「来いよ!」
アームドセイバーと獣槍を構えると、ヤマタノオロチの八つの首が一斉に襲いかかってきた。
「さっきとは一味違うぜ!」
右手にセイバー、左手に獣槍。まるで響鬼さんそのものの武器構成に心が踊る。
「吼!」
最初の首が牙を剥き出しにして飛びかかってくる。俺は右足を踏み込みつつ上半身を捻り、セイバーを横薙ぎに振るう。
「音撃斬・韻穿!」
鋭い斬撃が首を真っ二つに切り裂く。同時に獣槍で続く二本目の首を貫く。
「グオォォッ!」
断末魔の叫びと共に血飛沫が舞う。だがすぐに次の首が襲いかかる。
「早いな……!」
連続して繰り出される攻撃を躱しながら反撃の隙を探す。
(響鬼さんなら……きっとこうするはず)
脳裏に浮かぶ師匠の姿。柔らかくしなやかに動きながらも、的確に急所を捉える戦い方。
「俺も負けてられねぇぜ!」
全身の筋肉を弾ませるようにして加速する。猿のような俊敏さで敵の攻撃を避けつつ、アームドセイバーを振るう。
「音撃斬・韻穿!獣槍・貫通破!」
二刀流ならぬ二棒使い。響鬼さんの柔らかい戦法と自身の野生的な動きを融合させた戦い方でヤマタノオロチを圧倒していく。
だが敵もただの怪物ではない。
「再生するぞ!」
猫猫の警告通り、切断された首が泡を吹きながら徐々に繋がり始める。しかし周囲からは仲間たちの雄叫びが響く。
「おらぁっ!」「どりゃあっ!」「はっ!」
威吹鬼、轟鬼をはじめとした鬼たちが周囲の魔化魍を次々と殲滅していく。
彼らの活躍もあり魔化魍の供給が途切れるとヤマタノオロチの再生スピードも明らかに落ち始めた。
「チャンスだ!」
翼を広げ空中から攻撃を仕掛ける。セイバーと獣槍のコンビネーションで次々と首を切り裂いていく。
「音撃斬・韻穿!獣槍・貫通破!」
四本目、五本目、六本目……ついに残る首はたった一つとなった。
「これで終わりだ……!」
最後の首に向かって全力で突進する。その時―
「さぁ!最期の〆だ!」
響鬼さんの声が森全体に響き渡った。
「皆さん!音撃準備!」
その言葉に反応し、全ての鬼たちが各々の音撃武器を構える。
音撃鼓を背負い直す者、刀身から弓形態に変形させる者、笛を構える者……
様々な音撃武器が一斉に清めの気を帯びていく。
「行くぞっ!」
響鬼さんが鬼石を叩くとそれが合図となり全員が一斉に攻撃を開始した。
ドォン!ドンドン!ピィーッ!ガキンッ!
太鼓の鼓動、弓の弦音、金剛杖の打撃音……バラバラだった音が一つになり壮大な交響曲となる。
全ての音撃が合わさり巨大な音楽祭のような壮麗な響きが森中に満ちていく。
「うおおおおっ!」
全員の気合が一つになった瞬間――
ピシャーン!!
激しい閃光とともに大爆発が起こった。
ヤマタノオロチの巨体が粉々に吹き飛ぶ。
「やったか?」
煙が晴れる中確認するとそこには何も残っていなかった。ただ清められた大地だけが広がっていた。
「成功だ……」
胸から溢れ出る安堵と共にその場に座り込む。
だがすぐさま立ち上がる。