離れられないのだが。

紅音は、顔を真っ赤に染めており、まるで自身が俺のことを掴んでいると気付いていないようだった。

 

「……紅音、離してくれないと……そのままなんだが……」

「……えっ? あっ! ご、ごめんなさい!?」

 

ピョンッ! とうさぎの如く飛んで離れる紅音。

そんな紅音に俺はまた吹き出すこととなった。

 

紅音の天然には、よく笑わされた。だからこそ、俺もまた……こいつを、幸せにさせてぇ。

……ん?

 

「……」

「……どうしました?」

 

おかしいな。

今俺なんて?

紅音、を幸せにさせたいって。

どうやって? 俺みたいなやつがどうやって幸せにさせられるんだ?

……分からない。

 

「……先輩?」

「紅音」

 

 

分からない、けど。

それを探すのも、幸せなのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もしも、お前に恋人がいないなら、その……付き合って、ほしい……かな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が言葉を口にした後、紅音は口元を抑えた。

口元を抑えて、そして……ポロポロとその瞳から涙を流し始めて、俺に抱きついてきた。

 

……これは、どう……なんだ?

もしかして、俺と一緒は嫌だったとかそういう……?

 

「……嬉しいです、先輩……っ! 私も、大好きですっ!」

 

俺は頭を撫でて、そんで……

 

 

 

 

「あぁ、俺も好きだよ。紅音」





Q.どう言う……?
A.裏設定・没ネーム集にあった『遍葬祭ルート』

Q.ほんへ軸は?
A.秋津茜と先輩後輩の設定です。いいよね、後輩紅音チャン。

1番みたいルートは?

  • 王道の鉛筆ルート
  • やっぱりお前か斎賀姉ルート
  • 未成年交流通報待ったナシ秋津茜ルート
  • 一緒に幕末行こうね♡の京極ルート
  • 特撮で語り合うイムロンルート
  • 本当のもしもで有り得たディプスロルート
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