迫真エリー都!ホロウレイダーと化した先輩   作:我蔦早瀬

5 / 50
第5話 田所さん家のメイドラゴン田中

現在、ホロウ内。

 

猫又と迫真空手部、そしてボンプのイアスに憑依したリン__すなわち伝説のプロキシ・パエトーンの5名は、電車を奪うべくホロウ内を進んでいたのだが、立ち往生していた。

 

 

横倒しになってひしゃげた電車が、進行方向を妨げるかのように道をふさいでいたのだ。

 

「頑丈な電車をここまで無茶苦茶に破壊するなんて、デッドエンド・ブッチャーに違いありませんよ!」

奴を間近で見た木村は、改めて生きて帰れた奇跡を噛み締めた。

 

「しかし、この電車邪魔だね。なんとか通れないかな。」

「あたし一人なら何とか・・・。でも、ボンプと空手部の三馬鹿はどう考えても通れないゾ。」

 

この道は目的地までの最短ルート。ここを通れないとなると、大幅な時間ロスを強いられることとなる。それは、作戦の失敗確率を大きく高めるものだ。

 

 

「(電車を)斬ろうと思えば(王者の風格)」

「野獣、変な見栄を張んなくていいから。」

漫才のような会話を繰り広げるこの瞬間も、刻一刻と貴重な時間が過ぎていく。

 

 

 

「あ、あのそちらに誰かいらっしゃるのですか?」

突然、電車の向こうからか細い女の子の声が届く。

 

聞けば、仲間とはぐれてしまったがキャロットがなく、途方に暮れているのだという。

同行を願う声の主・カリンとの交渉の末、パエトーン一行が出した示談の条件とは…。

 

 

 

「ここを通れるようにしてくれるとか絶対無理じゃんアゼルバイジャン。

熊のシリオンでも無理だってはっきりわかんだね。」

カリンの言葉が信じられず、電車の鉄の扉をがんがんと叩く野獣。

 

 

 

 

 

瞬間。

 

 

 

その顔のすぐそばに、成人男性の顔のサイズをはるかに超える巨大な丸鋸が突き刺さった。

 

「ヌゥン!ヘッ!ヘッ!

ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!(大迫真)」

 

「「「「汚物、五月蠅い。」」」」

 

腰を抜かして大絶叫する汚物と、それに顔をしかめる4人。

 

電車をバターのように切り裂いて現れたのは、一人の華奢なメイドだった。

 

「は、初めまして!

ヴィクトリア家政のカリン・ウィクスと申します!!

あ、あの。汚物、ということでしたら、カリンがお掃除いたしますが?

ああ、勿論お金などいただきません!」

 

自信なさげに野獣に屈んで微笑むカリンは、自分の目の前であまりの事態に脱糞した男こそ件の汚物であることに気づいていない。

 

 

 

 

 

「ヴィクトリア家政ってよく知らないけど、すごい人たちなんだなあ。」

「ええ、こんなに優秀な人があと3人もいるんでしょう?ナオキですよこれは。」

「この茶葉も、すっげえいい匂い。

ホットで淹れてもアイスティーにしても最高だってはっきりわかんだね。」

 

カリンの力は凄まじかった。道を阻む電車どころか、固い外壁やエーテリアスすら直線距離で突破し、時間ロスどころか当初の予定を大幅に繰り上げて目的地に到着することに成功したのだ。

 

「そんな。カリンなんて、家政で一番ダメダメで…。

皆さん、私なんて比べ物にならないくらい優秀なんです。この茶葉だって、選んだのは私じゃなくてライカンさんなので…。」

それでもカリンは自信なさげだ。

 

「でも、カリンちゃんを誰も探しに来てないってことは、その人たちはカリンちゃんのことを「ホロウで一人はぐれても自力で帰ってこられる優秀なエージェントだ。」って思ってる証拠じゃないですか?

それって勲章ものですよ?」

 

「そうだよ(便乗)」

 

「ええ、そんな。わ、私ひとりじゃなくて、あなた方が御力を貸してくれたからこそ、脱出できたんです。」

 

「すっげえピンチのとき、迷わず他人に助けを求められるのも才能の一つだってそれ一番言われてるから。

それで俺らも助かったんだし。」

 

「そうだよ(便乗)」

 

「迫真空手の掟 その二」

「周りを助け、助けられろ。」

「それは恥ではない。」

 

「み、みなさん…。」

 

 

「うん、なんだろうこの。いいこと言ってるのに不安しか感じないんだよね。」

「わかる。」

 

紆余曲折あったが、無事ホロウの脱出ルートまで案内することはできた、

名残惜しいが、カリンとはここでお別れだ。

 

「皆様、本当に本当にありがとうございました。

この御恩、一生忘れません。

必ず、お返しいたしますね。」

 

 

カリンは帰る途中、何度もこちらに向き直り、礼儀正しい会釈を繰り返していた。

「いい子でしたね、プロキシ。」

「うん。もっと自信もっていいよね。」

「そうですね。俺たちを参考にして、どうぞ。」

「お前らの根拠の無い自信はある意味無敵だぞ…。」

「そうだよ(便乗)」

 

「「褒めてないからね?」」

 

 




【Tips】

ナオキ(読み)なおき


「ナオキ」の意味・読み・例文・類語
なお‐き
とても良くないこと、酷い様、終わっている様子。

[類語]F〇ck you・おねショタにでてくるゴブリンみたいなクソガキ(複数)・クシャトリラ フェンリル・一部エージェントの固有名詞ばっかでわかりにくい説明文・なんでもかんでもホモビにこじつけして二次創作するアホ

デジタル民営書房
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。