【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集 作:北村 貴之
仮面ライダーセイバーこと葛城直己と、仮面ライダーブレイズこと二階堂まどかは、支給されたスマホから届いたハンドレッド出現の連絡を受け、現場に急行していた。
直己はバイク・ディアゴスピーディーに乗り、まどかはライドガトライカーに跨り、ハンドレッドのライダーが出没したとされる場所へと向かっていた。
このふたつのバイクはワンダーライドブックを使用することで出現する、ソードオブロゴス専用のバイクだ。
(待っていろよ、ハンドレッド!)
直己はそう意気込みつつ、ハンドルを強く握った。
バイクで走行し、目的地に到着した直己とまどか。
そこには、ハンドレッドの仮面ライダーがいた。
青色のボディをした、長方形のマスクに赤色の複眼のライダーだ。
「お前か、連絡にあったハンドレッドのライダーは!」
聖剣ソードライバーを腰に巻いていた直己は、その青のライダーを睨みつけながら叫んだ。
「そうだ!俺の名は、ガンバライダーアクート。ハンドレッドのライダーのひとりだ!」
青のライダー・ガンバライダーアクートは、金色の武器・サウザンドジャッカーを召喚し、構えた。
「俺に勝てるか。貴様らの力、見定めさせてもらおう!」
サウザンドジャッカーを握りながら、アクートは言った。
「望むところだ、いくぞ!」
直己はそう言うとワンダーライドブックを懐から出した。
まどかも彼に続きワンダーライドブックを出す。
「ブレイブドラゴン!」
「ライオン戦記!」
直己のソードライバーに「ブレイブドラゴン」のワンダーライドブックが、まどかのソードライバーに「ライオン戦記」のワンダーライドブックがセットされる。
ふたりはソードライバーに納刀された聖剣を引き抜き、
「変身!」
と叫びながら同時に聖剣を引き抜いた。
「烈火抜刀!ブレイブドラゴン!」
「流水抜刀!ライオン戦記!」
直己の身体に赤い鎧が装着され、まどかの身体に青い鎧が装着される。
そしてふたりの頭部には、それぞれ赤と青のマスクが装着された。
仮面ライダーセイバー・ブレイズへと変身を遂げたふたりが、ガンバライダーアクートに向かっていった。
「さあ来い!」
アクートはそう言うと、サウザンドジャッカーのレバーを引く。
「ジャックライズ!」
サウザンドジャッカーからそんな音声が鳴り、ジャッカーの刀身が炎を纏う。
セイバーは火炎剣烈火で、アクートに斬りかかった。
炎を纏ったサウザンドジャッカーで、アクートはその攻撃を防いだ。
「お前の力はそんなものか?」
サウザンドジャッカーでセイバーの火炎剣烈火を防ぎながら、アクートは挑発するように言った。
「なんだと!」
その挑発に乗っかり、さらに強く力を入れて斬りかかるセイバー。
だがその攻撃も、サウザンドジャッカーによって阻まれてしまう。
「たああっ!」
と、今度はブレイズが水勢剣流水で斬りかかった。
アクートがセイバーと競り合っているため、がら空きだ。
しかしながら、がら空きのはずのアクートの背中に搭乗、赤色のオーラシールドが唐突に召喚された。
水勢剣流水による攻撃は、このオーラシールドにより無効化され、ブレイズは後退りした。
「なにっ!?」
現れたシールドにブレイズは困惑している。
「知らなかったな。俺はライダーの力のみならず、異世界の異形、つまり怪人の力も使えるのだ」
アクートがセイバーの攻撃を何回も受け止めながらブレイズに教えた。
一方のセイバーは、アクートに少しでもダメージを与えようと火炎剣烈火による攻撃をやめなかった。
しかしアクートの方が上のためかダメージを与えられない。
「さっきの力は…?」
ブレイズがそう聞くと、
「気になるか。そう。これはストマック社の長子、ランゴの力だ」
聞き覚えのない単語だが、会社の長子と聞くだけで強大な力を持っていることが想像できる。
「このままじゃ埒があかない…!」
セイバーはそう言うと、一度後退した。
そしてブレイズは、聖剣ソードライバーに「天空のペガサス」「ピーターファンタジスタ」のワンダーライドブックをセットした。
「こっちも!」
と叫ぶとセイバーは「ドラゴニックナイト」ワンダーライドブックを「ブレイブドラゴン」ワンダーライドブックと入れ替える形でセットした。
そして、ふたりは納刀した聖剣を抜刀した。
「流水抜刀!蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!」
ブレイズの姿が、「ファンタスティックライオン」のフォームとなる。
「ライオン戦記」の姿にペガサスの意匠のある腕アーマーとピーターパンの意匠のある腕アーマーが追加されたような姿だ。
「ドメタリックアーマー!ドハデニックブースター!ドハクリョックライダー!ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!」
一方のセイバーは、全身が銀色の甲冑を纏った「ドラゴニックナイト」へとフォームチェンジしていた。
左腕には「ドラゴニックブースター」が装着されている。
「ほほう。全力を出してきたか」
アクートは関心したような声を出す。
「しかし、姿は変わっても、結果はどうなるかっ…!」
アクートはサウザンドジャッカーのレバーを引き、ジャックライズした。
