ユキニュウドウが雪山の中で周囲を見つめていた。その大きな白い体は雪の中でまるで一部に溶け込むかのように静かに佇んでいた。一本の脚を持つその姿は、ゾウを思わせるユキニュウドウの動きは緩慢だったが、その視線には鋭さが感じられた。周囲を探るように首を動かし、何か異変がないかを確認しているようだった。
猴鬼と猫猫の二人は、雪に覆われた岩陰に身を潜めながら、その様子を観察していた。猫猫は身を低くして息を潜め、その場に留まるように手で猴鬼に合図を送った。猴鬼もまた、その指示に従い、静かに息を整えながらユキニュウドウの動きを見つめていた。
「さて、どうするか」
猫猫が小さな声で呟いた。その声はほとんど聞こえないほどだったが、猴鬼には伝わっていた。二人は息を殺してユキニュウドウの行動を注視し続けた。この状況を打破するための作戦を練る時間が必要だった。その時、ユキニュウドウが何かに気付いたように動きを止めた。
すると、ユキニュウドウは何かを感知した様子を見せる。その瞳が突然鋭くなり、何かが近づいていることに気付いたようだ。
「あれって、もしかして」
猫猫が小さな声で囁いた。猴鬼も息を潜め、その方向へ視線を向けた。
「この青森担当の鬼か?」
ユキニュウドウの視線が動きを止めた。その瞬間、雪の向こうから人影が現れた。
その正体は鬼。白い肌の鬼が雪の中から現れた。
その身体は雪山と同じ白い肌の鬼。その動きは驚くほど静かで、まるで雪と一体化しているかのようだった。両手には、小型の音撃管を二丁拳銃のように持っていた。
その鬼は、両手に持った音撃管を素早く操作し、次々と弾丸を放った。音撃管の発射音が森の中に響き渡り、ユキニュウドウの身体に弾丸が当たった。しかし、ユキニュウドウの頑丈な体毛と厚い皮膚はその攻撃をほとんど受け付けなかった。鬼は再び攻撃を試みるが、ユキニュウドウはそのゾウのような鼻を巧みに操り、鬼に強烈な一撃を与えた。
鬼は吹き飛ばされ、雪の中を転がりながら近くの木に激しくぶつかった。「くっ」と短く呻き声をあげる。
木に叩きつけられ、鬼はそのまま地面に倒れこんだ。このままでは命の危険が迫っていることを直感的に理解した。ユキニュウドウは再び攻撃を仕掛けようとしている。その様子を見て、猫猫は心配そうに叫んだ。
「猫猫、隠れておけよ!」
猫猫の呼びかけに、俺は即座に反応した。ユキニュウドウが次の一撃を仕掛ける前に飛び出し、その巨大な体の前へと躍り出た。「あっ猴鬼!」猫猫の驚きの声が背後から聞こえた。
俺は素早く如意を構え、ユキニュウドウに向かって突進した。
「えっ、あなたは」「とにかく、逃げるぞ!」
それと共に、俺は、その鬼を連れて、逃げる。