迫真エリー都!ホロウレイダーと化した先輩   作:我蔦早瀬

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劇エロ痴安官とお青青のエピソードは思いつかなかったから3章直行します。許して亭ゆるして。


第三章【危うし!真夏の夜】
第13話 ブッチッパ。多様性


3章 危うし!真夏の夜

 

『イキスギィ イクイク! ンアッー! 枕がデカすぎます!』

 

 

「Fairy、淫夢はもうやめなって!新エリー都では淫夢ごっこは恥ずかしいんだよ!」

 

『おっマスター、大丈夫ですか大丈夫ですか。ニトロフューエル、バッチェ冷えてますよ。

ゼンゼロは公式が淫夢営業してるってはっきりわかんだね~、です。』

 

 

 

 

 

 

 

「やめなっていってるでしょ!!」

 

リンが叫ぶと同時に、視界に見慣れた天井が映る。

身体はHDDシステムの前のオレンジ色のソファに納まっていた。

 

どうやら夢を見ていたようだ。

 

ひどい目覚めだった。

こんなにひどいのは旧都が陥落したあの夜が明けた朝以来だった。

 

ふらふらと立ち上がると、夢で聞いた声が現実でも聞こえた。

 

『マスター、バイタルが乱れています。速やかに水分を補給し、心身を落ち着かせることを推奨します。』

 

「うん、ありがとFairy。現実のあんたはいい子だよ。変な語録とか使わないしね。

この調子でお願いね。」

 

『ん、おかのした。』

「ダメみたいだね…。」

 

 

 

「Fairy、インターノットのミームのマネをするんじゃない。リンが困っているじゃないか。」

「ああ、お兄ちゃん、お帰り。最近朝帰りが多いね。女遊びは感心しないよ。」

げっそりした顔で、帰宅してきた兄を出迎えた。

 

なぜかジャージ姿で首にタオルを巻いていた。

 

「いつから僕はそんなビデオ屋のゴミになったんだい?

違うよ。最近運動不足だったからね。

迫真空手部の朝練にお邪魔させてもらってるんだ。

彼らのペースに合わせて走るだけでも、結構な運動になるよ。

彼ら、ヘンテコなフォームのわりに足が速いんだ。どうなってるんだろうね。」

 

「心配だなぁ。お兄ちゃん、あいつらの出す飲み物とか絶対手ェつけたらダメだからね。」

「リン。兄としては君のツッコミがどんどん鋭利な方向に寄っていっていることのほうが心配だよ。」

 

苦笑しながら、アキラは冷蔵庫から出したミネラルウォーターを含んだ。

 

「そういえば、今日の朝練コースはバレエツインズ前だったんだけれど、休憩中の野獣先輩はなんだか元気がなかったよ。

じっとホロウに呑まれたビルの方を眺めていたんだ。」

「そっか、あいつにも感傷に浸る感性が一応あるのね....。」

 

ホロウ災害によって大切な人を喪った人は、新エリー都に少なくない。兄妹とてそれは例外では無い。

 

そして、彼らには被害者ではなく加害者の側面もあった。

旧都陥落の引き金を引いたとされる大罪人。

その女こそ彼ら兄妹にとっての育ての親。

彼女の汚名を雪ぐためプロキシとして真相を追い求める兄妹だが、インターノットの海に潜る際に遺族が書いたであろう彼女への憎悪の投稿を目の当たりにし、罪悪感に苛まれたのも一度や二度ではない。

それは兄妹にとって逃れられぬ(カルマ)

 

 

 

「まぁ、本人は『今日が女の子の日だから』だのなんだのほざいていたんだけれどね。」

「最っ低。」

 

そして、思い出したようにリンは「あ。」と声を上げる。

 

「あいつらまさにいまその場所にいるんじゃないっけ?」

 

白祇重工から託されたプロトタイプの記憶素子。

その解析のため、パエトーンは邪兎屋を仲介して名うてのハッカー『レイン』を頼ったのだが、その身元がつかめなくなっていた。

 

唯一の手がかりは、彼女の持つ端末の発信位置。

 

その場所こそ件の建物。ホロウに呑まれた高層ビルのバレエツインズである。

 

捜索のため邪兎屋とともにバレエツインズ内を調査していたときに再開したのが、デッドエンドホロウで出会ったチェンソーメイド・カリン。そして、彼女の同僚であり富裕層向け家事代行サービス『ヴィクトリア家政』たちである。

 

 

 

 

__同時刻、空港前。

 

裁判所に出廷するためにバレエツインズ内での捜索を一旦切り上げた邪兎屋の面々は、裁判所に向かう飛行船への搭乗手続きを進めていた。

 

そのとき、背後から人々が列をなして歩いてきた。

彼らを取り囲むようにマスコミが群がる。

 

その最前列にいた男こそ、邪兎屋とパエトーン、そして空手部の括約により裁かれることとなった小男パールマンであった。

 

パールマンはニコを見た途端、露骨に嫌そうな表情を浮かべる。

周囲を警戒し、誰かを探しているようだ。

 

「だるまのおっさん、なにきょろきょろしてんの?」

 

「…おい、あのコカコーラ北島だかインテル長友だかいう変態は連れてきてないだろうな?」 

「それ違う人だからね?

