迫真エリー都!ホロウレイダーと化した先輩   作:我蔦早瀬

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第35話 ガバが為に女は哭く

「朱鳶さんだましていて本当にごめんなさい!」「なにも言い訳はしないよ。僕らは間違いなく犯罪者だ。」

 

店じまいの張り紙が出されたRandomPlayの店内で、兄妹はふたりに深々と頭を下げた。

 

「ふむ。以前からその線もあり得ると個人的に勘ぐってはおったが、まさか的中するとはの。」

「店長さんが、…プロキシ。」

 

覚悟の出来ていた青衣はまだしも、朱鳶の顔色は優れない。

 

それも当然である。世間一般では必要悪扱いされているとはいえ、プロキシ業は違法活動である。

生真面目な朱鳶にとっては許容しがたい事だろう。

 

そしてなにより、いままでただのビデオ屋店長として接していた兄妹が彼女を欺いていたことに変わりはない。

 

「___正直、私もまだ完全に納得はできていません。

しかし、治安局も所謂ホワイトハッカーのように特異な犯罪スキルを持つ人材を協力者として起用することが無いわけではありません。

店長さんたちも知るジェーンもその一人です。」

 

朱鳶から一枚の書類が手渡された。

 

拓也組の一件の際に打診されていた、治安局との連携が決定したことを示すものだった。

書面には朱鳶・青衣・秋吉の名前のほか、見たことのない名も記されていた。苗字から察するにセスの親族だろうか。

 

「上層部から正式に店長さんたちへの協力要請が出ました。

私の中に残ったほんのわずかな疑念…。

…お互いに仕事をこなす中で、それが払しょくされることを願います。」

 

「朱鳶さん…、ありがとう!必ず応えてみせるよ。」

 

まだ朱鳶の信頼を完全に失ってはいない。安堵と共に彼女の手を取り感謝と意気込みを精一杯伝える。

 

その言葉に朱鳶は顔を赤らめると、誤魔化すように咳払いをする。

 

「そ、それと。これは本っっっ当にただの老婆心なのですが、ご自身の友人関係について一度見直された方が...。」「「それは本当にそう。」」

 

四人の視線は、店のテレビに注がれる。

 

 

 

《___では次のニュースです。本日午後3時ごろ、六分街のビデオ屋に立ち寄った治安官に客の男がわいせつな行為をする事件が発生しました。男は駆けつけた別の治安官によってその場で現行犯逮捕されました。

逮捕された住所不定無職の田所浩二容疑者(24)は容疑を否認しており、治安局の取り調べに対し『お尻にガムがついていたからとってあげただけ』と供述しています。

ルミナスクエでは最近同一の事件が多発しており、治安局は余罪についても捜査を進めています....》

 

 

続いて流れてきたのは、知人を名乗る男たちのインタビュー映像だった。

 

「ぇ名前は・・・え〜171cm。身長が、ナオキ。体重が、23歳...。え?違う?先輩についてですか?正直、『ああやっぱり』って感じですかね。」「いつかやると思ってましたゾ。」

 

 

 

「あいつら庇う気ゼロじゃん。」「顔にがっつりモザイクが入ってるのになんで僕らは彼を野獣先輩だと認識できているんだ?おかしいのは僕らか?それとも野獣先輩か?」

「きっと後者だよ。あいつ4色にまで抽象化してもわかりそうだもん。」

 

「青衣先輩。あのインタビューの人、以前捜査協力をしてくださった三浦さんでは…。」

「うむ、間違いない。世間狭しとはいえ、このような形でのつながりは知りとうなかった。

して店長殿、Fairy殿の様子は?我らがいち早くここに来られたのは、彼女のお陰なのだ。」

 

Fairyは攻撃を受けた際、最後の力を振り絞って近場で信頼でき、かつ強固なファイアウォールを持つ青衣に伝言を伝えていたのだ。

 

 

