立花からの連絡を受けると共に、俺はすぐに現場へと向かっていた。
本来だったら猫猫は置いていく予定であったが、その魔化魍がどのような存在なのか興味を持っていたのか、ついて行く事になった。
「それにしても、蛇の魔化魍か」
「そんなに珍しいのか、蛇は?」
俺がぼそりと呟いた猫猫は、そんな一言に対して疑問をぶつける。
「魔化魍というのは、その多くが日本における妖怪がモチーフになっているのは知っていると思うが、その中で蛇の魔化魍ってのは、あまり聴いた事がないからな」
「だから、月鬼も困惑していたのか」
こちらに向かう前に月鬼もまた、蛇の魔化魍が出た事に対して、疑問の色を出していた。
「だからこそ、現地にいる鬼と協力して色々と調べたい所だけど、果たして情報を手に入れる事が出来るのか」
「そう考えてみると、蛇には毒があるからな」
そう言いながら猫猫の横顔を見ていたが、笑みを浮かべていた。
表情は、マッドサイエンティストを思わせる顔をしていた。
「猫猫、まさかお前、それが目的でついてきたのか」
「ばれてしまったか」
悪びれた様子も無く、あっさりと言う。むしろ楽しげであった。
ただその笑い方が何か企んでいるようなものではなかったので、あえて指摘はしない。
それに俺はある事を思い出したので、そのまま告げる。
「はぁ、とにかく、危険な時にはこれを使えよ」
と、懐にある物を出した。
「これって、確か猴鬼が使っていたディスクアニマルだったか?」
「あぁ、一応はな」
「けど、これは他の鬼達が使っていた奴とは違うように見えるが」
「師匠の遺品だよ」
それと共に、俺はバイクで目的地まで辿り着く。
「さて、ここに蛇の魔化魍が出た場所か」
そこは人気のない林の中へと、入っていた。
「でも、ここで待っていても仕方ない。とりあえず奥へ……」
奥へ行こうと思った時だ。木々の向こうから、妙な音が聞こえてくる。そして、地面を突き上げるかのような衝撃音が起きた。
「なんだ、この音は!」
「分からないけれど……」
猫猫が嫌そうな顔をしながら見ている方向。
そこには林を薙ぎ払いながら、真っ直ぐとこちらに向かってくるものが見えた。
それを見ると共に、俺はすぐに変身音叉を取り出して、そのまま変身する。
同時に、すぐに茜鷹を起動させる。
それと共に茜鷹は、他のディスクアニマルとは異なり、巨大化すると共にバイクと猫猫を乗せて飛ぶ。
そう、俺がゆっくりと構えていると、飛びだしてきたのは蛇。
だが。
「どうなっているんだ、こいつは」
そう、襲い掛かってきた蛇の魔化魍は、奇妙だ。
胴体は確かに蛇の魔化魍である事は分かるが、その身体は童子と姫と似たような感じに見える。
「蛇女かよ、たくっ」
そうしていると、奇声をあげながら、俺に襲い掛かる。
俺はその攻撃に対して、その手にある如意で受け流し、すかさず蹴りを叩き込む。
相手は鱗こそ硬いものの、防御力が高い訳ではないらしく、ダメージはあるようだ。
しかし、蛇のような身軽な動きで回避し、林の中に隠れる。
「どこに」
そう構えていると。
「警戒しろ!」
「んっ」
それと共に、こちらに接近する影。
背中には翼を生えているが、魔化魍ではない。
「お前は」「救援を要請した翼鬼」
俺の問いかけに対して、すぐに答えながら、構える。
「こいつは、一体」
「分からん、けど、対処しないと」
その言葉に対して頷きながら、周囲を見る。
林の中に潜んでいる蛇の魔化魍に警戒しながら構える。