連れてくるわけないでしょ。あんなのがウチの従業員だと思われたら末代までの恥よ。」

 

それを聞いたパールマンは、心底安心した顔をした。

「これから裁かれる分際でなんでそんな心配を…。ああ、あんたあの変態に掘られたんだっけ(笑)」

 

ニコはパールマンに1%の同情心を向けた。ちなみに残りの99%は『ざまあみろ』である。

 

「掘られてないぞ!?ワシは潔白だし純潔だ!風評被害をバラ撒くな!!」

「潔白ぅ?この状況でよくそんな大言壮語がほざけたものね?

あんたはもう終わりよ!刑務所って『そういう趣味』の奴が多いらしいわね?

せいぜい同好の士と楽しむといいわ!」

 

ニコの煽りにパールマンは青筋を立てるが、直ぐにそっぽを向いて飛行船に乗り込んだ。

「ふん、小娘が。貴様はこの街の恐ろしさをまだ知らんだけだ…。」

 

「ん?アンビーどうしたの?」

ニコはパールマンの小言に気づくことなく、続いて飛行船に乗り込む。

従業員のアンビーがどこか不安げだ。

 

「パエトーンをあのまま見ず知らずの集団に預けてよかったのかしら。」

 

「仕方ないでしょ。裁判所に邪兎屋全員で出廷するって書いちゃった手前、他に手はなかったわ。

猫又の知り合いもいるんでしょ?バレエツインズだってそのご主人様とやらの所有物らしいし、きっと大丈夫よ。

 

 

ていうかあの場に残してきたよく知る変態集団のほうが100億倍信用できないのよね。」

 

「うーん、俺なんも否定できねえわ。」「確かに。」「あの馬鹿ども問題起こしてないといいけど。」

 

 

いっぽうたどころ、バレエツインズ内。

 

「___んでそのときカリンちゃんが電車の向こうから声かけてくれたんだよなぁ~。」

「はいっ!その節は本当にありがとうございました。またお会いできてカリンは嬉しいです。」

「ほう、では貴方がたが迫真空手部の皆さまですか。」

「ナオキです。」

「あ、そっかぁ。じゃあカリンちゃんがいってたライカンさんてあんたかゾ。すっげぇ強そうだゾ。」

「ライカンはんセレクトの茶葉、美味スギィ!だったから帰って調べたらすっげえ高級品だったんだよなぁ。」

「おや、田所様のお口に合うもののようでしたら、またご用意致しましょう。」

「いいスか?FOO↑」

「遠慮って言葉を覚えなさいよこのステハゲ...。」

「プロキシ様、よろしいのです。貴方がたは我々の仲間の命を救ってくださったのですから。

いくら品を差し上げても釣り合いません。」

「今度、皆様をお招きしてお茶会を催しましょう。わたくし、スコーンを焼いて参りますわ。」

「いいねぇー。紅茶にスコーン。これ以上の組み合わせはないってはっきりわかんだね。」

「野獣、どんどん食べて。きっとそうすれば世界がもっと綺麗になるよ。」

「…エレン、完全犯罪を計画するのは感心しませんよ。」

 

そんなこんなで邪兎屋は裁判所に向かうため、バレエツインズにおけるレイン捜索を『一連の事情もパエトーンの正体も知る暇そうな人間』という非常に狭い条件を満たす唯一の関係者『迫真空手部』に託すしかなかったのだ。まさに禁止カード。苦渋の選択とはこのことである。

 

薄暗いバレエツインズでは頻繫に停電が起こり、一行の進行を妨げた。

 

「また停電だ。」

「こう何度も起こると目がチカチカしてナオキですよ。」

「たしかに何度も起こってるね。あの噂、本当だったりして。」

「なんですかエレンちゃん。ここもしかして有名なハッテン場だったりするするんですか?…やめてくれよ(絶望)」

実体験故に心底嫌そうな顔をする木村だが、一番の被害者はホモに下ネタを振られた現役女子高生に他ならない。

 

「いや違うからね?マジ最悪。カリンちゃんの命の恩人じゃなかったら切り落としてるトコだよ…。」

「エレン、ほんとごめんね。後で煮るなり焼くなりしてくれていいから、いまは私に免じてコレで手打ちにして。」

リンがイアスに搭載されたグレース謹製超強力スタンガンを木村の股間に発射して「ひぎぃ」と悲鳴を上げさせる。

野獣と三浦は悶絶する木村を爆笑しながらスマホで撮っていた。

 

