シャングリラ・フロンティア 〜神ゲーのモンスター共を天誅しに参ります〜   作:YY:10-0-1-2

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流星は更に加速する

 

「「「試合に参加できなくなったぁ!?」」」

「………あぁ」

 

俺は黙り込んでしまった。

サンラクと永遠、そして夏目は、喜怒哀楽から喜びと楽しみを抜いたような顔をしたカッツォの口から告げられた言葉に意図せずしてハモらせていた。

 

「主催者がドタキャンって……まさか壮大なドッキリ説が真実だった……?」

「他人事なら盛大に爆笑してたんだけどさ、カッツォ君流石にそれは笑えなくない?」

「ど、どういうことなのよケイ!?」

「上から……つーかスポンサーからの「命令」でRwH6の大会の欠員補充で出場されることになったんだよ……」

 

カッツォの話を要約すると、だ。

GGCの二日目、つまり俺達が参加するギャラクシア・ヒーローズ・カオスの実機プレイの実演と言う名のエキシビションマッチと同じ日にRwH6……ルインズ・ウォー・ハウンズ6の世界大会、その決勝戦が行われるらしい。

それだけならまだしも、メンバーの一人が交通事故で入院したことが原因でカッツォが抜かれることとなったのだ。

 

ではなぜ、プロゲーミングチーム「電脳大隊(サイバーバタリオン)」におけるFPS部門「強襲中隊(アサルトカンパニー)」の補欠から選ばなかったのか?

スポンサーからの口出しが出て、「どうせなら魚臣 慧を追加メンバーにしてよ」と脅迫されてしまったというわけだ。

 

同じ日に、同じ会場で、中途半端にRwH6の大会とGH:Cのエキシビションマッチの開始時刻がズレており、そしてその「スポンサー」の機嫌を損なうことが経営上宜しくない……そんな間の悪さが連鎖してフルコンボした、と。

 

「ピンボールみてぇに不幸が連鎖しててもはや笑えるな」

「他人事なら笑えてたんだけどね……」

「というかなんで格ゲー畑のカッツォ君がFPSの選手になんかなるわけ? おかしくない?」

「あー……ちょっと昔色々あってさ、そのスポンサーの前でFPSをやったことがあってさ。はは、こう見えて格ゲーの次くらいにはFPS得意だから……」

 

……クソが。

俺は汗を垂らしながら考える。

 

「そ、そうだ、RwH6の大会をすぐに終わらせれば間に合うんじゃ……」

「確かにウチのミリタリー馬鹿どもは強いけどさ、対戦相手がドイツの「シュトゥルム・ウント・エクスプロシヴ」だから、十中八九長引くよね、っていう」

 

なるほど。

クソが。という感想しか出ないがそこに思考をかけるな。

まず考えるべきなのは……

 

「カッツォ、そのゲーム何時間かかる?」

「えっ? ルールは陣取り、合計五試合……一試合三十分だからまぁ、休憩込みで三時間は拘束される」

「ちなみにGH:Cのエキシビションマッチ開始時間は十時でRwH6世界大会の開始時間は九時だね」

 

カッツォの言葉に重ねて永遠が言う。

なるほど、一時間の遅刻……か。……いや待てよ。確か、GH:Cってフルラウンドで何分だ?

ラウンド十分でフルラウンドで戦って一試合三十分……。それを、4戦。

……うん、カッツォ間に合うな。

 

「よし、フルラウンドで戦うか」

「それしかなさそうだね……」

「だな」

「……えっ?」

 

俺の言葉に二人が反応し、カッツォは変な声を出していた。

 

「うちの大将はトイレに行ってます、とでも言っときゃいいだろ。実際丸々十分使い切る戦法ってどうすればいいかな、全力ロールプレイ?」

「向こうが乗ってくれればそれでもいいけど、キューブ確保とノックアウトのどっちつかずで三ラウンド引っ張ればなんとかなりそうかな?」

「……ちょ、お前らマジなの? 本気でそれ言ってるの!?」

 

現状に悲嘆していた二人が、現状の打開を企んでいた三人の言葉に目を見開く。

はー、何言ってんだよ。ここまで来たら、テメェだけ不参加です、とかマジでないからな。

 

