突然、現れたカシャの正体は未だに分からない。
だが、そのカシャから感じるプレッシャーはかつて戦った九尾を思わせる。
それ故に俺は自身の武器である如意を握る力を強くする。
これから戦うカシャに対して、油断をする事は出来ない。
カシャの身体は獣毛に覆われておらず、その体表は岩のように硬そうで見るからに攻撃力が高い事が分かる。
カシャは俺に近づきながら唸り声をあげており、その様子からは俺への敵意を感じる。
しかし俺はカシャと正面から向き合いながら、その攻撃を避ける。
そして、相手の攻撃が通り過ぎた直後に俺は隙を見つけ出し、一気にカシャへと接近し攻撃する。
「はぁ!!」
俺はそのまま如意でカシャに向けて、振るう。
振るわれた如意は、カシャの腹部へと叩き込まれる。
「グアアァ!!!」
カシャは叫び声を上げながら、その攻撃を簡単に受け止めた。
そのまま、カシャの手の爪が、俺に向けて迫ってくる。
その動きを見た俺は慌てて身を屈めつつ後退し距離を取ろうとするが間に合わない。
カシャの爪が、俺の身体を抉り取る。
痛みと共に血が流れ出る。
「ぐっ」
俺は苦悶の声を漏らす。
しかし俺は怯まず次の攻撃の準備に入る。
俺は右手に握った如意の先端部分をカシャに向けて穿つ。
しかし、如意による一撃に対して、カシャはまるで効いた様子はない。
逆にカシャの攻撃を受ける事となり、俺の身体を傷つけていく。
「っ!」
痛みによって、俺は歯を食いしばりながらも反撃を行う。
傷つけられた箇所から、まるで炎で燃やされるような感覚が襲う。
如意の先端部分がカシャの腹部に激突するも全く通用しない。
それどころか、逆に押し返されてしまう。
カシャはそのまま勢いよく殴りかかってくる。
その威力に押されて俺は吹っ飛ばされてしまう。
地面を転がりながら何とか体勢を立て直したもののダメージは大きい。
俺は立ち上がりながら再び如意を構える。
「はぁはぁ……」
息切れしながらも必死で呼吸を整えようとしているがなかなかうまくいかない。
このままでは負ける。
「負けてたまるかっ」
そう、叫ぶと共に、神社の奥底から何かが飛び出る。
それが、真っ直ぐとカシャへと襲う。
「あれは、まさかさっきの話の獣槍っ」
その正体に気づくよりも早く、俺の手に獣槍を無理矢理握られる。
「ぐっがぁぁぁぁぁ!!」
それと同時に、まるで俺の全てを引き出すように身体は黒くなる。
そうして、髪が伸びる。
これまでの俺ではあり得ない程の力が溢れ出ると同時に、その力に振り回される。