【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集   作:北村 貴之

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その17 襲撃!ハンドレッド 仮面ライダーリガドの脅威

「君か、噂の炎の剣士っていうのは」

仮面ライダーセイバーに変身する、火炎剣烈火に選ばれた葛城直己にそう呼びかける者がいた。

直己がパトロール中、彼が敵対している組織、ハンドレッドのメンバーである青年、桂川慎平。

眼鏡をかけており、気品ある服装を身にまとった青年だ。

直己は若干うんざりした顔で、桂川を見る。

桂川がハンドレッドの一員であることはすぐにわかった。

なぜなら、腰には変身ベルトが巻かれていたからだ。

ハンドレッドのメンバーは悪の仮面ライダーに変身することができる。

「君の持つ火炎剣烈火…、だっけ?実に興味深い。どうだ、そちらに渡してはくれないか?君には人生を生きるうえで一生困らないありったけの大金を渡すからさ」

「…お断りだ」

直己は冷ややかな声で桂川からの誘惑を払いのける。

桂川は聖剣ソードライバーと火炎剣烈火を欲しているようだ。

ハンドレッドの目的は、直己たちのいる世界の侵略と、直己たちが持つ聖剣。

それを奪いに来たことは直己にはわかっていた。

直己に断られた桂川ははぁ、とため息をついた。

 

「やれやれ。なら、仕方がない。こうなったら、力ずくといくしかなさそうだ」

桂川はジャケットのポケットからカードを取り出した。

そして、こう直己に言い放つ。

「おっと、こいつの名を言い忘れていた。名は『ジリオンドライバー』…。そして、俺の名はハンドレッドのメンバー、桂川慎平」

桂川がそう言い終えると、カードをドライバーにスキャンし、

「変身…!」

と呟いた。

すると、桂川の身体にアーマーが装着されていき、彼の姿は赤と黒のボディの仮面ライダーへと変貌した。

金色のラインが、雰囲気の禍々しさに豪華さを彩っている。

「俺は、仮面ライダーリガド」

リガドに変身した桂川はそう言った。

「仮面ライダーリガド…。ヤバそうだな」

リガドを見た直己は警戒する。

しかし、直己は逃げるつもりはなかった。

火炎剣烈火が納刀された聖剣ソードライバーを腰に巻き、手には「ブレイブドラゴン」のワンダーライドブックが握られていた。

「ブレイブドラゴン」をソードライバーの左スロットにセットした直己。

そして、火炎剣烈火を引き抜き、

「変身!」

と叫んだ。

直己の身体を、赤いアーマーが包み、「仮面ライダーセイバー ブレイブドラゴン」へと姿を変える。

セイバーの基本形態だ。

「フッ!」

火炎剣烈火を振り下ろし、セイバーは変身を完了する。

「…」

リガドは観察するかのようにセイバーを見ていた。

リガドにとってセイバーは始めて見る仮面ライダーのようだ。

 

「なるほど、これがこの世界の仮面ライダーというわけか」

リガドが興味深そうにそう言った。

「…そうだ。剣の力で戦う剣士ってわけ」

セイバーは言う。

「そうか、なかなか面白そうだ。ガッカリさせるなよ?」

リガドの言葉に、セイバーは苛立ちを覚えた。

自分を茶化されているような気がしたからだ。

「…お望み通りだ!」

セイバーは火炎剣烈火を持ち、リガドに斬り掛かろうと向かっていった。

しかし、リガドは落ち着いたままだ。

セイバーは剣を構えて走って向かってくるのに対し、不動だった。

火炎剣烈火がリガド目がけて振り下ろされる。

しかし、それをリガドは片手でキャッチする。

「なっ…!」

丸腰なのでどう対抗するか気にはなっていたが、まさかシンプルに刀身を掴みにくるとは思っていなかったのだ。

セイバーは慌てる。

「そんなものか?その程度じゃ俺には勝てないぞ」

余裕の笑みを浮かべながら言うリガド。

リガドは、火炎剣烈火を握ったまま、空いている片方の手で拳を作り、セイバーの胴体に拳を繰り出した。

そのパンチはまるで鉄球を受けているのか、とセイバーに錯覚させるほどの威力だった。

セイバーは吹っ飛んで倒れる。

「ぐぅっ…!くそ…」

セイバーは痛がりながらも起き上がる。

 

再びリガドと対峙する。

「その程度か?」

余裕そうな表情のまま、リガドは言う。

「だったら、これならどうだ!」

セイバーはそう言ってもう一つのワンダーライドブックを取り出す。

それは「ドラゴニックナイト」である。

普通のワンダーライドブックに比べ大きさはかなり大きい。

「ブレイブドラゴン」をスロットから外し、新たに「ドラゴニックナイト」をソードライバーにセットする。

そして、一旦火炎剣烈火をソードライバーに納刀し、再び烈火を引き抜いた。

 

「Don`t miss it!ドメタリックアーマー! ドハデニックブースター! ドハクリョックライダー! ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!」

ワンダーライドブックとソードライバーからそう音声が鳴り、セイバーが「ドラゴニックナイト」へと変化した。

白銀の甲冑を纏ったような姿をしておりまさに「ド強い」雰囲気があるフォームだ。

 

