シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜 作:YY:10-0-1-2
「しゅこー……しゅこー……」
腹筋割れるかと思ったわ。
俺と永遠は一緒にサンラクを迎えに行って驚かせてやろうと策略し、二人で向かった。
そこまでは良かったのだが、まさかガスマスクを着て出迎えるとは思っておらず、俺は目の前で吹き出し、永遠はドン引きしていた。
なお、そのあと永遠が俺の服を掴んで従業員に助けを呼ぼうとするのを阻止する羽目になった。おのれ
「……ふっ、くくく……腹筋割れそ……」
「そこまで笑われる謂れはないんだが……?」
「存在がギャグみたいなものでしょキミ……いやまさか、リアルでも笑わせてくるとはね……ふふっく、くくく……」
なんでも、昔買ったクソゲーの特典で手に入れたガスマスクらしいが……。
それでもなお、インパクト……というより、掴みは抜群であった。おまえ芸人目指せるよ。
「いやぁ、まさかそこまでムキになって顔を隠すとは思わなくてさぁ」
「いや、別に隠してるわけじゃなくて、カバンの底にあったからとりあえず装着してみたというか」
「普通、旅行カバンにガスマスク入れる人とかいないでしょ」
「んなハリウッド映画みたいな……」
俺と永遠はツッコミを入れる。
とりあえずアクションゲームでホテルが出てきたら少なくとも銃撃戦の嵐か爆破による倒壊のどちらかを考慮しないといけないんだがそれは。
と、そこまで来てようやっと自己紹介に入れる流れとなった。
「はー笑った笑った、では改めまして……鉛筆戦士です、宜しくネ?」
「マオウガ=ドキだ。よろしくなサンラク」
「サンラクです、よろしく……っと」
俺とサンラクは握手を交わす。
分かるよサンラク、こいつの中身が中身だから握手するの拒みそうだろ? だがここはリアルだ。魂を取られるようなことはねーよ。
俺は心の中でサンラクにそう念じつつ、さてと、と口を出した。
「で、俺たちを呼んだホスト様は?」
「なんかもう一人のメンバーを呼んでくるって言ってたよ」
……何?
「これからやるのって、4VS4のチーム戦だろ? 一人多いじゃねぇか」
「さぁ? どういうことなのかはホスト様に聞かないとねぇ?」
サンラクの質問に永遠は肩を竦めて答えた。
俺は顎に手を当てて考え込む。
しかしまっ、とサンラクが口を開く。
「しかし天下のカリスマモデル様がよくもまぁ時間を合わせられたな」
「ほら、私って一挙一動が写真映えするから実際のところお仕事って結構あっさり終わるんだよね」
「自信過剰も二周回れば清々しいな」
「謙遜するボスキャラってウザくない?」
「ボスキャラの自覚はあるのか……」
どーかんだな。謙遜するボスキャラとはクソだわ。ボスキャラなら堂々としてろってんだ。カーッペッ!!
そんな風に話していると、曲がり角から一組の男女がこちらへとやってくる。
かたや鉛筆戦士の顔を見て驚愕の表情を浮かべるサンラクと同年代くらいの少女。
そしてかたやガスマスクのサンラクを見て数秒の呆然の後、腹を抱えて笑い始めた雑誌やテレビでよく見かける中性的な青年。
あれが、
「高級ホテルにガスマスクって組み合わせがすでに面白すぎるんだけど、リアルでもそんな感じなの?」
「うるせー、再販未定のレアものだぞ? 崇めろ、讃えろ」
「だぁら、なんで再販未定のレアものを持ってきてんだってんだよ……」
「崇めるのも讃えるのもクソゲーだからか……まぁいいや、来てくれて感謝するよサンラク、それと……マオウガ」
俺とサンラクは奴の握手をしっかりと握り返すのだった。
◇◆◇
「さて、とりあえず改めて紹介するよメグ。この三人が俺のプライベートなゲーム友達のサンラクと鉛筆戦士、そんで、マオウガ……まぁ、顔を隠すつもりもないようだから言うけど天音 永遠ご本人」
「夏目 恵、雑誌で結構君のこと見かけるよ。よろしくねー」
「んでそっちのガスマスク野郎がサンラク、頭おかしいのはゲームの中だけだと思ってたけどリアルでも狂人だったみたい」
「外し時を見失ったんだよ察せ」
「んで、残ったデカイのがマオウガ。てか、サンラクがこれならマオウガも刀とか持ってんじゃないの?」
「天誅の方法って色々あるって話する?」
俺とカッツォは睨み合う。
「んで、彼女が
カッツォは俺達に気の強そうなポニーテールの少女を紹介する。夏目恵……多分有名なんだろうけど、知らないな。
というか、そもそもそういう雑誌を見ないから仕方がない部分はあるのだが。
「じゃあ単刀直入に本題に入るけど、俺達は明後日のGGCでアメリカのプロゲーマーチーム「スターレイン」と対戦するわけなんだけど……メールでも説明した通り、色々あってメンバーにドタキャン食らってさ、その穴埋めに三人を呼んだわけ」
「ねぇケイ、その前に聞きたいんだけど……この三人、本当に強いの?」
あー、質問しようと思ったんだが。
夏目に質問を横取りされたため、俺は苦笑しながら黙り込む。
そんな夏目の質問に、カッツォはニヤリと笑って答えた。
「実力は保証するよメグ、そっちのモデルは今回のゲームと相性が極めて良いしそっちのガスマスクは……そうだな、俺と戦って勝率四割くらい確保する腕前って言えば分かるかな。そっち大男の方は、対人戦なら特にエキスパートだよ」
おっ、評価高めじゃねぇか。
その言葉は夏目のサンラクに対する評価が激変する程度には大きな意味を持っていたらしい。
どこかいたずらを成功させた子供のような表情でそう告げたカッツォに、夏目は目を見開いてサンラクを凝視する。
そりゃこんなガスマスクみたいなのがカッツォと戦って勝率四割持ってんだからな。ビビるわな。
そんな会話をしていると、永遠がちょいちょいと俺たちをつついてくる。
「なんか察してなさそうだから解説するけど……プロゲーマー魚臣 慧にダイアグラム四割取れる格ゲーマーが日本に何人いるか知ってる?」
「あいつ結構アドリブに弱いから普通にいるんじゃないのか?」
「国内公式戦じゃカッツォ君、誰が相手でも勝率八割落としたことないんだよ?」
「へぇー……」
「反応淡白だなぁ」
……俺は一言呟いた。
「……プロゲーマーでも脳みそがクソゲーで染まってる謎の人型物体Sには敵わなかったってことじゃねぇの?」
「……幕末とかいう頭おかしい連中のところで対人戦してる時代遅れの武士に言われたかねぇなぁ……?」
……。
レディー……
「ファイッ!!」
「上等だゴラァ!!」
俺とサンラクはカッツォと永遠に止められるまで口論という名の殴り合いを続ける羽目になった。
結果は俺の勝ちだった。ざまぁねぇな地獄の底でやってろ。
Q.どれにしよう?
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ペンシルゴンとマオウガの学祭ランデブー
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外道共との年越し祭り in オンライン
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if 遍葬祭ルートの妄想劇
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幕末正月天誅祭(ポロリもあるよ!)