「Fairy殿は最後にこう申しておった。

『 課 長 こ わ れ る 』、と。

これ即ち対ホロウ六課の長にして虚狩り、そして朱鳶の旧友である星見雅殿の危機と断ずるに相違あるまい。」

 

「雅が!?彼女に危害を加えられる人間が新エリー都にいるとは思えませんが…。」

 

伝言の内容がいろいろ直球すぎるだろとツッコミたいところではあったが、当のFairyは沈黙したままだ。

 

今現在、雅や六課が今どこでどのような状況にいるのか、確かめられるのは彼女しかいないのだ。

 

僅かな望みをかけて、システム再起動を行う。

 

「店長殿、我も手伝おう。なに、Fairy殿と交信したことはある。説明はいらぬ。」

 

青衣が修験者が瞑想するかのように眼を閉じて、ブラックアウトした液晶モニターと向き合う。

 

かたかたとキーボードを叩いて復旧作業を行うが、反応はない。

 

「くっ、ダメか…!」「そんな…。」「雅…。」

 

 

 

「いや待たれよ。繋がった。」

「「「!」」」

 

青衣の周りに青白いスパークが発生し、重力に逆らって浮遊する。

 

Fairyがシステムダウンした時とおなじように、電子機器のいくつかが火花をあげ、電灯が瞬く。

 

 

そうして数拍ののち、見慣れた目玉のようなアイコンが画面に現れた。

 

『___皆さま、ただいま戻りました。

ご心配をおかけし、申し訳ございません。

青衣捜査官、メッセンジャー及び復旧作業の尽力に感謝します。』

 

 

「Fairy!よかった…!」

 

「しかし、どうやって復帰したんだい?少なくとも2〜3日はかかると踏んでいたのに。」

 

Fairyのダメージは深刻だった。

損傷個所の特定だけでも膨大な時間を要するものだったはずである。

 

『助手2号。私には悪意ある攻撃に晒された場合、相手の身元を割り出し、その顔データを貼り付けたディープフェイクほんへ(無修正)を作り出して相手が持つインターノットアカウントを含めた全ての連絡先に大音量で強制的・永続的・超高画質で垂れ流させる防衛機構があるのです。

これは私の要求を呑まない限り、止まることがないのです。電子機器をシャットアウトしても防げません。』

 

「ええ...(困惑)。つ、つまりはハッカー本人に君を復旧させたわけだ。うわぁ…。

 

それで、その哀れな犯罪者への悪質なサイバーテロ(リベンジ・ポルノ)は止めてあげたんだね?」

 

 

『...』

 

 

「え、止めたんだよね?」

 

 

 

 

『おう考えてやるよ(止めるとは言っていない。)』「Fairy、今日ほど君が敵でないことを感謝した日は無いよ。」

 

「青衣先輩、『ほんへ』ってなんですか(無垢)?」「朱鳶よ、世の中には知る必要のないもの。知らないほうが幸せでいられるものというものが、確かにあるのだ。」「???」

 

朱鳶がクッソ汚い知識を知らぬまま人生を全うできることを願いながら、リンとアキラは仕事に戻る。

 

Fairyに交差分析で星見雅の生体データを走査させるが、反応が無い。

 

「反応が、ない。怪しいね。」「うん。こういうときは大抵『電波の届かない箱物』に入れられてる。」「次は月城さんを探そう。」

 

彼女と行動を共にしているはずの副課長・月城柳はすぐに見つかった。

手早く彼女と交信する。

 

「プロキシさん!?やっと繋がりました!なにかあったのですか!?

