九尾の1件も無事に解決した頃。
一旦、俺達は東京へと戻ってきた。
東京での猫猫の住居に関しては、どうやら立花の方で用意した場所があった。
何かあっても大丈夫なように俺の部屋の隣で、さらには立花からそう遠くないマンションだ。
そんな俺の元には、響鬼さんから連絡が来ていた。
「もしもし、どうしたんですか、響鬼さん?」
『あぁ、猴鬼か?そろそろ、あの季節だからよ、お前も来れないかと思ってな』
「あの季節?あぁ」
突然の連絡と共に疑問に思いながら、俺は近くのカレンダーを確認する。
既に夏の季節に入りそうな日付となっており、それと共に理解した。
「・・・あぁ、またあの面倒な奴らが出てくるですね」
『そういう事。だから、お前も鍛え直さないといけないだろ?』
「まぁ、はい、了解しました」
俺はそれだけ言い、電話を切る。
すると、先程まで机の前でうねり声を出している猫猫に目を向ける。
「・・・レポートは終わらないのか」
「・・・というよりも、今まで散々あっちこっち行っていたから」
そうしながら、猫猫は呟く。
元々、留学という形でこちらに来ていた猫猫だが、大学に提出するレポートも行わなければならない。
「というよりも、さっきの話って何なの?」
「毎年の号令行事みたいなもんだよ」
「号令行事?」
猫猫は気になったのか、俺に問いかけてきた。
「夏にしか発生しない魔化魍がいるんだ。毎年各地で現れて、そいつらは数がかなり多いんだ」
「夏の号令行事みたいな物なのか」
「あぁ、だからそれに備えて、毎年俺と響鬼さんは一緒に鍛錬しているんだ」
「鍛錬?」
それに対して興味を持ったのか、猫猫が尋ねてくる。
「まぁ、極限までに鍛えた結果でなれる姿があるんだ。普段は体力を抑える為にやっていたけど、夏の魔化魍相手にはその姿が適切だからな」
「・・・そうなんだ」
そうしながらも、猫猫は気になった様子だが。
「いや、連れて行かないぞ。というよりも、お前はレポートがあるだろ」
「えぇ」
「第一、今回の魔化魍に関してはお前が気になる要素はまるでないんだから、学業を優先しておけ」
「・・・はぁ」
溜息を吐きながらも、それと共に猫猫は頷く。
それを見てから、俺は外に出る。
「それじゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
猫猫の言葉に見送られながら、俺は夏の魔化魍に備えて特訓の地へと向かおうとした。
「あっそうだ」
すると、猫猫は。
「お土産、よろしく」
「・・・分かったよ」
その言葉に応じながらも、俺は特訓の地へと向かう事になった。