「アマチュア三人を衆人環視の前に引っ張り出しておいて、自分だけバックレようなんて俺達が認めるわけないよなぁ?」

「ただでさえ「人数足りないので補欠入れました」感が酷いのにここで主役欠員とか派手に晒し者じゃん、私そーゆー目立ち方はあんまり好きじゃないかなーって」

「そもそも俺らは断ることだって出来た訳ですしぃ? ならば死なば諸共、というやつだ。テメェを仕事まみれに出来て俺ァ嬉しいぜ……!」

「この状況で俺の足を引っ張りに来る君ら一周回って尊敬するよ……じゃなくて! 流石に言ってることが無茶だってことくらい分かるよね……?」

 

確かにね。

だが、三十分×四だぜ? 一時間弱は持ち越せる。

 

「いい? 今回のエキシビションマッチは極論勝ち負けは二の次、重要なのは「いかにこのゲームが面白いか」を観客に、ネットから見ている視聴者に、後から録画を見る人に伝えることがメインなわけ」

 

ペンシルゴン先生の演説。なお、それはモデルとしてでも人としてでもなく、黒幕としての演説。

 

「だからこそこれはバトルではなくエンターテイメント…………プロローグで決着する勝利よりもエピローグまで続く山場をこそ望まれる」

 

夏目が永遠の弁舌に引き込まれるように身体を前に傾ける。

こうなってしまえば最早逃げられない、永遠という操り手に糸をくっつけられた者は逃げられず、全て操り人形として使い潰される。

 

今回ばかりは、自分で糸を張り付けさせてもらうがな。

 

「では私達の目論見と、このエキシビションマッチの目的の双方を叶えるにはどうすればよいでしょうか」

 

答えは簡単。

 

 

「私たちは最大三十分の対戦をするんじゃない、放送時間三十分のドラマ(・・・)を繰り広げるのサ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

件名: Re:何故

差出人:サンラク

宛先:モドルカッツォ

本文:わざわざ俺たちを呼ぶくらいマジなイベントなんだろ? 華を持たせてやるって言ってんだよバーカ

 

 

上手くいったら焼肉な、当然お前の奢りで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

件名: Re:何故

差出人:鉛筆戦士

宛先:モドルカッツォ

本文:シルヴィアちゃんとの対戦、カッツォ君にとっては大事な事なんでしょ? おねーさんが一肌脱いであげようってことさ

まぁ実際はコスプレ衣装を着込むんだけどね!

 

上手くいったら私お寿司食べたいなぁ、カッツォ君全持ちで

 

 

 

 

 

 

 

 

件名: Re:何故

差出人:ハジュン=ヂカラ

宛先:モドルカッツォ

本文:この大会お前にとっちゃめちゃくちゃ重要な大会ってわけだろ? リベンジ出来るしな。んなら、そりゃお前、人生の後輩を助けてあげるのも年上の役目だろ。

 

上手くいったら俺ァすき焼き食いてぇな、当然お前の奢りでな!

 

 

 

 

「……結局、宿泊込みで俺が全持ち(オゴリ)じゃん」

 

さも当たり前かのようにさらに金を使わせようとする三人からの文面に、慧は呆れと、諦めと、悲しみと……そしてそれら全てを上回る感謝の篭った苦笑を浮かべて携帯をベッドへと放り投げる。

 

モチベーションは最低レベル。

しかし、頼もしい友人達が全力で時間稼ぎをしてくれるというのならば。RwH6の世界大会なんぞ……!

 

「上等だよ、シュークリーム・カルト・エクササイズだがなんだか知らないけど、ちゃっちゃと倒して本業に戻ればいいだけってね!」

 

慧の部屋に設置されたVRシステムに急遽インストールされたソフトを起動し、慧もまた己の成すべきことのために仮想現実の世界へとダイブするのだった。

 

Q.どれにしよう?

  • ペンシルゴンとマオウガの学祭ランデブー
  • 外道共との年越し祭り in オンライン
  • if 遍葬祭ルートの妄想劇
  • 幕末正月天誅祭(ポロリもあるよ!)
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