ニュースで田所さんがわいせつ罪で捕まったのをみたのですが…。」

 

「彼は友情と欲望に真っ直ぐな男だったよ。」「お(か)しい人を亡くした。」

そんなことはどうでもいい。

 

リンの側はFairyへのシステム攻撃と復旧。朱鳶と青衣を窓口とした共同戦線の獲得。

 

月城の側は、星見雅の逮捕。そしてパールマンを伴っての逃走という現状。

 

互いの情報を交換し、推理する。

 

「あ~きつかった。すっげえ重かったゾ。」

「5人分の食事ですからね。でも、これで1週間はもつでしょ。」

「おい木村ァ、こんなん一日分ゾ。鬼族の食事量を舐めたらいかんゾ。」

「ええ…じゃあこの量を毎日運ぶんですか!?やめてくれよ(絶望)」

 

通信越しに三馬鹿(-1)の声が聞こえる。どうやら、六課よりは身元が割れにくい彼らが、全員分の食事を買い出しに出ていたようだ。街でのインタビューもそのときに受けたのだろう。そんなもん受けるなと六課から説教をされたのは言うまでもない。

 

 

 

「みなさん!今、パールマンと連絡は取れますか?確認したい大事なことがあるんです!」

月城とリンの通信に、朱鳶が割って入る。

 

「うなじです!彼のうなじを見てください!耳の後ろ!生え際のあたりに小さい傷がありませんか?」

「確かに、小さい傷があったけど....どうしてこんなものが?」

 

治安局では、特殊かつ重大な事件の容疑者を収監する場合、中で危険なことをしないように小型のチップを埋め込むことがある。

そして、一連の重大事件の容疑者であるパールマンに使用されたチップはGPSタグがついており、いま現在有効な状態である。

 

「GPS?しかもまだ有効だって?それって、飛行船が事故った後も動いてたってことですよね?」

「すんません、すいません!ちょっと止めてもらっていいっすか?それじゃ、治安官はずっとこいつを追跡できたってことになるんじゃないですか?」

 

つまりブリンガー長官はずっとパールマンを探す手段を保持したうえで泳がせていたことになる。

 

嫌な予感がする。一行の背筋に冷たい汗が流れる。

 

「我々のこれまでの行動は、ある仮説に基づいたものでした。黒幕の目的は、パールマンを抹消することで証拠を隠滅し、我々に真相を暴かれないようにすることだと....。

いつでもパールマンを見つけられたのなら、これまでの包囲・連れ去り・逃亡・妨害にはなんの目的が....?」

 

なにか、前提を致命的に間違えている。そんな気がしてならなかった。

 

「そういえば、ブリンガーはあのときすっげえ急いでたゾ。うんちしたかったかゾ?」

「先輩、いま大事な話してるんでちょっと黙っててください池沼。」

 

「いえ、待ってください。…確かに不自然でした。

私が言うのもなんですが、あのときの『課長の独断専行』というカバーストーリーはかなり無茶でした。…それでもブリンガーは乗ってきた。

もし、それが奴の目的に都合がよいものだったからだとすれば…。」

 

「課長の身柄を抑えるのが目的?それこそ無茶でしょ。

あの虚狩りに手を出すなんて、手の込んだ自殺みたいなもんですよ。」

 

確証の無い議論。しかし、ここ数時間の出来事を思い返していたリンに、ひとつの心当たりがあった。

 

「___刀。」

 

「え?」

 

「私と雅さんがホロウで迷ったとき、刀がおかしくなったんだよ。狐火がぶわって湧いてきて…。」

 

「課長の刀が?」

 

六課の面々や友人である朱鳶にも聞いてみたが、彼女の刀がそのように荒ぶるところは見たことが無いという。

 

 

 

星見家の刀ならば、星見家に聞くのが手っ取り早い。

 

雅の学生時代からの友人である朱鳶が直接雅の実家に電話を入れるが、現当主である雅の父・宗一郎は市政選挙の宴会場に出席しており、屋敷にはいないという。

 

市政選挙の宴会場といえば、典型的な上流階級の社交場である。

ならばとリンはヴィクトリア家政を頼った。

 

運よく星見家の得意先であったことが分かり、ライカンの仲介で星見家の当主・宗一郎と連絡をとることに成功した一行。

 