「実はバレエツインズがホロウに吞み込まれたとき、有名な武道家の師弟がこの場所で命を落としてしまわれたのです。

以来、彼らの怨霊がバレエツインズの主となり、闖入者に明かりを点滅させ警告するのです。

それでも出ていかないのなら、物陰から飛び出し、その魂ごと虐待する、と。」

「自分でやっといてアレだけど、リナさんスルースキル凄いね。」

 

 

 

バレエツインズの亡霊。

「…」

それを聞き野獣はアンニュイな表情を浮かべた。

 

停電が頻繁に起これば、リンたちが今いるA棟とこの先にあるB棟を繋ぐアトリウムの防火シャッターの自動開閉システムも連動して頻繫に作動することとなる。

 

周辺ホロウの縮小に伴い、先行投資としてバレエツインズを購入したオーナーである家政の雇い主からしてみれば、それは安全上大きなリスクになりえるものであった。

 

故に、ヴィクトリア家政にこの件の調査を命じたのである。

 

そして、その自動開閉が今起こってしまえばB棟にいる可能性の高いレインの捜索に大きな支障が出ることも意味していた。

 

そして、その懸念はすぐに現実となる。

進行を妨げるエーテリアスを排除するさなか、再びの点滅が起こる。

その間隔はどんどん短くなっていった。

 

「…急ぎましょう!」「はーい、よーいスタート(棒読み)」

ライカンの号令に、皆頷いてフロアを駆ける。

 

大きな物音を立てれば、必然的にエーテリアスの注意を引くことになる。

 

しかし、並みのエーテリアスは迫真空手部、そしてヴィクトリア家政の敵ではなかった。

 

階段周りに屯するエーテリアスをライカンが鋼鉄の義足で一蹴し、優雅にパエトーンと迫真空手部を誘導する。

 

襲い掛かるエーテリアスは、カリンとエレンの巨大な双刃の哀れな犠牲者でしかなかった。

 

三浦もその刃の狂宴に便乗して数多のエーテリアスを壁の染みに変えていく。

 

一瞬でも怯めば、木村とリナの援護を受けた二頭の獣が蹂躙した。

 

一気にアトリウムのある階層まで駆け上がる。

 

 

 

「アトリウムはすぐそこだよ!」

リンがそう告げた次の瞬間。

 

「ああ、停電!」

明かりが消え、目の前のアトリウムに続く唯一のシャッターが閉じられていく。

 

「しまった!」

一行の中で最も脚力に長けるライカンが阻止しようと駆けるが、頭上から飛来するエーテリアスに阻まれる。

即座にエーテリアスを処分するが、その一瞬のタイムロスは致命的だった。

 

「くっ!間に合わないか…!」

 

 

 

 

 

「おら!なめてんじゃねーぞ!?」

 

「オォン!?」「ポッチャマ!?」

しかしシャッターが閉じる寸前、木村が三浦と野獣を蹴り飛ばした。

 

汚物二人がボッシュートされ、シャッターと床の間に挟まれる。

 

必然、アトリウムまでの道は確保された。

 

「やりましたねえ!プロキシ!家政の皆さん!!アトリウムまでの道が開きましたよ!!」

異様にニッコニコ顔で、木村がこちらに振り向いた。

 

「ええ…(困惑)。せ、先輩への敬意がまるでない…。」

「むしろ殺意がこもってたよ。」

「あらあら。」

 

「プロキシも家政の皆さんも助かる。僕の日ごろの欝憤も晴れる。

いいことづくめじゃないですか!

こんなにナオキなことはありませんよ?」

 

「あいつらマジでナニをヤったら後輩にここまで恨まれるの…?」

「プロキシ様。男同士なにか深い事情があるのでしょう。私にも覚えがございます。

ここは、そっとして差し上げるのがよろしいかと。」

「そっとしないで!?挟まれてるから!!!いまこの瞬間挟まれてるから!!!」

 

「アー逝キソ逝キソ 逝ク逝ク」

「死ゾ」

 

「ああ!?か、空手部のお二人のお顔がどんどんひしゃげていきます!まるで潰れたおはぎです!!

し、少々お待ちください!?チェーンソーでなんとかしてみせます!」

 

810秒後、なんとかカリンがシャッターを切開し、空手部の救出に成功した。

木村はその間、爆笑しながら先輩たちをスマホで撮っていた。

 




【TIPS】
リナ姉貴、恒常だとおすすめ。指名で1凸すると使用感あがるゾ。あとケツがえろい。

ライカンはんはフィールド移動がクソ早いので探索だと最強。あと胸板がえろい。
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