ユキニュウドウの眼に埋め込まれた鬼石。
その鬼石に重ねるように音撃鼓に向けて、その手に持った如意を構える。
「音撃打・夢幻の型!」
俺は、音撃鼓に向けて、如意を叩く。如意から放たれる衝撃波が鬼石を震わせ、響き渡る音が森全体に広がる。その音はまるで雷鳴のように轟き、ユキニュウドウの体内で激しく共鳴する。
「ガアアァァ!!」
ユキニュウドウは苦悶の声を上げ、その巨体を震わせる。その咆哮は大地を揺るがし、周囲の雪が舞い上がる。
しかし、俺はその場から離れることなく、さらに強く如意を叩き続ける。その音は一瞬にしてユキニュウドウの内部に浸透し、その体を内側から破壊していく。
それに合わせて、深雪鬼はゆっくりと息を吸う。
その息を音撃管・雪風に吹き込む。
吹き込む息には深雪鬼の思いが込められていた。それは復讐心であり、同時にユキニュウドウを倒すという決意でもあった。
音撃管・雪風が深雪鬼の息を吸い込むと同時に、鬼石が共鳴を始める。
鬼石は深雪鬼の音色に合わせて、光り輝く。その光は美しく、まるで雪のように白く輝いていた。
その輝きはユキニュウドウの体内に浸透し、その体を震わせる。鬼石の共鳴はユキニュウドウの心臓を震わせ、その鼓動を狂わせる。
その共鳴は徐々に強くなり、ユキニュウドウの体に大きなダメージを与えていく。
ユキニュウドウはその共鳴に耐えられず、その場に崩れ落ちる。その巨体は地面に倒れ込み、その衝撃で周囲の雪が舞い上がる。
森の中に響き渡る爆音。
その音と共に、ユキニュウドウの体は崩壊し、周囲に雪と氷の破片が飛び散る。
俺と深雪鬼はその爆風に吹き飛ばされそうになるが、お互いに支え合いながらその場に留まった。
ユキニュウドウが倒れた場所には、巨大な穴が開いており、その周囲にはまだ煙が立ち上っていた。
「やったな」
俺は深雪鬼に微笑みかける。
深雪鬼もまた、その表情には安堵の色が浮かんでいた。
「うん……」
深雪鬼は小さく頷く。
その声には、疲労と達成感が入り混じっていた。
「これで、友人の仇を討つことができた……」
深雪鬼は呟く。
その瞳には涙が浮かんでいたが、それは悲しみではなく、喜びの涙だった。
深雪鬼の友人は、ユキニュウドウに殺された。その悲しみと怒りは、深雪鬼の心に深く刻まれていた。
「それにしても、ユキニュウドウ。こいつは本来、ここまでの強さじゃないはず」
ユキニュウドウに関しては、俺も何度か戦った事がある。
だからこそ、これは異常な個体である事は理解した。