迫真エリー都!ホロウレイダーと化した先輩   作:我蔦早瀬

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お〇んこぉ~(気さくな挨拶)

大変お待たせして申し訳ナス。


第10話 哀・戦士

白祇重工の幹部、イアスに憑依したパエトーンのリン、迫真空手部の8名は、知能構造体の捜索のため、ホロウに侵入していた。

 

目標はⅢ型ホロウ用デモリッシャー・グレーテル。

 

「プロキシ、もうそのグレーテルの居場所の目星がついたんですね?流石にナオキですね。」

 

一行はリンたちが作成したキャロットに基づき、ホロウの深部の探索を続けていた。

途中エーテリアスやホロウレイダーに絡まれもしたが、それらを退けることは赤子の手をひねるがごとく容易かった。

 

「思ったより早かったッスねえ。パパパッと見つけて、早く工事進めましょうよ。」

「そうだよ(便乗)。現ちゃんやドカちゃんも、きっと喜ぶゾ。」

 

 

和気あいあいした雰囲気を引き締めるように、アンドーの腕に取り付けられたパイルバンカーから突然轟音が響く。

「ポチャポチャ!」

それに呼応するように、三浦のポッチャマ・ボンプが手をバタつかせる。

 

「おう、お前も気づいたか。なかなかいい勘してるじゃねえか。」

「ポチャ!」

「ああわかってる。油断大敵だ。兄弟の勘もそう言ってる。」

 

 

「「「「「「ええ(困惑)」」」」」」

 

その場の全員が、その様に絶句した。

 

アンドーのパイルバンカーにAIは搭載されていない。

 

つまり彼のいう兄弟とは所謂イマジナリーフレンドの類である。

 

リンや迫真空手部、ひいては長年苦楽を共にしてきた白祇重工の幹部もその認識であり、あえてツッコまずに生暖かい目で対応していた。

 

しかし、目の前の著作権侵害ボンプは、明らかにその『兄弟』と会話を行っている。

 

「エンゾウおじさん、どういう言語モジュール積んだの?」

「これもうわかんねえな。」

「あたしもアレと会話できる奴がアンドー以外にいると思わなかったよ…。三浦、一回マジで点検してもらえよ。」

 

 

しかし、この場にはこの事態に目を輝かせる異常者がいた。

 

「興味深いね。そのボンプ、ちょっとバラしてもいいかい?

シンギュラリティが生まれてるんじゃないかな?」

 

白祇重工の技術開発主任 グレース・ハワードである。

 

嬉々とした表情でドライバーを握りしめている。

 

「だ、だめだゾ!ポッチャマの人格が壊れたら大変ゾ!」

当然、それを青ざめた表情で三浦が拒絶する。

 

「大丈夫。ちゃんと戻すから。

ネジ一本だって余らせたりするもんか。

だからさ、ok?okだよね?

うん、それは嬉しいな。

さ、お姉さんのおうちいこっか?」

 

「これ無理だゾ」

 

「うーん。空手部より遵法意識がガバい人がいるなんて、信じたくなかったよ。」

 

しかし、つぎの瞬間大きく地面が揺れ、グレースはドライバーを取り落とした。

 

「グレース!話はあとだ!奴はあそこにいる。」

 

クレタが得物のハンマーを構えながら、粉塵をまきあげる巨体をにらみつける。

 

 

ビルの基礎が多く残る工事現場に足を踏み入れると、再びの地響きとともに警告が告げられた。

 

 

 

「それ以上来ないで!ここは私たちの誘惑のラビリンスよ!」

 

 

「女の子の声?」

「ファッ!?おれなんも言ってないっスよベンさん!」

「野獣、あんたじゃない座ってて。」

 

リンが指摘するように、今聞こえた声は野獣の男のくせに妙に甲高いクッソおぞましいものではなく、よく澄んだかわいらしい少女のものだった。

 

「わかってるわよ!真白君との仲を引き裂くつもりでしょ!」

 

声の主は、建設途中のビルの上に鎮座する巨大な重機だった。

 

捜索中のⅢ型ホロウ用デモリッシャー・グレーテルに他ならなかった。

 

「真白君てだれですか?

確かにいまは2章ですけど、白いの(淫夢)なんて影も形もありませんよ?」

「木村さん、メタいメタい。世界観こわれる。」

 

リンの突っ込みもどこ吹く風。グレーテルの怒りのボルテージはどんどん上昇していく。

 

「おいゴルルァ!!誰がロッテの二軍監督に激似だって!?

よく見ろこのナオキ野郎!

私の足元にいるだろうが全然似てねえだろうがバラまかれてえのか!?」

 

「ナオキは流石に言い過ぎだゾ。」

 

「白いの、ってまさかあの作りかけのビルか!?」

 

ベンが驚くのも無理はなかった。

 

作りかけのビルに人格が伴うAIが搭載されているはずもない。

 

つまり、真白君というのはアンドーのそれと同じくイマジナリーフレンド。

 

ガバガバ理論を超えたガバガバ理論に他ならなかった。

 

「作りかけですって!?

私はねえ、真白君と一生添い遂げるの!

 

だからいまの取り消しなさいよ!!!」

 

グレーテルは己に搭載された巨大なチェーンソーを振り回し、いまにも一向に襲いかからんとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーーー。あほくさ。」

 

その緊張を破るが如く、腕を組んだ野獣が呆れたようにため息をつく。

 

「ば、馬鹿にしてるのこのステハゲ!?乙女の恋路を邪魔する汚物がっ!!

あんたなんか一生インターノットの晒し者にしてやるわっ!」

 

グレーテルが野獣めがけて巨大なチェーンソーを振り下ろすが、野獣はまるでデカすぎる枕に使われる一本の羽毛がごとくそれを軽やかに避ける。

 

「なっ!!?」

 

避けられたグレーテルは無防備だ。

 

グレーテルを一刀両断する、またとない好機。

 

しかし、野獣は抜刀せずになぜか不機嫌そうな顔で腕を組んだままグレーテルをにらみつけた。

 

「あのさぁ(呆れ)。

それは会社に迷惑かけてまですることなの?

彼氏くんはそうやって自分の都合ばっかり押し付けるような女を好いてくれるタイプなの?」

 

作りかけのビルの基礎もとい真白君を顎で指し、野獣がグレーテルを問い詰める。

 

「!! そ、それは…。」

 

その言葉に、グレーテルは動揺を隠せない。

 

『真白君にそんな身勝手な女はふさわしくない。』

 

彼女に組み込まれた論理コアが、どうしてもそれを肯定してしまう。

 

 

「違うだろぉ?

そんな小さい男じゃないってことは、お前が一番わかってるはずじゃん。

だったらまずお前が真白君に誇れるような方法で、自分で出来ることをやって振り向かせる努力をすべきなんじゃない?」

 

刀を地面に置き、屈みこんでグレーテルの顔が映るディスプレイに野獣が語り掛ける。

 

「うう、わ、私、真白君にふさわしい女になりたい!」

 

「うわ意外。野獣がまともな恋愛相談してる。」

人は見かけによらないとはこのことだと、リンは少し野獣を見直した。

 

まるでそれは恋する乙女に講釈を垂れる恋愛上級者のようだった。

 

「よく考えろ!お前にはまだ出来ることがあるはずだ!

 

睡眠薬盛って昏睡レイプするとか、先輩と共謀して因縁つけて犯すとか!」

「台無しだよ。」

「会社どころか社会にガッツリ迷惑かけてんじゃねーか。」

 




【TIPS】
真白君生存√入りました。

よし、じゃ原作キャラ生存タグをぶちこんでやるぜ!
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