ありふれた戦士の異世界旅行   作:トッポ(チョコ無し)

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焦げた文書
記録神の綴った第1次竜大戦の記録。
存在から焼かれた神々を除いても10万を超えた連合であったが、殆どの攻撃が弾かれたと記されている。


プロローグ2

教室のざわめきに、蓮は意識が覚醒していくのを感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えている。その感覚から言えば、どうやら昼休憩に入ったようだ。

 

 蓮は、突っ伏していた体を起こし、母が作ってくれた弁当をゴソゴソと取り出す。

 

 なんとなしに教室を見渡すと購買組は既に飛び出していったのか人数が減っている。それでも蓮の所属するクラスは弁当組が多いので三分の二くらいの生徒が残っており、それに加えて四時間目の社会科教師である畑山愛子先生(二十五歳)が教壇で数人の生徒と談笑していた。

 

 早速、午後のエネルギー源の弁当を1分も掛からずに食べ終わり蓮はもう一眠りするかと机に突っ伏そうとした。だが、そうはさせまいと我等の女神が、蓮にとってはある意味悪魔が、ニコニコと蓮の席に寄ってくる。

 

 蓮は内心「しまった」と呻うめいた。月曜日ということもあり少し寝ぼけ過ぎていたようだ。いつもなら香織達と関わる前に教室を出て目立たない場所で昼寝というのが定番なのだが、流石に三徹は地味に効いていたらしい。

 

「蓮くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」

 

 再び不穏な空気が教室を満たし始める中、蓮は心の裡うちで悲鳴を上げる。いや、もう本当になしてわっちに構うんですか? と意味不明な方言が思わず飛び出しそうになった。

 

 蓮は抵抗を試みる。

 

「あ~、誘ってくれてありがとう、香織さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

 そう言って、一般的な大きさの弁当箱を入れた袋を見せる。断るのも「何様だ!」と思われそうだが、お昼休憩の間ずっと針のむしろよりは幾分マシだ。

 

 しかし、その程度の抵抗など意味をなさないとばかり女神は追撃をかける。

 

「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

 

(もう勘弁して下さい! 気づいて! 周りの空気に気づいて!というよりこれ以上は食べ過ぎになるよ)

 

 刻一刻と増していく圧力に、蓮が冷や汗を流していると救世主が現れた。光輝達だ。

 

「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

 

 爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。

 

「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」

 

 素で聞き返す香織に思わず雫が「ブフッ」と吹き出した。光輝は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、蓮の席に学校一有名な四人組が集まっている事実に変わりはなく視線の圧力は弱まらない。

 

 深い溜息を吐きながら蓮は内心で愚痴った。

 

(折角の睡眠を邪魔して、過労で倒れるぞ。いやマジで、助けて神様。私に癒しを)

 

 現実逃避のため己の主神に電波を飛ばす蓮。いつも通り苦笑いでお茶を濁して退散するかと腰を上げかけたところで……

 

 凍りついた。

 

 蓮の目の前、光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学きかがく模様が現れたからだ。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。

 

 その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。

 

 自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。

 

 数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。

 

 この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。

 




ーー高校の高校生が白昼堂々と集団で神隠し事件に遭遇しました。警察は事件性を認め、特別捜査本部を設立することを発表しました。事件の詳細や背景についてはまだ明らかにされておりません。事件の真相や被害者の安否について、警察の捜査が注目されています。
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大人気漫画『竜を狩る者』の作者R氏がネタ探しの旅に出るため、休載が決定されました。南雲総合文庫からの発表によると、作者が新たなアイデアを見つけるために旅に出ることになったようです。読者からは休載期間中も楽しみに待つ声が多く寄せられています。
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