【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集   作:北村 貴之

10 / 20
仮面ライダーセイバー クリムゾンドラゴンのガンバレジェンズ参戦記念回。
(クロマティッククロス2弾実装)


その8 語り継がれる神獣

ここは大阪府、塚本駅付近…。

 

「必殺読破!ドラゴン一冊撃!ファイヤー!」

「火龍蹴撃破!」

人々を脅かす怪異「アナザーライダー」のひとり、「アナザーW」目掛け、ソードオブロゴスの剣士の葛城直己が変身した「仮面ライダーセイバー ブレイブドラゴン」が、右足に火を纏い天から蹴り落ろす。

アナザーWはセイバーからの攻撃を受けていたためか回避できる体力が残っていない。

セイバーからの必殺技の餌食同然であった。

「はああああっ!」

セイバーのライダーキックが、アナザーWに炸裂する。

「グギャー!」

セイバーの足に纏った炎に焼かれながら、アナザーWは爆散した。

 

「ふぅ…。呆気なかったな」

セイバーはアナザーWを無事撃破し、ほっとしたようにする。

変身を解除しようとすると…。

 

パチパチパチパチ、と誰かが拍手する音が聞こえる。

セイバーが拍手する方を向くと、そこには女子高生と思わしき女の子がいた。

黒のカーディガン、黒のプリーツスカート、黒のソックスと、全身黒ずくめの制服姿であった。

艶やかな黒のロングへアをなびかせた美少女で、スタイルも中々良さそうだ。

「流石は仮面ライダーセイバー…。報告通りの強さですね」

無表情でその少女はセイバーを評価した。

(この子…。コーネリア高校の生徒じゃないな)

制服を見てセイバーはそう察した。

他校の学生である彼女が、何故この場所にいるのか。

セイバーは疑問に思った。

「君は…。誰だ?」

セイバーは少女に尋ねる。

すると、少女はこう答えた。

「私の名は、四条のぞみといいます」

「四条のぞみ…」

その名を初めて知ったセイバー。

「葛城直己ですね、ソードオブロゴスの剣士にして、コーネリア高校の教官」

「…よく知っているな」

目の前の美少女を、セイバーは怪しむように見つめてそう言った。

彼女が只者ではないのは雰囲気から感じられた。

(まさかとは思うが…)

セイバーは警戒する。

「私の眷属たるアナザーWを容易く撃破するとは。流石はソードオブロゴスの剣士ですね。鍛錬を怠っていないのが見て取れる」

「何が言いたい」

四条のぞみというその女子高生の称賛を受けても、なおも警戒するセイバー。

そんなセイバーの思惑が当たったのか…。

 

「この私をも退けることができるというわけです」

のぞみはそう言いながら、懐から何かを取り出した。

彼女が手にしたものを見て、セイバーは驚く。

「それは…!」

のぞみが持っていたのは、以前仮面ライダーターボンに変身していた、ハンドレッドのメンバーのひとり、東野真澄が所持していた「デザイアドライバー」であった。

見た目は以前東野が持っていたものとまったく同じものだったが、真ん中にはめ込まれたIDコアが緑色だった。

そのIDコアには、タヌキの頭部を思わせるような絵が描かれている。

「そうか。君もハンドレッドなのか」

セイバーがそう理解すると、

「そう。その通りです」

のぞみはそう言ってデザイアドライバーを腰に装填し、さらにアイテムを取り出した。

真ん中に刀のような意匠がある、黄緑色のラインの入った黒い大型の目のような形のバックルだ。

のぞみはそれを両手で分離させ、デザイアドライバーにセットする。

「SET AVENGE」

デザイアドライバーから音声が鳴る。

「前置きはここまでにしておいて…」

のぞみは静かにそう呟いた後、

「変身!」

とそう叫んだ。

すると、のぞみの身体を覆うように、黒い霧が展開された。

それはのぞみの身体にまとわりつき、彼女の身体を変えていく。

「ううっ…」

のぞみは低いうなり声を出す。

セイバーは攻撃せず、警戒して構えている。

そして…。

 