説得の末に、彼から聞き出した星見家の家宝の秘密。

 

 

 

 

曰く、名のある剣の中には、ある種の『禁忌』と呼んで差し支えない強大な力が眠っていることがあるのだという。

 

例えば遠く雲嶽山の宗主に伝わる『青溟剣』。

 

例えばとある殺人剣において神之御宝(カンノミホ)と呼ばれる『邪剣・夜』。

 

 

 

そして、星見家に伝わる『妖刀・無尾』もそのひと振りである、と。

 

「雅の鞘は、『禁忌』の力の制御装置でもあるのだ。あの鞘は常に万全の状態でなければならない!

もしそうでない場合に娘が刀身に触れてしまったら____!」

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、雅を乗せた護送車が新エリー都を疾走していた。

 

 

 

「おい、ちゃんと運転しろ!虚狩りのご機嫌を損ねたら総局でこってり絞られるぞ!」

 

 

「芝居はもういい。さきほど、七つめの交差点でヤヌス区に入ったな。総局へ向かう気などないのだろう。」

手錠を護送車の支柱と繋げられた雅だが、恐れは全くなかった。

 

刀が無くとも、片手だろうと、負ける道理は彼女に万に一つもなかった。

 

 

「あら....とっくに気づいていたの?」

可笑しそうに笑うサラ。

 

その脇には、雅の愛刀が無造作に置かれている。

 

「悪党どもの企みは奇怪千万....お前達の目的を探るなら近くにいたほうが好都合だ。どのみち――お前達ごとき、脅威にもならないからな。」

 

「....徒手空拳でも、かしら?」

 

「ああ、刀を使うまでもない」

 

「ま、私たちが驚異足りえないのは否めないわね....。

なら、貴女に脅威になってもらえばいい。」

 

そういって、サラは刀を持ってたちあがる。

 

「星見の家に代々伝わる家宝。

極超級エーテリアス、稀代の強者、旧文明が遺した災い、そして新世代の邪悪!

すべてを斬り伏せし妖刀・無尾。

七代の主を経て、星見家を今の崇高ともいえる地位にまで押し上げた!人々は、星見の類稀な血筋が為せる業だと信じて疑わないけど、実はこの刀のおかげなのよねぇ?」

 

口外されるはずのない星見家の秘密を知るサラに、雅が目を見開く。

 

「驚いた?そう、わたしたちの目的は貴女!__そして貴女のもつ刀の力!」

 

 

勝利のピースは揃ったと言わんばかりにサラは雅を見下ろす。

 

 

 

 

 

しかし、雅には家の秘密を知られていること以上の動揺は見られなかった。

 

 

 

冷静に、雅は告げる。

 

「お前は二つ誤解しているな。

1つ、私が私に負けることは無い。

私が昨日の私よりも強くあれば良いのだからな。」

 

その言葉に、サラが不快そうに眉をひそめた。

 

 

 

「へえ、大層な自信ね。で、もう一つは?」

 

 

 

 

「ああ。

ここからが本題なのだがな。

 

 

 

 

 

 

 

その刀、無尾ではないぞ(・・・・・・・)?」

 

「はっ!天下の虚狩りともあろうものがしょうもない嘘を……。星見家の家宝について、我々がなにも知らないとでも…!

 

この刀身!!この輝き!!聞きしに勝る美しさ____

 

 

 

 

 

え___?

