シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜 作:YY:10-0-1-2
「私はオイカッツォのことを人数にいれるのを忘れてました」というプラカードを頭から被っている。
───……ウェザエモンは私の恋人。ちょっとしたすれ違いで私が死んで……それからずっと、彼は私のお墓をずっと……そう、ずっと守り続けているの。
セツナは語り始めた。自身の過去、そして、ウェザエモンについて。
こういう世界観が大事な世界なら、まぁ過去の深堀ぐらいあってもおかしくは無いが、壮大的なのはやめてくれよ。
───……生きていた頃の私が死んで、どれだけ経ったのかは分からないけれど、気づいた時には私はこうなっていた……別に私は死んだ事を未練に思っているわけじゃないの。
そう言って、枯葉1つすらない異様な枯れた木を見つめるセツナ。
─……死とは終わり。終わってしまったものは過去であって、誰かの今を……未来を縛るものではないわ。だから、私はあの人が今も私の
だからこそ、とセツナは枯れ木からそのまま夜空を照らす満月へと視線を動かす。
───……彼は私が構築したプログラ……ええと、魔法を使ってここに結界を構築した。月光の魔力を利用し、座標を次元の裏側に「反転」させることで誰にも干渉させないように。
プログラム……? 滅茶苦茶気になる単語が出てきたが今は置いておく。
要は地面に反射してる水溜まり、みたいな感じか。
上に立っている俺達は「表の世界」、水溜まりの中にいる俺達が「反転している世界」みたいな。
でも月がその光を失う時……つまり、新月の夜だけは結界に綻びが出来る。そこにウェザエモンのいる裏座標へと通じる綻びが生まれるとのこと。
そこに飛び込んではっ倒すってことか。
「どうか、ウェザエモンを……あの人を、眠らせてあげてください」
セツナは俺たちの方を、居住まいを正してお辞儀をして言った。
さてなんと返答したものか……と悩んでいると、ペンシルゴンがニッと笑みを浮かべる。
「任せてよセッちゃん、あのへたれ共とは違う。この三人でセッちゃんを悩ませるあんにゃろーを張り倒してくるからさ」
余りの言葉に俺もサンラクもオイカッツォも目を丸くする。
まさか、あの、あの、ペンシルゴンが……?
「あのラスボスよりラスボスしてたペンシルゴンが、NPCと談笑……!? 人の心を取り戻したというのかっ!?」
「ウッソだろお前……! 人の心すらないと思っていたお前が……!!」
「失礼がすぎるんじゃないかなぁ2人ともぉ〜?」
「コノキモチ……コレガ、ココロ……?」
「オイプロゲーマー」
暫しの静寂。
ペンシルゴンが耳を真っ赤にしながらなんかこう、明らかに何かしらのユニークでなければデザインされないような神々しい剣……いや、槍? みたいなのを握る。
「よっしゃ貴様ら三人ともウェザエモン戦前の練習だ、レベル上限の暴力を脳髄に刻み込んであげよう」
「おまっ! 明らかにやばそうな武器を雑魚3人に出すんじゃねぇよ大人気ないぞ!」
「まずいサンラク目がマジだよあれ! PKする気だ!」
「ぴゃあああああなんでアタシまでぇぇぇぇ!?」
「お兄ちゃん!? ねぇなんでわたしまで!?」
知るかゼッタ。それ逃げろーい。
なんとか、HP九割で許してもらった。
なおエムルとゼッタはもふられていた。哀れ哀れ。
そしてその様子を、セツナは楽しげに……本当に楽しげに目を細めて見つめていた。
「全くもう、墓守のウェザエモン挑戦前じゃなかったら五回はリスキルしなきゃ気が済まなかったところだよ」
「聞いたかオイカッツォ、これでこそペンシルゴンよ」
「ああ、馬鹿正直に侵攻してくる分ラスボスの方が有情とまで言われたペンシルゴンが帰ってきたね」
「十割いっとく?」
俺、もう、何も、言わない。許せ、許せ。
二人と一匹して両手を上げて降参のポーズを取る野郎ども。流石にそれを見せられればペンシルゴンはため息をついて武器をしまう。
「そりゃライオンが家庭菜園作ってりゃ笑……おっと、我々は同じ志を持つ同志だ、話せばわかるそうだろう?」
「サンラク君、拳で伝わる青春もあるとは思わない?」
「全力で煽ってくサンラクのスタイル嫌いじゃないよ」
「馬鹿なんでしょ。笑うぜこんなん」
「アタシにもとばっちりくるからやめて欲しいですわ……」
