キノという20代前半の男がいました。その男は歩いて城門に辿り着きました。その後国に入った男は、モトラド(二輪車の事。空を飛ばない物を指す。)や、バイクを売っている店に辿り着きました。
キノが店内に入ると、店主がキノに声をかけました。
「やあ、いらっしゃい。旅の人かね?うちは旅向きのも揃えてるよ!」
「そのとおりです。旅に乗り物があったら便利だと思いまして。」
「それなら是非もらってほしいのがあってね…」
そういうと、店主は店の奥にすっこんで、しばらくすると一台のモトラドを連れて戻ってきました。
「いきなりなんだってんだ、会わせたい人がいるって」
そのモトラドが言いました。
「どうだい、このモトラド。こいつはバイクでもないから空も飛ばないし、喋ったと思ったら生意気な口を叩きやがる。だから、そろそろ手放そうと思ってたんだ。」
「非道いなあ」
キノが名前はなんと言うのかというと、モトラドは数秒黙りこくってしばらくしたのち、ぼそっとエルメスと呟きました。
「そうか、エルメスよろしくね。」
すると、えっ?とエルメスが驚いたように言いました。その直前、エルメスは以前自分の上にいた大切な人を思い出していました。
「まあ、いいか」エルメスが言いました。
「毎度あり、コイツをもらってくれてありがとな」
「いえ、自分にも必要なものだったので。」
「ねえ、僕を話からつまみださないでよ。僕のモトラド権はどうなっちゃうのさ。だいたい、僕がこのキノとやらについていってなんのメリットがあるの?」
「じゃあ、こうしよう。エルメス、君は走るのが好きかい?」キノの問いかけに対してエルメスはもちろんさと返しました。
「エルメスがいれば僕は早く移動できる。君は、僕がいれば僕がバランスを取って走れる。走ることを楽しむことができる。それでどうだい?」
「…その話、乗った。モトラドだけにね。」
「契約成立だね。」
こうして、キノはモトラドのエルメスと共に旅をすることになったのでした。