「はあーっ!」

のぞみは気合を入れて、そう叫んだ。すると…。

彼女の身体を包んでいた黒い霧が晴れる。

そこに立っていたのは…。

黒を基調としたボディに、目のような形をした黄緑色のラインが入っている姿の戦士だった。

マスクはバイザーを目で隠したタヌキのような形状をしており、身体は日本の武将が纏うような甲冑を纏っているようだ。

黒いマントがなびいている。

右手には日本刀のような武器を持っていた。

黒い鞘に収められている。

「字は仮面ライダータイクーン、ブジンソード」

彼女が変身したのは、鎧を纏いしタヌキの仮面ライダー、「仮面ライダータイクーン ブジンソード」だった。

その名を聞き、セイバーははっとする。

「…そうか。以前ブレイズとカリバーを退けた黒い仮面ライダーとは、お前のことだったのか…!」

セイバーは以前、仲間である二階堂まどか/仮面ライダーブレイズと、結崎美穂/仮面ライダーカリバーをたった一人で圧倒した仮面ライダーの報告からその名を知った。

まさか、この場で報告にあったライダーに遭遇するとは、思いもしなかった。

黒ずくめの甲冑というわけで、見ているだけでも圧倒される存在感だ。

「あら、その名をご存じでしたか」

タイクーンはそう反応して見せる。

セイバーも動揺した様子を見せるが、すぐに冷静さを取り戻し、身構えた。

(まさかこんなところで、ハンドレッドに遭遇するは…。あの剣…、ヤバそうだ)

タイクーンが手にしている太刀「武刃」を見て、セイバーは危機感を募らせた。

タイクーンは鞘から武刃を引き抜き、セイバーに向ける。

「さあ、勝負です!」

タイクーンはそう言い、構える。

セイバーはそれに応えるように火炎剣烈火をソードライバーから引き抜いて構えた。

「ああ…!いくぞっ!」

タイクーンから感じるただならぬ雰囲気に警戒しつつも、剣を握る手に力を込めて向かっていった。

 

「くっ、報告どおりの強さだな…!」

セイバーはなんとかタイクーンと互角に戦えていた。

刃と刃がぶつかる音が響く。

しかし互角とはいえ、一瞬でも気を抜けば一気に劣勢になりかねない。

彼女の太刀筋はほかの敵とは一線を画したものだった。

セイバーは剣士としての経験も長いためか、太刀筋からそれを感じたのだ。

「このっ…!」

セイバーは一旦離れ、火炎剣烈火に炎を纏わせる。

タイクーンは武刃を構え、じっとしている。

「必殺読破!ドラゴン一冊斬り!ファイヤー!」

セイバーはそう叫び、火炎剣烈火をソードライバーに納刀した後に引き抜き、火炎を纏った斬撃をタイクーン目掛けて放った。

「喰らえっ!」

セイバーの炎の斬撃がタイクーンに向かって飛んでいく。

タイクーンはそれを、構えた武刃で受け止めた。

足で踏ん張り、セイバーからの必殺技を耐え抜く。

そして…。

「はあっ!」

タイクーンはそう叫び、必殺技を無効化した。

「なにっ!」

セイバーはその一撃に驚く。

そんなセイバーに、タイクーンは武刃を持ち斬りかかってきた。

「うっ…!」

セイバーはどうにかしてタイクーンからの攻撃を回避した。

タイクーンが小さく舌打ちをする。

セイバーは荒く息をしていた。

 

「こうなったら…」

セイバーはそう言うと、新たにワンダーライドブックを取り出した。

それも2冊で、どれも赤色だ。

ひとつは鷲の絵が描かれた「ストームイーグル」。もうひとつは、西遊記の主人公「孫悟空」が描かれた「西遊ジャーニー」だ。

セイバーはそれらを火炎剣烈火がソードライバーに納刀された状態で、装填した。

そして、再び火炎剣烈火を引き抜いた。

「烈火抜刀!」

その音声が読み上げられたあと、

「語り継がれる神獣のその名は!クリムゾン・ドラゴン!」

と音声が流れ、セイバーの姿が変化する。

真ん中に赤い鷲の頭部の意匠のアーマーが装着され、左腕には、猿の意匠のある真紅のアーマーが装備されていた。

この姿こそ、赤のワンダーライドブック3冊を使用して変身した「仮面ライダーセイバー クリムゾンドラゴン」だ。

「ここまで強けれりゃ…。こっちもやるしかないからな」

変身し終えたセイバーは火炎剣烈火を構え、タイクーンと再び対峙する。

「ほう、それは興味深い」

タイクーンは興味深そうにセイバーの姿を見て、そう言った。

「はああっ!」

セイバーが火炎剣烈火を振り回しながら、タイクーンに向かって行く。

「ふっ!はあっ!」

セイバーの攻撃を、タイクーンは武刃を使って受け流していく。

セイバーの攻撃は先程の「ブレイブドラゴン」に比べると見てわかるほどに強化されていた。

ワンダーライドブックには相性があり、いま装填されている3冊のワンダーライドブックはセイバーとは相性が良い。

燃えたぎる炎の力と鷲のようなしなやかな力、そして猿のような軽やかさ。

その3つを併せ持ち、セイバーは強化されていたのだ。

(なるほど…。あの剣士たちはしなかったことをやるとは)