「ほう、それは…」

「ようやく完全になったやつだ。試させてもらう!」

セイバーはそう言うと、左腕の「ドラゴニックブースター」に「飛電の秘伝物語」ワンダーライドブックをスキャンした。

すると、ライドブックは消失し、セイバーの右手に蛍光色の剣「プログライズホッパーブレード」が装備される。

ホッパーブレードを装備したセイバー。

左手で火炎剣烈火を引き抜き、二刀流の状態でリガドに飛びかかる。

リガドに連続で斬撃を喰らわせようとする。

対して、リガドは近くにあった大型の車を片手で持ち上げ、それを軽々とセイバー目がけて投げ飛ばした。

「ふんっ…!」

リガドの怪力にセイバーは驚くも、飛んできた車を真っ二つに切断し、攻撃を無効化した。

しかし、リガドはすぐ近くにあった別の車も持ち上げ、それを軽々とまた投げ飛ばす。

 

投げ飛ばされた車はセイバーに斬られる。

「なんてパワーだ…!当たったらまずいな」

セイバーはそう声を上げる。

リガドの周りにはもう車はないため、投げてくる心配はなさそうだ。

「どうだ。このリガドはパワーに優れた仮面ライダーなのさ」

自慢げにそう言い、リガドは腕を組む。

「随分と余裕そうだ…」

セイバーはそう言ったが、リガドは余裕そうな態度を変えない。

セイバーは火炎剣烈火とホッパーブレードを構え、リガドに向かっていく。

「フッ!」

リガドは手を前に出し、掌からエネルギー弾を放つ。

それをホッパーブレードで弾き、セイバーは前進する。

だが、今度はリガドが高くジャンプし、セイバーの背後に回り込む。

セイバーも背後を向いて対応する。

セイバーは剣を振るい、リガドもエネルギー弾を放つ。

それらが互いにぶつかり合い、辺りに衝撃が伝わる。

「ぬっ…!…なかなかやるな」

リガドはそう言った。

「まだまだだ!」

セイバーはさらに攻撃の手を緩めない。

火炎剣烈火から放たれる斬撃を、リガドは避け続ける。

しかし、リガドが跳んで避けた先にはホッパーブレードがあった。

リガドは気づかない。

「しまった!」

リガドはハッとしたが時すでに遅し。

リガドにセイバーのホッパーブレードによる斬撃が命中する。

「うぐっ…!」

苦悶の声を漏らすリガド。体勢が崩れる。

「もらった!」

セイバーは見逃さない。両手の剣をクロスさせ、渾身の力を込めた。

「ドラゴニック・フィニッシュ!」

クロスした剣から強烈な黄金の稲妻と炎が放たれ、リガドを直撃した!

 

ズガァァァァン!!

爆発と共にリガドの体が吹き飛ぶ。地面に叩きつけられ、火花が散った。

「ぐ…、くそっ…!」

変身が解除され、元の桂川の姿に戻った。息も絶え絶えだ。セイバーも変身を解除し、直己の姿に戻った。

 

「終わった…」

直己は肩で息をする。初めて遭遇する敵だったが、なんとか勝利することができた。

「ハァ…、ハァ…。認めよう。少々油断していたようだ」

桂川は悔しそうにそう言っていたが、どこか満足そうな声であった。

 

「火炎剣烈火…。やはり我らにとって必要なものだ…。そして、残りの聖剣も…」

「お前たちは、なにを企んでいる?数多の世界を侵略して、なにをするつもりだ?」

直己が桂川にそう聞くが、

「くくっ…。今は教えない。いずれまた会った時に…!」

桂川はそう言うと、ジリオンドライバーを操作してどこかへ消えてしまった。

「待てっ…!くそっ、逃げられたか」

直己は悔しそうに声を漏らす。

「ハンドレッドの幹部か…。パワー馬鹿ではあったが、ありゃ本気じゃないな。まだ隠れた能力があるかもしれん…」

直己には分かっていた。

先程のリガドは、並々ならぬ怪力のみならず、隠された特殊能力がある。

ハンドレッドの仮面ライダーと何回か戦ってきているので、彼は本能的に感じるのだ。

「桂川慎平…。ハンドレッドの幹部の一人か…。油断できん相手だ」

直己は呟く。

 

 

 

直己は立ち上がり、仲間に連絡を入れるために携帯電話を取り出す。

「もしもし、直幸?」

「あぁ、直己。どうした?」

電話の相手は同じ仮面ライダー仲間の香芝直幸だ。

直己と同じく聖剣ソードライバーを有しており、「黒嵐剣漆黒」を持っている。

「いや、先程ハンドレッドの幹部と遭遇してな。なんとか勝てたんだが、恐らくまた来ると思う」

「なにっ、ハンドレッドの幹部だと?そりゃヤバいな大丈夫なのか?」

「あぁ。少し疲れたぐらいだ」

「そうか、分かった。銀ちゃんたちにも報告しとくよ」

そう言って電話は切れた。

 

直己は携帯をしまうと、バイクをワンダーライドブックで召喚し、それに乗って帰っていった。

 

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