シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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タイトルから不穏すぎる定期
というわけで初投稿です。

※白鷺零様、評価☆9ありがとうございます!!

初夜ゲロ↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=332994&uid=410751



ラブストーリーは勘違いゆえに

 

 

 

───いやぁ? ただちょっと見て回ろうぜって

 

それは突然のことだった。

私が彼に誘われるとは思っていなかったから、本当に驚いた。彼の目の前で咳き込んでしまうほど。

 

 

───あぁ、しばらく滞在するんだし、ちょっとぐらい観光とかしてもいいだろ?

 

あぁ、彼はどこまで私のことをこんなにも楽しませてくれるんだろう。

男女だけで観光だなんて、それって傍から見れば……。

いまだけは、いまだけはモデルという姿を脱ぎたいぐらい嬉しい。

 

 

───行かないなら俺一人で行くけ……

 

勿体ない。そんなの、こんなチャンスを捨てるだなんて、勿体ない。

私は、大きな声で言う。行くと。彼と行きたいと。

 

 

 

───……サングラスって……帽子って……

 

ファンのみんなに申し訳ないと思ってる。

けれども、仕方がないの。私とマー君の邪魔は誰にもさせないから。

だから、許してね、マー君。

 

 

───んじゃ、行くか

 

こうして、私とマー君のデートは幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はえー、こんな所にこんなお店出来てたんだ」

「なに? マー君はここら辺来たことあるの?」

「んまぁ、ちょっとね」

 

ペンシルゴン……基、天音永遠はしっかりと楽しんでいた。

マオウガこと桜依舞刻という男と共に、確かに観光をしていた。

傍から見れば、サングラスと帽子を被った女の人が、少々顔の整っている男と観光している、と。

 

しかし、その実態は『頭おかしい一昔前の狂人』と『相手を絡め取り策略に嵌める黒幕』という一般人に知られたらドン引きされそうな実態を持っている。

 

だが、彼らはその実態を隠して観光をしていたのだった。

 

しかも、舞刻もなかなか出来ている大人であった。

道路の横を歩く時は、常に永遠の横に立ち道路側を歩き…。

永遠の微々たる変化をしっかりと捉え……。

さらにいえば、永遠が欲しいなぁと言っていたものがあったぞ、と彼女の言葉をよく覚えている。

 

永遠の観光どころではなく、常にドキドキと心臓を高鳴らせていた。

 

(なんで!? なんで私のことそんなに!?)

 

再度言っておくが、天音永遠はペンシルゴン(最低最悪の黒幕)である。

古くからの男友達にキュンキュンするような人ではない。

人ではないはずなのだが、彼女は確かに舞刻に惹かれていた。

 

「ってか、大丈夫か?」

「なにが!?」

 

永遠は声を裏返しながら言う。

いやいや、と舞刻が首を横に振ってチラリと自身の姿を見る。

 

「ほら、俺と一緒に歩いてると……ファンから変なこと言われないか?」

 

そんなわけがない。さらに言えば、その変なことを言ったやつを晒しあげ二度と表を歩けなくさせてやる……と内心思う永遠。

しかしそんなこと言えば……確実に、目の前の相手に嫌われる。

だからこそ、そんな思いは蓋で押さえつけて、何とか言葉をひねり出す。

 

「あー、まぁ私だってバレなきゃどーだってなるし」

「そうか……?」

「そうそう」

 

永遠は頷く。

舞刻は小声でスキャンダルがどーだとかー……と言っているが、永遠には聞こえていなかった。

なぜならば、彼女はとっくのとうに……舞刻が自身の心配をしてくれたことに胸を踊らせていたからだ。

 

(マー君が私の心配を…………そんなんだから、好きになっちゃうんだよ……!)

 

この女、案外チョロイ。

とはいえ、あくまで職業はモデル。デレデレとした態度は絶対に表には出さず、舞刻に告白されるまでは耐えるのだ。

 

ふと、舞刻が立ち止まる。

 

「?」

 

永遠は舞刻の視線を追っかける。

そこは、本屋さんであった。何の変哲もない本屋さん。

 

「なんか買うの?」

「えっ? ん、まぁ……予定だったけどいいや〜って」

「えー? マー君の買ってる本、オネーサン気になるなぁ?」

「べつに面白くもねぇぞ」

 

永遠はいいからいいから、と舞刻の背中を押して本屋に入る。

やれやれ、と観念したのか本屋を進む舞刻はとある本を手に取る。

それは、ファッション雑誌である。……そう、永遠の写っている。

 

永遠の脳内CPUが思いっきり火を噴き出した。

 

(えっ、なんで? なんで私の? えっ? もしかして、買ってくれてるの? 嘘でしょ?)

 

永遠の勘違いがさらに加速していく。

なお、舞刻はと言うと。

 

(へー、こういう服が最近のトレンドなんだなぁ……いや、逆にこれを利用して……)

 

脳内で仕事を展開する社会人であった。

お互いに思いのすれ違いが起きているが、永遠は何とか表情も声も抑えていく。

 

「そ、それ買うの?」

「ん? あぁ、これね。そそ。気になるからさ〜(・・・・・・・・)

 

天音永遠にクリティカルヒット!! これは手痛い一発!!

永遠は心臓の辺りを抑えてたじろぐ。なにがどう気になるのかは言われていないのに、自分のことだと勘違いをさらに加速させる。

 

「ど、どういう用途で……?」

「ん? いやぁ、研究(・・)とか?」

 

(研究!!!!!?????)

 

脳内CPUが火を噴くどころか噴火した。

ボシューッと音を立てる脳内CPUを急いで叩き直し、永遠は顔を抑えながらこくりこくりと頷く。

なお、研究とは、最近のトレンドなどの話であれ、決して永遠のことではなかった。

 

「……顔赤くね? どした?」

「なんでもないよ! ほ、ほら! 他の買いなよ!」

 

(他のって……ファッション雑誌に他のもクソもなくねぇか……?)

 

舞刻は脳内で首を傾げながらも、そうだな、と永遠の言葉に頷いた。

そのあと、推理小説や気になっていた漫画などを買った舞刻は袋を持って歩き始める。

 

「いやぁ買えた買えた。()()()()()()()()()()()()()

「そ、そんなに欲しかったんだ?」

「おう、だって()()()()()()()()()()?」

「研究しがいがある!?」

 

ずーっと勘違いしてんなこの女。*1

とりあえず二人はホテルへと戻る。

 

ホテルのフロントからエレベータへと乗り、舞刻は自身の部屋の目の前で立ち止まる。

 

「んじゃあ、また後で」

「う、うん。また後でね」

 

舞刻は自分の部屋へと入っていき姿を消す。

永遠はその場からドタドタと激しい足音を立てながら歩き始め、自身の部屋へと向かい、ボフッとベッドに飛び込む。

 

「……も〜っ!!」

 

今日の出来事を振り返り、永遠は悶絶する。

そして、枕に顔を埋めて……呟くのだった。

 

「絶対私のものにしてあげるから……マー君……」

 

 

*1
メメタァ





書いててめちゃくちゃ楽しかったけど、永遠ってこんな風に脳内で暴れ散らかすかなぁ……っていう……。
えっ? もっと描写寄越せって? 許せサスケ……。

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