キノの旅ーthe Another Beforeー   作:時雨 照

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キノの旅−the Another Before− II
乗り物の国


キノという20代(だい)前半(ぜんはん)の男(おとこ)がいました。その男(おとこ)は歩(ある)いて城門(じょうもん)に辿(たど)り着(つ)きました。その後(ご)国(くに)に入(はい)った男(おとこ)は、モトラド(二輪車(にりんしゃ)の事(こと)。空(そら)を飛(と)ばない物(もの)を指(さ)す。)や、バイクを売(う)っている店(みせ)に辿(たど)り着(つ)きました。

キノが店内(てんない)に入(はい)ると、店主(てんしゅ)がキノに声(こえ)をかけました。

「やあ、いらっしゃい。旅(たび)の人(ひと)かね?うちは旅(たび)向(む)きのも揃(そろ)えてるよ!」

「そのとおりです。旅(たび)に乗(の)り物(もの)があったら便利(べんり)だと思(おも)いまして。」

「それなら是非(ぜひ)もらってほしいのがあってね…」

そういうと、店主(てんしゅ)は店(みせ)の奥(おく)にすっこんで、しばらくすると一台(いちだい)のモトラドを連(つ)れて戻(もど)ってきました。

「いきなりなんだってんだ、会(あ)わせたい人(ひと)がいるって」

そのモトラドが言(い)いました。

「どうだい、このモトラド。こいつはバイクでもないから空(そら)も飛(と)ばないし、喋(しゃべ)ったと思(おも)ったら生意気(なまいき)な口(くち)を叩(たた)きやがる。だから、そろそろ手放(てばな)そうと思(おも)ってたんだ。」

「非道(ひど)いなあ」

キノが名前(なまえ)はなんと言(い)うのかというと、モトラドは数秒黙(すうびょうだま)りこくってしばらくしたのち、ぼそっとエルメスと呟(つぶや)きました。

「そうか、エルメスよろしくね。」

すると、えっ?とエルメスが驚(おどろ)いたように言(い)いました。その直前(ちょくぜん)、エルメスは以前自分(いぜんじぶん)の上(うえ)にいた大切な人(エルメス)を思(おも)い出(だ)していました。

「まあ、いいか」エルメス(モトラド)が言(い)いました。

「毎度(まいど)あり、コイツをもらってくれてありがとな」

「いえ、自分(じぶん)にも必要(ひつよう)なものだったので。」

「ねえ、僕(ぼく)を話(はなし)からつまみださないでよ。僕(ぼく)のモトラド権(けん)はどうなっちゃうのさ。だいたい、僕(ぼく)がこのキノとやらについていってなんのメリットがあるの?」

「じゃあ、こうしよう。エルメス、君(きみ)は走(はし)るのが好(す)きかい?」キノの問(と)いかけに対(たい)してエルメスはもちろんさと返(かえ)しました。

「エルメスがいれば僕(ぼく)は早(はや)く移動(いどう)できる。君(きみ)は、僕(ぼく)がいれば僕(ぼく)がバランスを取(と)って走(はし)れる。走(はし)ることを楽(たの)しむことができる。それでどうだい?」

「…その話(はなし)、乗(の)った。モトラドだけにね。」

「契約成立(けいやくせいりつ)だね。」

 こうして、キノはモトラドのエルメスと共(とも)に旅(たび)をすることになったのでした。




今回から話にルビを振って見ましたが、どうでしょうか。読みやすいでしょうか。一部特殊なルビもあります。とりあえずお試しということで、次話からまたルビ無しに戻ります。特殊なルビや、難しい漢字の時は振るでしょうけど。

『乗り物の国』では全ての漢字にルビを振りましたが、継続して欲しいですか?

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