シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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ゆくぞ天誅、狙うは最強の首だけよ 其の参

 

 

首の皮一枚を避け切る。

初手から『斬星竿』を取り出してきたレイドボスさんの攻撃を避けつつ、カウンターをするかよように刀を振るう。

無論、そんなものは届かないし、さらにいえば俺が危なくなってしまう。

 

だからこそ、勢いよく攻めたい気持ちを抑えて後ろに下がる。

 

「……珍しい、二刀流だなんて」

 

レイドボスさんがほんの小さく呟く。

そう、今の俺は二刀流……つまり、刀を2本持って戦っている真っ最中であった。

 

俺は後ろ下がりつつ「へへっ」と声を漏らす。

 

「ちょっとした用事でしてねェ……!!」

 

ガガガッ!

『斬星竿』目掛けて刀を振るう。その間に、左手に持っている刀で……!

と、それを蹴りで弾くレイドボスさん。『斬星竿』から手を離し、勢いよく俺の喉元に指を滑り込ませる。

 

クンッと顔を上げてその場で空中一回転して、腕を蹴り飛ばす。

お互いにやることが似てるし、なんなら……!

 

「シッ!」

「ッ!!」

 

刀を投げた俺と、再び『斬星竿』を握るレイドボスさん。

レイドボスさんは『斬星竿』で俺の投げた刀を防いで、それを叩き落とす。

俺はその間に右手の刀で腕目掛けて刀を振るう。

 

届かない。

 

ジャンプして避けたレイドボスさん。

まだだ、思考を止めるな。

 

俺は刺さっていた刀を拾い、竹藪を斬りながら走る。

同じく竹藪の中を走るレイドボスさんは、俺のことを見てニコッと笑う。

それが恐ろしいのなんの……。竹が思いっきり音を立てて倒れると同時に、レイドボスさんが来る。

 

『斬星竿』を喉元に突かせる。

が、刀二本でそれを止め、ギャギャギャと抑えたまま近づく。

 

「天……っ!!」

 

惜しい。

『斬星竿』を無理やり動かしたレイドボスさんは、刀による拘束を抜けて俺の腕を狙って振るう。

そこから、赤いポリゴンの花が咲く。

俺は汗を垂らしながら1歩下がり、口に咥える。

 

「っ!!」

 

口の刀で『斬星竿』の攻撃を防ぐも、その刀の耐久値が底を尽きたのか、割れる。

破片が目に刺さりかけるが、それは首を横に傾けたことで避けれる。

さらにいえば、折れた刀を吐き捨て、その破片を口に咥えて吹き出す。

 

レイドボスさんはそれを首を傾けるだけで避け、俺のことを睨みつけてから後ろに離れる。

 

「……ふぅ……」

 

冷静になれ。

ギャラクシア・ヒーローズで刀が折られることはまずないと思うが……今のは悪手だったな。

幕末だから出来たが……そもそも、破片ってその場に残るんだな。初めて知ったわ。

 

とはいえ、だ。

なんとかレイドボスさんと戦えてる。俺も成長したってところかな。

今までの努力は無駄じゃなかった……あぁそうさ。

 

ウェザエモンに、水晶群蠍。クソ犬(リュカオーン)もいれればそれなりに俺は化け物とやり合ってきている。

当千や、レイドボスさんだけじゃない。これからは、アメリア・サリヴァンとシルヴィア・ゴールドバーグも俺の糧となる。

 

……へへっ。

笑みが溢れちまう。

 

「……楽しそうだね」

「えぇ、お陰様で……」

 

レイドボスさんも俺の様子を見てそう微笑む。

俺は、レイドボスさんのことをよく知らない。

けれども、レイドボスさんとはいい関係を築けていると思っている。

じゃなかったら、殺しあってる間に……こんな会話なんて出来ないしな。

 

「……」

 

レイドボスさんがゆらりと動く。

その瞬間、俺の視界が吹き飛ぶ。

 

ゆっくりと目を閉じて、意識がゆっくりと無くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイドボスさんと戦ってしばらく。

何度も何度も戦っていたが、やはりというか、攻略法が見つからない……。

クッソ……まだまだダメか。いや、だが成長は出来ているはず。

よし、頑張れ俺。

 

「しかし、アメリア・サリヴァンも、シルヴィア・ゴールドバーグも化け物だなぁ……」

 

シルヴィアの方なんか、特にそうだ。

カッツォはシルヴィア相手に0勝8敗1分……。つまり、ボロッボロに負けているのだ。

いやぁ? 俺も? カッツォに勝ってはいるが、たまに負ける程度だ。格ゲーに関してはもっと勝率は減る。

 

それでも勝ちを諦めてないあたり、筋金入りの負けず嫌いだなあいつ。

まぁ結局のところ俺たちの役割はカッツォvsシルヴィアのマッチングを成立させること、言うなれば前座も前座だ。

 

さて、と。

 

「もうちょっと、狩るかァ……」

 

俺は再び歩き始める。

 

とりあえず、もう一度レイドボスさんに頼み込んで相手してもらって……っと。

そこで俺はふと気づく。

 

……そういえば、前にサンラクが言っていた気がする。

『ライオットブラッド』というエナジードリンクがある、と。

 

……なるほど。

聞けばそれはやばいブツということが分かった。

 

「二本飲めば眠れなくなる」という本当に合法として売る気があるのか疑わしくなる明らかにヤバいキャッチコピー。

一口飲めば眠気が吹き飛び、一本開ければ過酷な深夜労働もなんのその……と。

 

合法なんですよね?

 

俺は一旦VRから出て、そのライオットブラッドと呼ばれるエナジードリンクを眺める。

……飲むか? いや待て、この後色々と準備をするなら、やめておいた方がいいんじゃないか? そもそも服用していいのか?

などなど。

 

ええいっ!! ままよっ!!

 

「うん、味はそんなに……!!?」

 

俺はエナジードリンクを舐めていた。この、ライオットブラッドを舐めていた。

なんだろう、この……全身にカフェインが駆け巡るというのだろうか? この、駆け巡る感じ。

 

なるほど。これが……ライオットブラッド……!!

 

「ふ、ふふふっ、物は試しだ……っ!!」

 

ライオットブラッドを飲んだ俺は、意のままに幕末にログインして、レイドボスさんに再び挑むのであった……っ!!

 

 

 

ちなみに、負けました。3回連続で。

 





Q.レイドボスさんのマオウガへの好感度って?

A.ぶっちぎり。
話していて特に嫌にならない、しかも対等に戦える。当千やサンラクよりも好感度は高め。
なお、好感度が高くなるとレイドボスさんに狙われる確率が上がる。がんばれマオウガ、狙われてるぞマオウガ。

Q.どれにしよう?

  • ペンシルゴンとマオウガの学祭ランデブー
  • 外道共との年越し祭り in オンライン
  • if 遍葬祭ルートの妄想劇
  • 幕末正月天誅祭(ポロリもあるよ!)
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