本作においては、『仮面ライダー響鬼』の物語を中心にし、『薬屋のひとりごと』の猫猫がとある謎を追い、『西遊記』に出てくる孫悟空を思わせる主人公である猴鬼の旅となっていきます。
響鬼のオリジナルライダーを作るのに悩んだ際に、偶然再放送されていた西遊記のドラマを見た際に、如意棒のような武器で戦う鬼がいたら面白そうという考えで、書かせて貰いました。
活動報告での募集は、後日行う予定となっています。
これから、よろしくお願いします。
人生は、何時、どこで変わるか分からない。
猫猫もまた、幼少の時に偶然拾った物をきっかけに人生が大きく変わった。
中国出身である彼女は、その時、家族に連れられて、日本へと旅行していた。
日本の観光名所に夢中になっている両親を余所に、猫猫は退屈していた。
「・・・なんだこれ?」
それは、山の中で偶然拾った物。
黒いトゲのある何か。
その季節ではあり得ない実であった。
猫猫は、それになぜか興味を抱いた。
「調べてみたい」
猫猫にとって、人生を変えたきっかけでもあった。
彼女は、その後、すぐに中国へと帰った後、それが何なのか、調べ始めた。
当時の彼女はまだ小学生であり、専門知識などない。
けれど。
「これも違う、けど、面白いな」
その黒いトゲの何かを調べている内に、彼女の興味は、毒へと移った。
その好奇心は異常であり、幼少の頃から多くの事を調べ続けた結果。
彼女の知識量は大人顔負けとなった。
そんな彼女が大人になったとしても、未だにそれが何なのか、正体は分からなかった。
「本当に、これは何だ」
そして、17の時。
彼女は。
「ようやく、調べる事が出来る」
日本へ留学する事にした。
元々、優等生であり問題児として名が通っていた彼女は、日本へと留学した。
その目的は、勿論、その謎の黒いトゲの何かを探る為に。
「まずは、これがあった所を探ろうか」
あれから、時が経っている。
故に、その時と環境は大きく変わっているかもしれない。
それでも、何か手掛かりがあれば。
そう考えて、彼女は山の中に入った。
あの時は両親が近くにいたが、今はいない。
周囲の環境の違いがあるだろう。
そう、考えている時。
「声?」
山で聞こえたのは、何かが響き渡る。
『『声』』
猫猫の声に反応するように、響き渡る。
それに不気味さを感じる。
『『おやおや、こんな所に可愛らしいお嬢さんがいるねぇ』』
まるで重なるように聞こえる声。
猫猫が、見上げると、そこには木の上で、こちらを見下ろしている男女。
その格好は、現代では見かけない格好。
それを見て、猫猫は、本能的な恐怖を悟った。
「っ」
猫猫は、すぐに走り出した。
この場にいたら、殺される。
だが。
「えっ?!」『どこに行くんだい?』『酷いじゃないか』
猫猫を逃がさないように。
まるで、挟み込むような形で、彼らは既に降り立っていた。
明らかに人間ではない動き。
猫猫は、思わず周囲を見る。
これまで、『なぜ』というのは、猫猫にとっては良い意味が多かった。
しかし、彼女の中にある今の『なぜ』は、ここで殺されるかもしれない。
そんな恐怖であった。
しかし。
「ウキィィィ!」『『っ!?』』
聞こえた怒声。
同時に、彼らは、その場を離れた。
そして、猫猫の目の前に、何かが突き刺さった。
「今度は何!?」
思わず叫び、見つめた先には、棒。
人、一人、簡単に貫けそうな大きさの棒が一本あった。
その棒を前に、一人の男が降り立った。
「全く、ガキがこんな所で、一人でいるんじゃねぇよ」
そう、荒い声を出しながら、猫猫に文句を言う人物。
先程までの男女に比べたら、感情を剥き出しにしている。
人間らしい男と会えて、安堵しながらも。
「それよりもあなたは一体」
「あぁ、色々と知りたいようだけどなぁ、悪いが今はこっちの仕事が先だ」
「仕事?」
その声と共に、見ると男女の姿は変わっていた。
そこにいるのはニホンサルを思わせる怪物へと変わっていた。
一瞬で変わった事に、猫猫は驚きながらも。
「妖怪退治の仕事だよ」
そう、男は、その腰にある物を取り出す。
それが何か、気になりながらも、男は、自分の手に一瞬当てる。
「えっ」
聞こえたのは、音。
けれど、その音は、先程のような恐怖の音ではない。
何か気になる最中で、男の身体には変化する。
男の身体は、一瞬で黄金の炎が身に纏う。
なぜ、炎が。
疑問に思った猫猫だが、そうしている間にも全身に身に纏った男の身体は変化する。
「えっ」
先程の男が身に纏っていた衣服は燃え、散っていく。
代わりに、男の身体は徐々に変化していく。
先程よりも筋肉質に。
頭には鬼を思わせる二本角。
そして、尻からは、まるで猿の尻尾のように。
身体の変化を終えた男は、近くにある棒を手に取り、その場で舞う。
舞って、炎を散らすと共に、その姿を露わにする。
「えっ」
見つめた先に立っていたのは、男女と変化したのと似た猿。
妖怪である猿という事で、似ている部分はあったが、違う部分は確かにあった。
その姿に、猫猫にとって、見覚えがあった。
「孫悟空」
それは、中国の古典小説に出てくる世界でも有名な妖怪。
その手には如意棒に似た棒を操り。
まるで猿を思わせる容姿。
それらが合わさり、先程まで猫猫を襲おうとした猿の妖怪とは、あまりにも印象が違っていた。
そして、彼は、その場で、構える。
「よぉーく、聞けぇ~‼俺様の名前は猴鬼!!てめぇらをこれからぶっ倒す鬼の名前だぁ!!」
「鬼?」「けれど、馬鹿だ」
「馬鹿馬鹿うるせぇんだよ!覚悟しやがれ!!」
そのやり取りを終えた後、彼、猴鬼は、眼前にいる妖怪へと戦いを挑む。
この出会いこそが。
猫猫にとっての、人生を変える出会いでもあった。