キノの旅ーthe Another Beforeー   作:時雨 照

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好々爺の話

 キノがエアルトスと出会う数年前の冬、キノはいつものように巣篭(すご)もりをしていました。

旅人は冬になると道も悪く、動物を狩ることもできないので適当な国で巣篭もりをするのです。

今回も例に漏れず、キノは巣篭もり前に買いためたパンパンの資材を持って、仕事とエルメスのおしゃべり相手をしながら自然の厳しい冬を越すために生活します。

そんな、今回のキノの巣篭もり先に選ばれた国にはこんな伝説がありました──

 昔、二つの国がありました。片方はこの国。もう片方は、今は滅んでしまった近隣の国です。

当時、その二つの国は戦争をしていました。その戦争は数年続き、後になると国民もすっかり疲弊(ひへい)していました。

開戦から数年経った冬、ついにしびれを切らした両国民は、二十四日に合わせて"もういい加減にやめてくれ"という(むね)の大量の手紙を一斉に送りました。

政府は当時、検閲をしていたので同じ、反戦の内容の手紙が大量に送られていることに大層驚き、すぐに大統領へ報告しました。

すると、今までずっとムズカシイ顔をしていた二人の大統領は、何やら驚いた後、憑き物(つきもの)が落ちたような表情になりました。

そんなことがあった翌日、前線でも銃撃音は聞こえず、鳥のさえずりと風の歌だけが聞こえていました。国民はたいへん喜び、終戦記念日を祝いました。

この出来事があった、二十四日の夜にはみんな口を揃えて赤い服を着た、二人の好々爺(こうこうや)をみたというので、その好々爺たちは『聖なる衣』という意味で、サンタクロースと名付けられました。

こうして、二十四日とその翌日は祝われるようになりました。」

 しかし、他の国ではこの伝説は忘れ去られ、二十四日と二十五日を祝うことだけが独り歩きをするようになりました。

 この伝説を聞き、エルメスは

「この二人の好々爺って、大……」

と言いかけますが、

「サンタさんはいるんだよ」

と、キノにさと諭されました。

そして、代わりにキノは言います。

「そして、きっと平和をみんなにプレゼントしてくれたんだよ」

 

 

時雨照です!

今回は文字数稼ぎのためにここで後書きを書かせていただきます。

今回、クリスマスということで、クリスマスを題材にした話を書いてみました。

さて、この話によく出てくる"好々爺"という単語ですが、「こうこうや」と読み、おじいさんという意味があります。

その正体を本文中でエルメスが言いかけてましたが…実際どうなんでしょうねぇ?

さて、ここまで読んでいただきありがとうございます!

無事に文字数稼ぎもできたのでここら辺で書き終えたいと思います。

時雨照の作品を今後ともよろしくお願いします!

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