特訓を終えた俺達は、目的地へと向かっていた。
田舎にある田んぼへと到着すると、そこには風情のある景色が広がっていた。
田んぼの中には水が張られ、その水面が陽光を反射してキラキラと輝いていた。田んぼの周囲には青々とした稲が生い茂り、その風景はまるで一幅の絵画のように美しいものだった。風が吹くと、稲が揺れ動き、その音が耳に心地よく響いた。
しかし、その風情ある景色の中には不気味なものが潜んでいた。
「・・・来るぞ」
響鬼さんの言葉と共に、地面から異形の存在が這い出てきた。
泥から、始めに出たのは、腕。
その腕は黒く染まっており、まるで血が流れているかのようだった。その腕が泥の中からゆっくりと持ち上がると、次に現れたのは頭部だった。頭部は泥で覆われており、その顔は見えないが、その不気味な雰囲気は全身から漂っていた。
その存在が泥の中から完全に姿を現した。
その体は泥で覆われていた。
「ドロタボウだ」
響鬼さんが呟いた。
そして、その言葉が合図になったように、次々とドロタボウ達が泥の中から這い出てきた。
彼らの動きは非常に緩慢だったが、その不気味さは次第に増していく。彼らが近づいてくるにつれて、地面が揺れ始めた。その揺れは徐々に大きくなり、まるで地震のような振動が田んぼ全体を揺らしていた。
そしてドロタボウ達が完全に姿を現した。
その数は数十体以上にも及び、彼らの体は泥で覆われており、その姿はまるで悪夢のようだった。
「・・・思った以上に、数が多いな」
それに対して、響鬼さんは変わらないように呟く。
「まぁ、この為に特訓はしていましたからね」
その呟きと共に、威吹鬼もまた準備体操を行っていた。
その横には、特訓で多少自信がついた轟鬼もまた構えていた。
「それじゃ、やりますか」
響鬼さんの、その一言を合図に、各々が鬼へと変わる為の導具を手に取り、構える。
炎、風、雷。
四人が並びながらも構えると共に、うなり声と共に。
「「「「はぁ!!」」」」
振り払う。
それと共に、俺と響鬼さんは、変わらない武器を手に持っていた。
だが、威吹鬼と轟鬼は、本来の武器ではなく、ドロタボウと戦う為の専用の音撃棒を腰に持っていた。
眼前にいるドロタボウの数を相手に、四人で対応する。
それは、本来ならば無謀かもしれない。
だが。
「さぁ、暴れるぜぇ」
笑みを浮かべた響鬼の言葉と共に既にそんな恐怖はなかった。
それと共に、俺達は真っ直ぐと、眼前のドロタボウに向かって、走り出した。