三年ぶりの東京駅に猫猫の姿があった。スーツケースを引きながら携帯を握りしめる。
「もうすぐ着くってメールしたのに……あいつはどこだ?」
人混みをかき分けながら改札を出ると、突然背後から肩を叩かれた。
「猫猫!」
振り向くとそこには変わらぬ笑顔の猴鬼がいた。しかし以前と違って鎧ではなく普通の服装をしている。
「まったく……迎えに来るならもう少し時間に正確に来い!」
照れ隠しに怒鳴る猫猫に、猴鬼は苦笑いしながら頭を掻いた。
「すまん、ちょっと昔の鬼仲間に会ってて……」
宿に向かう車内で二人は状況を整理していた。
「結局あのヤマタノオロチ事件以来、魔化魍の活動は減少したがゼロにはなっていない。むしろ巧妙になっている」
猫猫がタブレットを操作しながら報告する。
「そして最大の問題は……」
画面には世界各地の未確認生物に関する記事が表示されていた。
「『魔化魍を操る者が存在する』という推測か?」
猴鬼の問いに猫猫は頷く。
「そう。実は大学での研究期間中に各国の神話や民話を調査した結果、古い文献に奇妙な共通項を見つけた」
タブレットを回し、猴鬼が覗き込む。そこには世界各地の伝承に登場する"夜叉"や"怪童丸"などの記述があった。
「これら全てに共通するのは『人を超える存在』が魔化魍らしき生物を使役していたという内容。つまり誰かが意図的に魔化魍を創り出している可能性があるということよ」
「なるほど……」
「まぁ、どちらにしても、これからの旅の目的は決まったようだね」
そうして、猫猫はまるで笑みを浮かべていた。
「魔化魍の事もあるけど、これから調べる事が多いからまた全国で旅をしなければならないな」
「それにしても、お前が大学の卒業をして、また日本に来るとはな」
俺の言葉に猫猫は少し困ったような表情をする。
「まぁね。大学では色々勉強したけど、結局私はこの道に戻る運命なのかもね」
それと共に、猫猫の視線は俺の方に向けられる。
「君と一緒に世界中の魔化魍を研究するのが本当に楽しかったから」
その言葉には、彼女の研究者としての情熱と、私生活における楽しみが入り混じっていた。
「本当に、まぁ」
その言葉に、俺もまた自然と頬が緩む。
「そうだな。猫猫のおかげで今まで見えなかったものがたくさん見えた」
そして、お互いの思いを確認し合った後で、俺たちは改めて次の目的地を決定するために話し合いを始めた。
魔化魍との戦いが終わりは見えない。
それでも、知り続ける為に歩き続ける。
今回の話にて、『仮面ライダー猴鬼』は、無事に最終回を迎えました。原作の響鬼においても、未だに魔化魍の戦いは終わっていない事もあります。
なので、今回で最終回を迎えた後でも、未だに物語は続く。
その目標として書かせて貰いました。
ここまでの応援、本当にありがとうございます。