ジャックの先端から、無数の菱形の物体がセイバーとブレイズ目掛けて飛んできた。
セイバーはドラゴニックブースターに「ブレイブドラゴン」を読み込ませた。
すると、ブースターから勢いのある火炎放射が噴き出してきた。
「フレイムスパイシー!」
アクートの放ったシャインクリスタが、火炎放射で蒸発し、消えていった。
「やるな…」
思わぬ事態に驚くアクート。
そんなアクートにブレイズが迫る。
「余所見厳禁だよ!」
ブレイズが、アクート目掛けて流水で斬りかかる。
「とりゃあ!たっ!」
「おわっ…!」
ブレイズの攻撃に思わずサウザンドジャッカーを手放してしまい、攻撃を受けてしまう。
このままだと倒せる。
そう勝ちを確信したセイバーとブレイズだったが…。
「ここまでやるとはな…。だが、まだまだだっ!」
アクートはブレイズの攻撃を耐え抜き、そして流水の攻撃をオーラシールドをもう一度展開してブレイズを弾き飛ばした。
「きゃっ…!」
ふっ飛ばされたブレイズを、セイバーが受け止めた。
アクートは四角形のマスクに手を当て…。
「バーストチェンジ!」
と叫び、マスクを触った。
マスクから何かが飛び出し、落ちてきたそれをマスクに入れるようにしてセットした。
「フッ!」
その音声とともに、アクートのボディに、翼のようなパーツが追加された。
それだけでなく、全身から凄まじいオーラがアクートを包むようにして放たれていた。
「なんだあれは…!?」
驚くセイバーとブレイズを尻目に、
「はあっ!」
と叫びながら、禍々しい大剣「ビターガヴガブレイド」を召喚した。
そして、その剣を持ちセイバーたちに斬りかかった。
アクートの斬撃を、ふたりは迎撃する。
しかし、先程のパワーアップによるものなのか、動きが違う。
素早さは大幅に向上しており、攻撃をする余裕がまったくなかった。
「くっ…!」
ブレイズが苦しそうな声を出す中、
アクートは手にしていたビターガヴガブレイドに小型アイテム「ヒリヒリチップスゴチゾウ」をセットした。
セットしたゴチゾウは大剣に吸収され、大剣全体が業炎に包まれた。
そして、その大剣でセイバーとブレイズを一閃した。
「うわーっ!」
ふたりはふっ飛ばされた。
セイバーのドラゴニックナイトの装甲ですら、アクートの攻撃には敵わなかった。
「そろそろトドメといくか…」
アクートはビターガヴガブレイドを地面に突き刺し、怯んでいるふたりに向かって助走した。
アクートの足に、強烈そうな雷がほとばしっている。
アクートはジャンプして、ライダーキックを放った。
「くらえ、これぞゴ・ガドル・バの技。ゼンゲビ・ビブブ(電撃キック)!」
強烈な電流が流れるドロップキックがセイバーとブレイズに放たれた。
「ぐあーっ!」
「きゃあーっ!」
ふたりはそのまま変身解除にまで追い込まれ、地面を転がっていった。
「く…、くそっ…」
直己とまどかが地面に這いつくばっているのを見ていた。
「ソードオブロゴスの剣士たち。実力は悪くはないがまだまだ未熟。もっと鍛錬に励むことだ」
とアクートは言い放ち、テレポートでどこかに消えた。
「待てっ…!」
地面に倒れながら直己は叫んだが、それもむなしく、アクートの気配が消えた。
変身解除されたまどかと直己は、地面に仰向けになりながら空を見ていた。
「負けたのか…、俺たちは」
呆然とするふたりを夕日が照らしていた。
「あいてっ…!」
場所は変わりコーネリア城。
仲間たちに直己とまどかは手当てしてもらっていた。
「もうっ、大きな声出さないで…!」
薬液をつけた脱脂綿を直己の傷口にトントンと当てながら、仮面ライダーエスパーダに変身する五條理香が怒ったように言った。
「もっと優しくしてよ!」
と直己が言うと、理香は
「はぁ…」
とため息をつきながら手当てを続けた。
そんなふたりの様子を、苦笑いしながら、仮面ライダーカリバーに変身する結崎美穂はまどかの身体に包帯や絆創膏を貼っていた。
「あんなのに負けるなんて…」
そういいつつ、救急箱をしまう理香。
「とにかく圧倒的だった。ふたりがかりでもかなわなかったよ」
直己が神妙な顔つきで語った。
「今まで数多くのアナザーライダーやダークライダーを相手にしてたけど…。今回ばかりは手に負えませんでした」
そう言ったまどかの表情はどこか悔しそうだ。
「ドラゴニックナイトが破れるとは…。新しく作ってもらったライドブックなのに」
今回直己が使用した「ドラゴニックナイト」ワンダーライドブックは、コーネリア城の技術開発部とソードオブロゴスの上官にあたる四混沌が開発・製造したものであった。
しかし、その性能は、直己たちがこれまで使用しているイドブックに遠く及ばない。
「あ〜っ…。たしかあれ麗子さんからチラッと聞いたけどまだ調整中の域とか言ってた気が…」
まどかが思い出したような顔をした。
「なに…?」
直己が目を丸くしてまどかを見る。
「とにかくこれ、まだ使わない方がいいかもね…。チューンナップもまだまだやりがいがありそうな気がするし」
理香がそう言うと、直己は、
「チューンナップか…」
と言った後立ち上がり、
「じゃあ、これは麗子さんに預けてくる」
と言って月ヶ瀬麗子のもとへと向かった。
そんな彼を見送ったまどかは、
「まだまだ鍛えないとね…。あたしたち」
と、美穂を見ながら言った。
そんな美穂は、
「うん。もっともっと強くなろう」
と言い、ふたりは握手をしたのだった。