シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜 作:YY:10-0-1-2
たまたま書いただけ。初投稿です。
「来た……来やがった……野郎、やりやがった!!」
誰かが叫ぶ。
そして誰かが血を吹いて死ぬ。
また誰かが、痛みと共に倒れる。
そういう世界で、争っていたのだ。
だが、ν鯖の奴らにはアイツがいた。
アイツがいたからこそ、ν鯖として成り立っていた。
◇◆◇
Φ鯖は絶対に武器を握らない。代わりに、拳を閉じて最強の武器を作った。
それを試すかのように、はたまた自分の欲望のために振るった。
そしてν鯖のアイツもまた、自分の欲望のために
ν鯖に
「ここにもいやがったのかよ……」
μ鯖にいる「μ-
そのプレイヤーは、モンスターをはっ倒し、その角を折り、削りに削って刀として磨いた。
γ鯖のガンマンことヤシロバード、λ鯖の貴婦人ことレディ・バグ、π鯖のスラッシャーことAAA to ZZZなど、様々なヤベェやつらが確かに存在していた。
そして、バイバアルが目の前にしてるのも確かにヤバいやつの1人であった。
「……お前、マジかよ?」
「大マジだよ、というかこれでも優しい方」
その男は、正にその名の如く『鬼神』であった。
会って、立ち向かえばその頭と胴体は泣き別れ。なによりも、狙った相手ならば、脚から切り落とし逃げられなくさせ、トドメとして心臓を一突き、さらに頭にも一突きと鬼の如く繊細にやってみせる。
それがν鯖の鬼神こと、キシン=モドキであった。
バイバアルは初めて出会う男に、冷や汗を垂らしていた。
「……あんた、殺るの?」
「……たりめぇだろ」
バイバアルは拳を握り、キシン=モドキはため息をついた。
そして、バイバアルの腕は……
「っ!!」
消し飛んだ訳では無かったが、指が2、3本持っていかれた。
あまりにも速すぎる挙動、神速の太刀、μ-skyとは違うベクトルの化け物。
バイバアルの心臓は、これ以上なく高まっていた。
だが、バイバアルも負けていなかった。
ゴッと鈍い音と同時に、キシン=モドキの左腕が骨を外に出して折れていた。
キシン=モドキはそれを見て、目を見開き、刀を振るう。
バイバアルの頬に傷がつく。
「シッ!!」
次に、バイバアルの耳が斬れ飛んだ。
バイバアルは耳が飛んだことによる痛みよりも、目の前の化け物に対抗するための考えを紡ぐ。
バイバアルは、拳を握った。拳を握って、キシン=モドキの顔面を殴り抜いた。
キシン=モドキは顔面を殴られたことによる反動を利用し、バク転。バイバアルの顎を蹴り砕こうとするも、ギリギリで避けられてしまう。
キシン=モドキは飛び出た骨を口で引っ張り出して思いっきり投げる。
バイバアルの顔面にそれは刺さり、血が勢いよく吹き出る。
「ハッハハハハハハッ!!」
誰の笑い声かも分からない。
バイバアルのものなのか、それともキシン=モドキのものなのか。
「さすがΦ鯖のバイバアルだな、威力が桁違いだぜ……!」
「お前もな! キシン=モドキ!!」
お互いに認め合い、お互いに
キシン=モドキは左腕を自身で切り飛ばし、その中に手榴弾をねじ込み、蹴り飛ばす。
バイバアルはそれを見て、ニタァと笑みを浮かべた後、手で弾く。そして、両腕が消し飛ばされた。
(こいつ、腕を囮にして俺の腕を……っ!!)
バイバアルは蹴りを入れ込む。
キシン=モドキの腹に大きな風穴が空く。
(マジか……普通退くだろ!)
キシン=モドキは口から血を吹き出しながら苦痛そうな顔を浮かべ刀を地面に刺す。
唐突なことにバイバアルは一瞬だけ動きを鈍らせる。
それがいけなかった。それが致命傷だった。バイバアルという人物を、敗北という絶望へ叩き落とす作戦であった。
キシン=モドキは、右腕で手榴弾を取り出して、それを上にぶん投げる。
もちろん、バイバアルは逃げようとするが、それをキシン=モドキは許さない。
キシン=モドキは、バイバアルに後ろから抱きつき、自身の脚を思いっきり地面に刺す勢いで振り落とし、動けなくさせる。
「お前っ、マジかよ!」
「マジマジ!! 一緒に飛ぼうかァ! えェ!?」
上からの手榴弾に2人が目を奪われる。
瞬間、広く光り輝き、辺りが爆発によって土煙を上げた。
◇◆◇
「……あん時はクソ楽しかったなぁ……」
「お前、そんなやばいもんやってたの?」
椅子に座り、お団子を頬張るハジュンを見ながら冷や汗を垂らす当千。
当千は、鯖癌をやっていないが、知ってはいる。
だからこそ、そんな鯖癌をやっていたハジュンを見て、白目を向いていたのだ。
「いや、もうあの痛みはよ、永遠に体験できねぇよあれ」
「どんな感じだったの?」
「うーん、そうだな、喩えるなら……尿路結石と痛風と頭痛と体全身骨折とコンクリートに叩きつけられた時の痛みが一瞬で同時に襲ってくるような感覚?」
「うん、俺が言うのもなんだけどお前もだいぶ狂ってるよな」
まぁね〜と再び団子を頬張るハジュン。
それを聴きながらため息をつき、遠くの
「……行くか…」
「ん、だな」
ハジュンと当千は立ち上がり、歩き始める。
レイドボスさんを、天誅するために。
本音、鯖癌の話をしたくてたまらなかったんだ。
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