眼前にいる巨大な蚊であるニクスイ。
奴らをこのまま放置して、人がいる街に向かえば、それだけで大きな被害が出る。
それを理解すると共に、俺は手に持つ如意を回しながら構える。
「お前、月鬼だったな、このニクスイは一体」
その言葉と共に月鬼にその現状を確認するように叫ぶ。
対して、月鬼もまた目の前に迫るニクスイに対して、その手に持つギターの下部が三日月の様な剣を手に構えて。
「俺にも分からん!」
そう、叫び、剣を上に振り上げた。
振り上げると共に、ニクスイはそのまま真っ二つとなり、地面に倒れる。
そうしながら、俺達は背中を合わせながら、未だに数の多いニクスイ共を睨み付ける。
得物を狙うように羽を動かしながら、蚊の特徴的な口がガチンガチンという音を立てる。
それに対して舌打ちをしながら。
「これは、かなり面倒だな」
「けど、放っておけば、多くの人がこいつらの餌にされる」
「あぁ、そんな事、させるかよ!!」
2人で並び立ちながら。
「行くぞ、月鬼! あいつらが人に近付く前に全て片付けてやる!!」
月鬼の言葉に答えるように如意を回転させつつ、ニクスイに向かって走り出す。
ニクスイ達は、その鋭い口の針で俺達に突き刺そうとした。
けれど、俺が前に出て、如意で薙ぎ払う。
薙ぎ払った如意に当たったニクスイ共の口は簡単に砕け散る。
そんなニクスイ共に対して、月鬼は瞬時に剣で切り裂く。
斬り裂かれ、倒れていくニクスイ達を横目に見ながらも、俺は更に踏み込むと同時に拳を振り下ろす。
迫った拳に対して、ニクスイは対処する事が出来ずに、そのまま殴り飛ばされたニクスイは空中へと舞い上がり、落ちてきた時には完全に動けずにいた。
そうしている間にも、俺は如意を構え、槍投げの構えで真っ直ぐと他のニクスイに投げる。
投げた如意は、そのまま複数のニクスイを貫いていく。
そうしていきながら、俺と月鬼はニクスイを一箇所に集めていく。
そうしながら、月鬼は宙を跳ぶと、その身体を幾つも分身したように見える。
それが、幻であり、ニクスイの判断を遅らせる。
「音撃斬・十六夜月華」
その一言を呟くと、ニクスイの言葉と共に、その手にある弦を弾く。
弾くと共に、月鬼の演奏が始まる。弾く度にその弦の音色は響き渡り、それが幾つも重なり合い、響く音と共に光が発生する。
響く音と共に光が発生する。
それはまるで月の光の様に鋭くて冷たい物だ。
そんな月鬼の演奏に対して俺もまた、ニクスイに向けてそのまま腰にある音撃鼓を押し込む。
巨大になった音撃鼓に向けて、俺は如意を突き出す。
「音撃打・夢幻の型!」
そして、そのまま殴りつけるように演奏した月鬼の音撃を増幅させるようにぶつけた。
ギターの音と太鼓の音。
二つが重なり合い、一つとなる。
その演奏は一つの巨大な音となりて、ニクスイ共を纏めて消し飛ばす。
「「はぁぁぁ!!」」
俺と月鬼の叫び声と共に。
その一撃は、島から出ようとするニクスイを纏めて一撃で吹き飛ばした。
それはまるで巨大な台風が過ぎ去った後のような光景だった。
その光景に俺は息を飲む。