タイクーンがそう考えていると、セイバーが火炎剣烈火で斬りかかってきた。

それを武刃で受け流し、反撃のチャンスを待つタイクーン。

そんなタイクーンの攻撃は、セイバーの剣による攻撃の強さに防戦一方となっていた。

「はああっ!」

セイバーが火炎剣烈火を勢いよく振り下ろす。

タイクーンは後方に飛び、その攻撃を回避する。

そして、反撃すべく武刃を構えようとするが…。

 

「見えたっ!」

セイバーはそう言い、火炎剣烈火に別のワンダーライドブックをスキャンする。

青のワンダーライドブック「エイムズアニマルファイル」だ。

以前海馬コーポレーションの三沢よりもらった新たなるワンダーライドブックだ。

スキャンされた「エイムズアニマルファイル」は、いったん消滅し、セイバーの左手に「エイムズショットライザー」が装備された。

青い銃型の武器だ。

セイバーはショットライザーでタイクーンの武刃の持ち手を狙い発砲した。

弾丸は見事命中し、武刃が落ちる。

「くっ…!」

正確に打ち抜いた攻撃に、思わずタイクーンが呻く。

セイバーはタイクーンが武刃を落としたのを確認して、彼女に向かって駆け出した。

「これで終わらせる!」

セイバーは火炎剣烈火を納刀し、トリガーを2回引いた。

 

「必殺読破!ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!3冊撃!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!」

とソードライバーから電子音声が響く。

それを確認した後、セイバーは天高く飛ぶ。

すると全身を炎が渦を巻き始め、包み込む。

 

それを見たタイクーンは、ブジンソードバックルのトリガーを2回引いた。

すると、タイクーンの全身を黒い墨を思わせるようなオーラが包み込む。

一旦しゃがみ込むようにし、その後先程のセイバーのように天高く飛び上がった。

「BUJIN SWORD VICTORY」

デザイアドライバーからそう電子音声が流れ、セイバー目掛けて回転しながらライダーキックを繰り出した。

 

そのタイクーンの「ブジンソードビクトリー」に対抗すべく、エネルギーを充填し終えたであろうセイバーは、

「轟龍蹴烈破!」

と叫び、自身を目掛けて蹴りかかるイクーンに向かって、爆炎を右足に纏わせ、ライダーキックを放った。

赤い爆炎を纏い蹴りつけるセイバー、黒い疾風わ纏い蹴りつけるタイクーン。

ふたりの仮面ライダーは、互いの必殺のキックをぶつけ合った。

ドオオオオオオオン!

セイバーの爆炎、タイクーンの黒い疾風。

ふたつのエネルギーがぶつかり合い、大きな爆発が起こる。

「くっ…!」

その爆風をなんとか耐えたセイバーは、そのまま着地した。

そして…。

 

「うっ…」

タイクーンは変身が解除されてしまい、地面に倒れてしまったのだった。

(くっ、まさかここまでだとは)

タイクーンは変身が解除されて、のぞみに戻っていた。

先程清潔だった制服に破れはなかったが、所々土汚れのようなものが確認できる。

「これで勝ったと思わないことです…!」

のぞみはそう言うと、落ちていた武刃でつむじ風を巻き起こし、姿を消した。

「おい、待て…!」

セイバーはそう言いながらも追いかけようとするが、先程のダメージのせいかうまく動けずにいた。

思わずひざまずく。

「くっ、手ごわい敵だった…」

そう言った後、セイバーも変身を解除して直己の姿へと戻る。

「まどかと美穂の報告どおりだった…。鍛錬してなかったら今ごろ死んでたかな」

そう独り言をつぶやくと、直己はあたりを見回した。

「いつのまに…、こんな時間になったんだ…」

気づけば辺りはすっかり夕暮れ時となっており、その光景を見て思わずそう呟いていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。