 

 

いやほんとにコレ無尾じゃないわ!?なんなのこの黒いの!?」

「それは 邪剣・夜だ。」

 

「知らないわよ、そんなの!うわっ!刀抜いたらなんか出てきた!?なんなのこの猿ゥ!?」

「それは 淫夢くんだ。」

 

刀から飛び出した淫夢くんは、サラの腕に抱きついて完全勝利したかの如くガッツポーズしながら脇から毒液をまき散らす。

 

 

 

 

 

 

何故こんな事態になってしまったのか。

話はリンがホロウから九死に一生を得て脱出したところまで遡る。

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

補給を行っていた野獣に雅が声をかけた。

 

「そこな野獣。その刀、見せてくれぬか。」

 

「ん?おかのした。…俺もいいスっか?」

 

新しい玩具をみつけた少年のような目で、野獣は雅が腰に佩いた星見家の家宝『妖刀・無尾』を指さす。

雅は頷き、それを腰から外した。

「課長!?まずいですよ!」

柳が止めに入るが、雅は意に介さない。

 

「柳、構わぬ。剣士に魂を預けさせるのだ。私もそうせねば筋が通らん。」

 

そういって、互いの愛刀を預ける。

 

雅は眼前に邪剣・夜を持ちあげて鞘から引き抜き、その赤い瞳を黒い刀身に落とす。

 

「___ふむ。クッソ悍ましいエーテルを放つ、この闇より黒い刀身。妖刀にして邪剣・夜。まさか再びあい見えるとは思わなかった。」

 

「雅はん、詳しいっすね。」

 

「あぁ、よく知っているとも。この刀の前の持ち主のこともな。」

 

星見雅は新エリー都最強の剣士である。

しかし、何も学ばずに最強になったわけではない。

 

その希代の才覚は、幾星霜も積み上げた血の滲むような鍛錬と数多の剣の師による指南によって研ぎ澄まされたものである。

 

母を喪った雅は、星見家の知名度や財力を精一杯利用し、彼らから貪欲に学んだ。

すべては、もう二度と自分たち親子のような悲しい犠牲を出さないために。

 

葛木もそういった師の一人だった。

 

「おじさんの鍛錬、キツかったでしょう?」

 

「あぁ、修行で泣き言を吐いたのは後にも先にもあれっきりだ。なにもかも懐かしい。

__お前はあの技を全て受け継いだのか?」

 

「んにゃぴ、剣だけです。鞭と蝋燭の型は完全に失伝しました。」

 

その言葉に、雅はゆっくりを目を伏せ哀悼する。

 

「そうか、口惜しいな。あれほどの絶技が後世に残らなんだとは。…いや、よそう。剣の型だけでも残ってくれた幸運を尊ぶべきだな。」

 

「ん、そうですね。ふたいたいはこの型だけでも伝えるつもりです。」

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

「そういうわけでうっかり返し忘れたままなのだ。残念だったな。」

「いや家宝の扱いが雑すぎるでしょ常識的に考えて…。」

 

 

どうすんねんこれ。と叫びたいサラだったが、今更計画を無しにするわけにもいかない。

 

一か八か、やるしかなかった。手袋に仕込んだ装置を起動する。

本来は無尾のエネルギーを奪うため用意していたエネルギー吸引システムだが、この汚い刀にもワンチャン互換性があるかもしれない。

 

「お…?おお。いけるわ、いけるわ。」

 

腕にしがみつく淫夢くんが「ヴォー」と咆哮をあげるとともに、手袋にエネルギーが充填されていく。

 

 

 

 

人生、なにごとも万事うまくいくとは限らない。

 

 

突発的なミスやトラブルがあっても、アドリブで本来の状況に立て直そうとする意志が重要になることもある。

 

 

 

ああ。そうだ。初心に帰ろう。

 

 

こんなときは始まりの主へのお祈りチャートに突入すべきなのだ。

 

 

 

雅も運転手も「おまえ大丈夫か」みたいな目で自分を見ている。

 

 

 

うっせえ うっせえ うっせえわ。大丈夫なわけないでしょう。あなたが思うより重症です。

 

 

護送車の窓ガラスに映った死んだ魚のような目をした自分を鼓舞するように、声を絞り出す。

 

「はーい、よーいスタート(棒読み)」




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クソボケお武家狐のせいでオリチャー発動する羽目になったサラ姉貴可哀想
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