「猴鬼さんは、その、こんな特訓をずっと行っていたんですか?」
「あぁ、そうだよ。でも、そのおかげで強くなれたんだ」
俺は微笑みながら答えた。
轟鬼は驚いた表情で俺を見つめていた。
「けれど、猴鬼さんの師匠って、一体何者なんですか?」
「師匠? 俺の師匠は……」
俺は一瞬躊躇しながらも、話を続けた。
「俺の師匠は、ちょっと特別な人なんだ。彼は鬼の技術だけでなく、色々な知識や智慧も教えてくれた。そのおかげで、俺も成長することができたんだ」
轟鬼は興味津々で俺の話を聞いていた。
「すごいですね。どんな修行をしたんですか?」
「色々な修行をしたよ。例えば、極寒の山中での修行や、灼熱の砂漠での修行。それに加えて、鬼の技を磨くための修行もたくさんしたんだ」
俺は過去の修行を思い出しながら語った。
轟鬼は真剣な表情で聞いていた。
「本当にすごいですね」
「俺もあんまり聞いた事ないけどな」
「……まぁ、もう死んでしまったけど」
それと共に、俺は山の中で出会った師匠の事を思い出す。
山の中で出会った時代錯誤な和服を身に纏った男であった。
未だに幼い子供であった俺に対して、師匠は。
『……昔はともかく、今の時代は鬼も人も手を結んでいる。子供を守る為にやっている。だったら、俺が出来る事で償いをするか』
そう言った師匠は、俺に鬼の技術や智慧を教えてくれた。
俺が特訓を始めた当初は、過酷な特訓に耐えられず何度も挫折しそうになった。
しかし、師匠は常に俺を励まし続けた。
『諦めるな。君には潜在能力がある。それを信じて進め』
その言葉が俺の心を支えてくれた。俺は師匠の指導のもと、少しずつ成長していった。
修行の日々は過酷だったが、同時に充実感も得られるものだった。朝早くから夜遅くまで続くトレーニングは、俺の肉体と精神を鍛え上げていった。時には泣きそうになることもあったが、その度に師匠の言葉を思い出して立ち直ることができた。
「師匠の名前は聞いたのか?」
「……確か、名前は」
俺は、ゆっくりと思い出すように呟く。
「歌舞鬼だったな」
「歌舞鬼? 聞いた事のない名前だな」
「あぁ、俺もたちばなで聞いたけど、そんな鬼はいないって言われたからな。だが、こうして俺が鬼になれたのは師匠のおかげだし、その証拠のディスクアニマルもある。ならば」
俺は、そのまま轟鬼を見つめる。
「お前も、お前の師匠に恥じない戦いをしなきゃな」
その一言を聞くと、轟鬼は頷く。
「はいっ!」
それと共に、夏の戦いの狼煙があがる。