サンラクのそのやり方には笑みが零れるね。うん。
しばし横一文字に引き締めていた口を開き、ぽつりとペンシルゴンが呟く。
「あー…………その、ね。たまにはNPC相手にカッコつけたいっていうかさー……こう、なんというかセツナって名前とか背景的にこう、他人事に思えないというか……」
そこまで言って、ペンシルゴンは吹っ切れたかのように叫んだ。
「えぇそうですぅー!! 私だってゲームに本気で感情移入することくらいあるわけでぇーっ!」
それを俺たちに言うんだ。
俺とサンラク、オイカッツォは綺麗正しくへっ、と鼻で笑う。
「ゲームに本気になる? 大いに結構だろ。何事も本気で取り組めるなら本気で取り組んだ方が楽しいに決まってる」
「そうそう……本気で遊ぶからゲームは楽しいのさ、というか俺それがお仕事なんですけど?」
2人が言った後、サンラクが余計なことを言ったもんで、目ばっか狙われてる。
俺はそんな二人を見て、苦笑しながらペンシルゴンに目を向ける。
「……まぁ、なんだ。2人の言う通りだと思うぜ。それに、テメェがやりたいことなんだろ?」
俺は拳を作る。
「やってやろうぜ、とっととウェザエモンはっ倒すか!」
俺の言葉、そして、サンラクとオイカッツォの行動。
それらがペンシルゴンにドバドバ流れ込んできた結果。
「ふ、ふふ……ああ、そうだったね……君達も大概だったね、ふふふふ……あははは!」
大いに笑っていた。
晴れやかな笑みを浮かべたペンシルゴンは両手で頬を叩くといつもの表情、ド派手な花火を打ち上げる刹那主義らしく不敵に口の端を歪めて宣言する。
「相手は畜生ストーリーボスもビックリなレベル差150を強制するユニークモンスター! それでも私達ならできる、本気でやって勝ちに行こう!」
その言葉に俺もサンラクもオイカッツォも……ついでに流れ的に乗ってきたのかエムルもゼッタも無言でサムズアップする。
「馬車馬の如く扱き使って死んでも休ませないから覚悟してもらうよ!」
決戦まで残り二週間を切り、俺たちは慌ただしく動くことになる。
はー、色々と準備しないとな〜と思っていると、ペンシルゴンが小さく俺に呟いた。
「ありがとね、マー君」
「……おう、任せろ」
俺もそう言うと、サンラクとオイカッツォがこっちをニヤニヤとした目で見る。
「あっ、そうだ。言うの忘れてたけど、二人ともレベル50になるまでは魚釣り続行だけど頑張ってね」
デスヨネーと言いたげな顔する2人に、俺も笑うのだった。
◇◆◇
社会人たるもの、仕事を無下にすることは出来ない。
だが、それは……普通の日の話。
「ふふふっ、今日も今日とてフリー……!!」
残念、俺はフリーなのだよ……!
とはいえ、あの後色んな場所に素材狩りに行ったりしていたのはさすがにキツイな。
「まぁ、それはそれだよな」
俺はとある雑誌を手に持つ。
そこには、天音永遠の写真がでかでかと記載されていた。
その人物の本性を文字通り痛感していなければ、素直に綺麗な人だと思うだけであっただろうに……。
「日本の花形モデル、ねぇ……」
刹那主義の永遠と、永久を過した刹那……。
俺はそんな事を思い浮かべながら、VRゴーグルを手に持つ。
さて、とりあえずまずは天誅しにカチコミ行きますか。
この時のペンシルゴンは可愛い。
可愛いだけであり、実際はどうか……。
もしもシリーズ、待ってます
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=324550&uid=410751
このゲーム、カンストって……(震え声)
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9999ぐらい?
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1万は飛んでそう(白目)
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10万……?(遠い目)
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私のカンストレベルは53万です()
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↑そのさらに上……!?(100万以上)