ジオン兵に転生するって知ってたら、もっと真面目にガンダム見てたのに!   作:じおじお

6 / 89
そして、物語は地球へ……

 ルウムでの戦いは、ジオン軍の大勝利に終わった。

 連邦軍の指揮官であるレビル将軍も捕捉し、捕虜としたジオン軍は、既に浮かれっぱなしの戦勝ムードに突入している。

 

 これから双方の代表者による会談が行われ、ジオン側はそこで休戦条約を結ぶつもりだ。

 ブリティッシュ作戦とルウム戦役における大戦果を盾に、自分たちに有利な条約を結んで戦争を終わらせようとしているのだろうが……ここで戦争が終わらないことを、僕は知っている。

 

 この戦いはこれからも続く。あと十一カ月以上、一年に渡って続く長く苦しい戦いは、これから始まる。

 僕の戦いもここからが本番だと……そう思いながら息を吐いた僕へと、マイ技術中尉が声をかけてきた。

 

「レオンハート二等兵……本隊への復帰命令が出たそうだね」

 

「はい。技術中尉殿たち『第603技術試験隊』の皆さんには、本当にお世話になりました」

 

「それはこっちの台詞だ。君のおかげでヨルムンガンドを無事に輸送できたし、僕もルウムで死なずに済んだ。いくら感謝しても足りないくらいだ」

 

 ルウム戦役が終わり、重要作戦遂行中の緊張状態が解除されたおかげで、キシリア閣下から僕に対して本来の部隊である特別競合部隊に復帰するよう命令が出た。

 当然ながら、僕はヨーツンヘイムから出ることになる。『第603技術試験隊』のみんなともう少し一緒にいたい気持ちはあったが、上からの命令とあれば元の部隊に戻るしかない。

 

「……寂しくなるな。ただ、この部隊では君の実力や才能を発揮し切れないだろう。キシリア閣下のご命令は正しい」

 

 マイ技術中尉の言う通りだ。この部隊には、普通のMSが届けられることは極めて少ない。

 ヨルムンガンドやらヒルドルブやらビグ・ラングやら、一癖どころか十癖くらいある兵器の方が多いくらいだ。

 

 流石の僕もそれらを乗りこなせる自信はない。正直に言えば恐ろしいが……特別競合部隊に復帰し、前線で戦う方が性に合っているのだろう。

 

「マイ技術中尉……あなたやこの部隊の皆さんには、多くのことを教えてもらいました。本当に、感謝しています」

 

 結果だけではなく、過程の中にも重要なものがある。彼のその言葉とヘンメ大尉の最期は、僕の心に深く刻み込まれた。

 やっぱり僕は死にたくない。そして、周囲の人たちにも死んでほしくない。出会って一週間程度しか経っていなかったヘンメ大尉にも、僕は生きてもらいたかった。

 

 これからは自分だけでなく、みんなを死なせないために戦おう。

 死んでいった人たちのことを思いながら、感謝の気持ちを込めてマイ技術中尉に敬礼する僕へと、彼も敬礼を返す。

 

「せめてもの感謝というわけではないが、君が乗っていたザクⅠはこちらで整備させてもらった。それと、君の戦功もキシリア様に報告済みだ。サラミス級二隻に戦闘機が四機……初陣とは思えない大活躍をした君には、キシリア様もきっと相応の待遇をしてくれるだろう」

 

「ありがとうございます、技術中尉」

 

「報告をしたのは僕じゃない。キャデラック特務大尉だ。彼女は君の腕前を高く評価している。そして、僕と同じく君に感謝しているよ」

 

 あの特務大尉がわざわざ僕のために……と思いながら、改めて敬礼の姿勢を取る。

 

 まだ暫くはパプアの忘れ形見であるこの旧ザクの世話になるだろうが……もしかしたら、キシリア閣下が新型のザクを届けてくれるかもしれない。

 その時はまず、『第603技術試験隊』のみんなに運用試験をしてもらった後で届けてもらいたいなと思いながら、僕はマイ技術中尉に別れの挨拶をした。

 

「……どうかご無事で。またどこかでお会いできると、そう信じています」

 

「ああ、君の方こそ危険な前線に駆り出されるだろうが、命を大切にな。パプアのみんなも、ヘンメ大尉も、僕も……君に生きてほしいと、そう願っている」

 

 ……僕は知っている。マイ技術中尉含む『第603技術試験隊』のみんなは、厳しい戦いに何度も直面するが、最後まで生き残るということを。

 逆に、僕の方が危ないくらいだと心の中で思いながら、彼らが死なないことを知っているおかげで明るい気持ちで別れの挨拶をすることができた。

 

 もしかしたら、今までで一番前世の知識が役に立っているかもしれない。

 これが最後の別れになるわけじゃないと……そう自然に思いながら、僕はヨーツンヘイムを後にするのであった。

 

 

 

 

 

 宇宙世紀0079年1月31日……捕虜になっていたレビル将軍がジオン本国を脱出、休戦条約に調印しようとしていたところに待ったをかけ、地球連邦とジオンの戦争は継続することになった。

 休戦条約の調印に失敗したジオン側は地球侵攻作戦を発令。これにより、戦場は宇宙から地球へと移っていく。

 

 部隊に合流した僕もまた、仲間たちと共に知っているようで知らないこの世界の地球へと足を踏み入れることになる。

 長く続く重力戦線の始まり、もう一つの特別競合部隊(マルコシアス)との邂逅は、もうすぐそこにまで迫っていた。




毎日投稿はここまでです。
こんな感じで、オリ主とオリキャラの部隊が色んなガンダム作品のキャラと出会ったり、戦いに参加する感じで書いていく予定です。

次回は第二次降下作戦のキャリフォルニア・ベース攻略戦を書けたらなと思っております。

面白かったら感想を聞かせていただけると嬉しいです。

何時に投稿してもらいたい?

  • 深夜(0時過ぎ)
  • 朝(7時とか8時)
  • 昼(12時頃)
  • 夕方(18時ごろ)
  • 夜(20時ごろ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。