「それで、その共食いの魔化魍は一体」
「そうですね。事の始まりを話しますね」
それと共に、今回の共食いの魔化魍の1件の始まりを、威吹鬼が語り始める。
威吹鬼が、武者童子と鎧姫と呼ばれる魔化魍と戦っていた。
武者童子と鎧姫は岩のような鎧を身に纏っていた。その鎧は、まるで大地が直接彼らを守っているかのように強固で、鬼たちの攻撃を全て無力化していた。
しかし、そんな武者童子が突然暴走。力の制御を失い、その姿は見る見るうちに変異し、誕生したのが、共食いの乱れ童子。その変貌は、まるで自然災害のように圧倒的で、一度その姿を目にすれば誰もが恐怖を感じずにはいられない。
「これまで見た事のない童子という事か」
「そうだね、鎧のように身に纏ったのもそうだけど、そこから暴走した奴なんて。見たこともないからね」
「そういう事、それで人間は襲わずに魔化魍だけを食べている訳」
「んっ、それだったら、別に放っておいても良いんじゃない?だって、わざわざ魔化魍を減らしてくれるんだったら」
その共食いの魔化魍に関して、猫猫は冷静に分析しながら意見を述べる。彼女は、その存在が人間にとってメリットがあると判断したのだ。
「確かに人は喰わない。けれど、それは人を襲わないという訳じゃない」
威吹鬼は眉をひそめながら答える。その言葉には、これまで多くの戦いで培われた経験と直感が込められている。
「それに、今は暴走状態だけど、どんな風に変わるか分からない。だからこそ、今のうちに倒さないと」
彼の声には焦りと決意が混じっていた。その童子が更なる進化や変貌を遂げた場合、人間社会への脅威が増す可能性を考慮していたからだ。
「・・・それに、もしかしたら最大のヒントになるかもしれない」
これまで見た事のない共食いをする童子。その存在は、猫猫が持つ謎の薬の正体解明への手がかりとなるかもしれない。彼女はその可能性を信じ、決意を新たにする。
「どちらにしても、戦う事に変わりないな」
彼女の言葉には揺るぎない決意が宿っていた。
「さて、共食いの童子だけど、奴が暴走する前はウブメの童子と姫だった。
だからこそ、空を飛ぶ事が出来る。だけど、威吹鬼が片翼を破壊した事で、能力を半減させる事も出来たけど」
「けど?」
「体内に埋め込んだ鬼石を体外に排出する」
「それじゃ、威吹鬼の攻撃はあまり効かない可能性がある」
そう会話していく間にも、共食いの童子の特性。
それは知れば知る程、これまでの魔化魍とあまりにも違い過ぎた。
「まっ、とりあえずはこの三人で戦って、勝ってみせますか」
それと共に俺達は共食いの童子の元へと向かう。