シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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(更新が)遅すぎィ!!


(なが)すぎる(とき)終止符(フィナーレ)を、愛を込めて決着(ピリオド)を 其の拾弐

 

 

何秒経った? 技は全部使ったか? どうすればこの地獄は終わる?

様々な考えが殺到するが、それらは全てウェザエモンの攻撃によって吹き飛ばされる。

考える時間すらないというか。ほほうさてはとんでもねぇクソゲーだな。

 

俺とサンラクはウェザエモンの攻撃を避け続ける。

 

反撃なんて出来ない。故に選択肢が減って一番の選択肢が浮上する。

刀をしまう事はしない。しまってたまるか。それこそ、侍の名折れだ。

 

サンラクも反撃を捨てたのか、武器を投げ捨ててアイテムを構える。

俺とサンラクは攻撃を避けながら目線を合わせる。

 

───……行けるのか!?

───……いや無理だ、反撃なんぞもう捨ててる!

 

この一瞬であいつが何考えてるのかが読める。

次の技のトリガーを引くつもりなのか。

 

晴天大征(セイテンタイセイ)、流転と手向けを以って終極と為す」

 

なっ!!?

サンラクがアイテムを取り出すためにウィンドウに目を向けた一瞬で距離を詰めるウェザエモン。

 

そのスピードは恐ろしく速く、目で追えたかなんて分からない。

 

 

 

晴天(セイテン)転じて我が窮極の一太刀。我、龍をも断つ……【天晴(テンセイ)】」

 

 

 

サンラクが手に持ったアイテムを放り投げ、回避をしようとした、その瞬間、身体がいきなり止まる。

集中が切れたとか、転んだとかそういうレベルじゃない。というか、アイツに限ってそれはない。

 

つまりそれは、行動の……!!

 

瞬間見えたのは『()』。

 

右肩より少し上、首筋に刃がめり込む。抵抗は一瞬すら保つことはなく、蒼い刃の一筋をなぞるように黄金の輝きがあるのを確認して、そこで左腰へと刃が抜けて真っ二つ。

刃の軌跡には、たしかに『空』が映っていた。雲ひとつない、快晴で晴れ渡る、逆に恐ろしいぐらいの『晴天』。

 

なるほど、そうかそういうことか。

 

晴天転じてって……!!

 

サンラクは上に放り投げた再誕の涙珠のお陰でセルフ蘇生する。

たしかに物理演算ならば可能だが……本当にやるバカがどこにいるんだ!!

 

俺はサンラクとスイッチして、ウェザエモンの前に立つ。

 

 

天晴。

こいつ、ヤバすぎる。

見た感じ、装備すら貫通していた。

 

装備破壊、多分装甲貫通もある。それに、あっさりと死にすぎる。即死攻撃? パリィは、出来るのか!?

しかも、あと動き的に回避不能……回避不能だと!?

 

自分の思考にドン引きする。

即死攻撃に回避不能とか、どんな攻撃だよ! クソゲーだとか、無理ゲーとかのレベル超えてる!!

 

考え事を強制的にリセットされる。

何故ならば、そこには……ちょうどそろそろ一分前になるくらいかそれくらいの過去に見た構えをとるウェザエモンの姿。

 

晴天大征(セイテンタイセイ)、流転と手向けを以って終極と為す」

「「最初から()()()()ィィ!!?」」

 

サンラクとほぼ同時に悲鳴のような叫びをあげる。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

ほぼ同時期、オイカッツォとアーサー・ペンシルゴンは戦術機構【麒麟】をすっ転ばせていた。

ペンシルゴンは、武器の耐久度を急速に消耗するというデメリットこそあるが、強力な装甲貫通効果を付与する「ブロークン・シェル」によって槍と装甲のぶつかり合いを発生させる。

 

「分厚いってことは、その下が重要ってことだよねぇ……! カッツォ君、20秒耐えて!」

「無理! 15秒!!」

「上々!!」

 

腹の上のペンシルゴンを払いのけようとする行動はオイカッツォが腕を引っ張り、強制万歳をさせる事で阻止される。

 

「動きを阻害してもダメージもデバフも与えていないからこっちにヘイトが来ないし、転倒させれば自傷ダメージも入る……もしかしなくても、これハメだよね?」

 

オイカッツォの言葉にペンシルゴンがノリノリで乗る。

 

「だったら運営に修正される前にウェザエモンを攻略しちゃおうか……!」

 

2度目の「ブロークン・シェル」の行使によりビシリ、と致命的な亀裂の入った獅子の連骨槍を投げ捨て、ペンシルゴンは別の槍をインベントリから取り出す。

 

本気を出せない彼女には、ちょっとした理由があった。

それは、対価の天秤の()()()()()にあった。彼女が、対価の天秤を借りるために、自らの愛槍を対価として預けているのだ。

 

だからこそ、ペンシルゴンは此度の戦いではアシストに回ることを選んだ。

元々の予定ならば、()()()()()()()()()()()()()()()

 

何故ならば……何故ならば……!!

 

(やっぱり、マー君こっちに持ってくるんだった……!!)

 

そう、マオウガ=ドキの作戦変更があったからだ。

元々は、オイカッツォ、ペンシルゴン……そして、マオウガ=ドキの3人でアシストする予定であった。

 

だが、ウェザエモンの技の説明を見た彼が目を輝かせているのを見て、無理やり変更したのだ。

愛するが故の、失敗であった。

 

だが、だがしかし。

 

それは、ある意味彼女を奮い立たせる理由付けでもあった。

 

(マー君は、ウェザエモンを必死に食い止めてる……なら、お姉さんも頑張らないとね!!)

 

代用の槍も用意できうる最良と最上を兼ね備えたものを揃えたが、ここへきて騏驎甲冑を実際に倒す。

それは、新たな課題であり、厳しい課題であり……。

 

されど、奮闘する彼女はニヤリと不敵に笑う。

 

 

「それならそれでやりようは幾らでもあるけどね……! やりだ……」

「槍だけに?」

「うーわカッツォ君ダジャレつまんなーい。うーわ、うーわ」

「こ、この野郎……!」

 





まさかの失敗……っ!!
ペンシルゴン、痛恨の……失敗…………っ!!


もしもシリーズ、待ってます
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=324550&uid=410751
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